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■過去のESSAY■
・初名古屋。
(2003.6.4)

-- 初名古屋。 --

 実は、一昨日まで名古屋に滞在しておりました。

 今回は急な日帰り取材と言うわけではなく、かといって愛知県体育館にプロレスを見に行ったわけでもなく、きわめて私的な理由で行ってきたわけです。義理兄=嫁の姉のだんな様(この響き、なんだか違和感ありますねえ)の名古屋転勤に伴い、その引越しのお手伝いをしようと。

 初名古屋。
 正直胸の高鳴りが抑えられない未だ少年の心を持つ私(嘘)。

 というわけで、貧乏フリーランス夫婦は高速バスというきわめて安価&若さが要される交通手段を用い、腰を押さえつつ名古屋の地に降り立ったわけであります。
初名古屋ということで、行きのバス休憩所で早くもハイテンションモード突入時の私。

 で、義理姉夫婦のお宅へお邪魔し、さあ引越しのお手伝い…と思ったのですが、ほとんどの荷物が片付いている状態。

「もう大方片付いているから、ゆっくりしていって」

 という義理お姉さまの寛大なるお言葉を聞き、『嫁の姉の引越しの手伝いをする』という目的を持った大人な私は頭を引っ込め、『初名古屋』という言葉の響きに胸を躍る少年・種藤潤がにょきにょきと姿を現し始めてきました。
 
 初名古屋。
 何をすべきか?
 道は一つ。
 名古屋を喰らう。

 そう思い立った私は、普段仕事の時では考えられないような脳内麻薬をどんどん噴出させ、旅立つ前に購入した名古屋ガイドブックをフル回転させ、名古屋といえば…というグルメというグルメを全て探しまくりました。

 で、翌日。
 名古屋を喰らう2日間の幕が切って落とされました。

●1日目・昼●
 [ひつまぶし]

 名古屋最初のグルメめぐりは、ひつまぶしからスタート。

 うなぎの蒲焼がご飯の上に乗り、その上から刻み青ねぎ、刻み海苔をふり、だし汁をかけてかっ込むと言う、「うな丼の上からさらに手を加えるわけだから、うな丼以上の味わいになること間違いなし!」という何の根拠もない定義を過信し、この料理に取り掛かった私。

 結論から言うと、だし汁はいらないっす。

 まあ一応このひつまぶしという食物の食べ方は、「一杯目:普通に食べる/二杯目:青ねぎ・海苔をかけて食べる/三杯目:青ねぎ・海苔・だしをかけて食べる」という順序がスタンダードらしく、正直三杯目にもなるとうな丼濃度がかなり濃くなり、少々しつこいのは否定できないところ。そこで三杯目にだしをかけてさっぱりと締める、というストーリーはなかなか理にかなっているのではありますが、だし、塩味利きすぎ。「ちょっとさっぱり!」とは行かなかったと言うのが正確なところですね。

 うなぎ自体は大変美味しく、青ねぎ・海苔の乗った二杯目は新しい発見だっただけに、ちょっと残念。何より、値段が2000円と費用対効果を考えると、辛口にならざるを得ないですな。
 まあまあ名物料理にしてはまあ良しという結論。70点。

ひつまぶし上。かなりのボリューム。ちなみに特上だとこの倍うなぎが乗っているらしいですが、値段も倍…
二杯目の薬味かけヴァージョン。これ、かなりいけました。
三杯目、だしもかけたヴァージョン。ああ、惜しい…
おまけ。あまりにレトロデザインだったので思わず撮影。


●1日目・夜●
 [手羽先]

 旅の開放感からか、昼食後名古屋城に足を運ぶなりビールに手を伸ばした私。この日のディナーとなる『手羽先・山ちゃん』に到着する頃には、かなり出来上がっていたわけであります。

 ガイドブックでも一押しのこのお店は、「美味しい」「リーズナブル」が売りで、手羽先5本380円と言う酒飲みにはたまらないお値段。嫁・義理姉(義理兄は仕事のため不在)の呆れ果てた視線をよそに、「生中一丁!!」と何の迷いもなく叫ぶ私。当然ながら、「手羽先2人前!!!!」と付け加えたのはいうまでもありません。
山ちゃんの手羽先。ちなみに若干ビールが減っているのは、決して撮影前に我慢し切れなかったからではありません。

 手羽先、いいです。良すぎ。ひょっとしたらこの旅一押しかも。

 利きすぎかなというぐらい振りかかっているこしょう。骨から何の抵抗もなくはがれるほどやわらかい身。ビールが進む進む。

 正直、関東の居酒屋で食べる手羽先は、少々ぱりぱりしすぎて味気ない印象を抱いていた私なので、この『山ちゃん手羽先』にはかなり心動かされました。

 しかもこの店、他のメニューも充実。分厚いハムカツやモツなべの名古屋版・どて煮(もつを八丁味噌で煮てあります)、塩焼きそばなど、全て500円以内で食べれて、しかもかなり美味。

 これから名古屋でレギュラー参戦(?)することになるでしょうここは。

 手羽先90点、『山ちゃん』95点。
 
酒飲みの皆さん、絶対名古屋にきたら『山ちゃん』経験してください。あ、そうそう。満点に5点満たなかったのは、店内に張ってある自社発刊新聞が駄洒落多過ぎのためです(ちなみに新聞タイトルが『てばさ記』)。

 正直、観光地グルメに対してそれほど期待をしていなかったからでしょうか、良い意味で期待を裏切られ続けた初名古屋初日。かなりの大満足でありました。
 当然ながら、初日を終える頃には、調子をこいて『山ちゃん』で焼酎ロックなど飲んだくれていた酔いどれの私の頭には、当初の名古屋に来た目的はかなりの低濃度になっていたのは言うまでもありません(お義兄様、お義姉様、申し訳ありません…)。

 と言うわけで、2日目グルメは次回に続きます。

■J

2003.6.4.
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