-- ロンリーウルフ --
という歌をかれこれ十数年前に元光GENJI・諸星和巳が歌っていたことは誰もが(?)知っているところでありますが、
彼のそれからの去就はさておき、ロンリーウルフ=一匹狼と言うのは、賛否両論あるにせよ、その賛の部分が世間的には強い傾向にあると、私は思います。だからこそカー君(=諸星)がソロデビューシングルでそのタイトルを取り上げたわけであるけれど、とにかく
一匹狼と言うのは、それだけでプライオリティーがあると思うのです。
芸能界のドン・和田アキ子氏。
彼女のことを芸能批評家故・ナンシー関氏は
「芸能界に親分・子分の関係を成立させて生き残っている象徴」みたいな感じで評していました。
確かに彼女は、毎週日曜昼に放送されている
『アッ子におまかせ!』などでその親分・子分の関係を着実にお茶の間の前で構築しているのは、皆さんも何気なく感じているところでしょう。実際、和田アキ子に続けとばかりにそうした芸能界・親分・子分の関係は様々な形で形成されつつあるのは、もう改めて言うに及ばないところで。
しかし、おそらく和田氏が芸能界の中で最も熱い視線を送るタレントは、
彼女にとっての子分の中にはいません。
ダウンタウン・特に松本人志でしょう。
松本と絡む時の和田のはしゃぎっぷりは、明らかに他の番組のそれを超越しています。松本と絡めることが、本当に嬉しいと言うのが、ブラウン管の向こうからびんびん伝わってきます。
が、
松本と和田は、親分・子分の関係は成立していない。和田が入れないというより、松本が拒否しているのです。
でも、そういう松本に、芸能界のドン・和田は一目置いているのは明らか。まあ彼のお笑いに関しての能力があるからこそと言うのもあるでしょうが、所属しない人=ロンリーウルフが権力者から注目を浴びると言うのはこの例から見てなんとなく感じるところがあると思うのですがどうでしょう。
もう一つ。
TBS系列で以前若者を中心に爆発的な人気を博したテレビドラマ
『IWGP(池袋ウエストゲートパーク)』の主人公・マコト。TOKIO長瀬智也扮する彼は、池袋の若者達から一目置かれた存在。しかし彼は、ドラマ中で登場した池袋一のチーム・Gボーイズに所属するでもなく、トップに立とうというわけでもなく、どの組織にも属せず「めんどくせー!」と毎日気ままに過ごしている。そんなマコトに、周囲は様々な期待をかけ、マコトは「めんどくせー!」と言いながらもその期待に答え、評価が上がる。
マコト=ロンリーウルフ。
マコトが劇中で「今はおとなしいけれど、昔は誰も手につけられない悪(ワル)」という設定もマコトに対する高い評価につながっているとはあるでしょうが、
やはり彼が組織に属さないところに、大きなキーポイントがあるということを、つい先々週再放送されていたこのドラマを見るにつけ、妙に自信を深めてしまった私でありました。
まあ何が言いたいかというと、私も大学を卒業してから結果的にロンリーウルフとしてビジネスをしてきたわけで(
なんだかこの言い回しはとってもかっこ悪いのですが)、そんな中でたくさんの人たちが暖かい手を差し伸べて、今日の私があるのですが、それもこれもこうした『ロンリーウルフ=世間的には評価の対象』という後押しが結構強いなあと言うことをココのところつくづく痛感しているわけであります。「大学出たばかりなのに、一人でやっているなんてすごいね!」みたいな。(そうは言ってもどこの馬の骨かわからない男に仕事をくれるということは、そんな理屈を抜きにしてありがたいことです。本当にありがとうございます。みなさま)
ただ。
私もかれこれ社会人になって3年目。
もうそろそろこうした『ロンリーウルフの法則』だけではいけない時期に来ていると思うのです。
ウェブコンテンツの企画・制作や、書籍・雑誌などの編集・校正・ライティングなど、
それぞれにおける高いスキルが私に強く求められてきているのが、ここ数ヶ月、肌身で感じているのです。確かに今までもやるからにはそれなりのスキルをもって仕事に望もうと思っていましたが、これからは一層そうした部分を深く掘り下げていかなければならないなあと、思っている今日この頃であります。
ちょっとどたばたした仕事が一段落し、落としたてのコーヒーをすすりつつつれづれなるままにこんなことをぼんやり考えてしまいましたので、今回このエッセイに書いてみました。