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■過去のESSAY■
・熱海アンダーグラウンド
(2002.10.9)

-- 熱海アンダーグラウンド --

 先週末、久々にお休みをいただいて彼女と二人で温泉に行って参りました。行って来たのは日本のハワイ(?)、熱海。彼女の知り合いの紹介施設に泊まり、温泉で日頃の垢を落としてまいりました。

 ここ数ヶ月、仕事は入ってきてはいたけれど、お金は入らない生活を送っていたので(翌月払いがフリーの宿命)、休みらしい休みも取れず、ひたすらPCに向かう無味乾燥な毎日でした。
 そんな私を支えてくれたもの、それがこの「熱海温泉慰安旅行」でありました。温泉入って、サウナで汗をドバドバ流し、身体が水分を求めまくっているところに、生ビールをキュ〜〜〜〜〜〜〜っと流し込む。そして熱海ならではの海の幸を肴に、さらにビールを・・・。
 ああああああああああああああああああ早く行きたい早く行きたいというはやる気持ちを仕事へのテンションへ変換しながら、毎日を過ごしていたわけです。

 そしてその目的は大まか達成することが出来た旅行1日目。広い温泉、うまい料理と酒・・・。が、1泊2日の旅行なので、もう帰宅・・・。うーーーーーん・・・正直満足はしているが、まだ物足りないという気持ちもなくはない。ということで、施設のチェックアウトを終えた私たちは、熱海の観光へと出かけたのでした。

が。

 熱海というだけあって、あるのは「海」。海を眺めて10分過ぎ、彼女からの「見飽きた」という一言もあって、我々は「海」の観光10分で終了。しかし、どうするか・・・と駅前の喫茶店で観光案内を広げて作戦会議をしていたが、なかなか興味をそそられるスポットがありません。う〜〜〜む・・・と考えているところに、彼女が思いだしたように、

「ねえ、秘宝館って行ったことある?」

「秘宝館」??なんじゃそりゃ??そのうさんくさいネーミングに、私の心はなぜかフックされてしまいました。

「それって、どんな場所なの?」
「うーん・・・一言で言えば、下ネタ関係の物が展示されているんだよね

 下ネタ!!
 私もはや25歳。世間体というモノもあって最近とんと縁遠い響きであったが・・・やはり人間の根本は下ネタ小学校の頃「うん○、うん○!!」と意味もなく連呼していたあのころの感動が胸の中にこみ上げてくるのがわかりました。

「行こう!!その秘宝館ってとこ、行こう!!」

 そして私たちの「熱海温泉慰安旅行」第二の標的が決まり、少々乗り気ではない彼女を強引に引っ張り出し、早速現場へ向かったのでありましたが・・・

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 熱海後楽園ホテル横に設置された秘宝館。そこへはロープウエーで上っていくとのこと。早速チケットを購入しようと思ったのだが・・・

「入場料 1700円

 1700円?!
 確かに観光スポットの入場料は半端なく高いのが相場であるが、それにしてもこの入場料は上位ランクに位置するもの。一瞬値段に躊躇する私・・・しかし、私の下ネタへの想いは、そんな相場感覚を麻痺させるに十分であったようです。

「1700円もするんだから、そりゃ面白くて満足できるものなのだろう!!」

 私は颯爽と財布から2人分3400円を出し、チケットを購入。足が重い彼女の手を引っ張り、足早にロープウエイへ向かったのでした。

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 ロープウエイを降り、10分ぐらい階段を上ったり何だりしてようやく「秘宝館」の入り口へ到着した我々二人。で、結構お客は多く、知らなかったのは私ぐらいであった模様。テレビにも取り上げられていたようで、多数芸能人のサインと写真が入り口付近に張り巡らされていました。
そして入場口の前に、こんな看板が。



 うーむ・・・あやしい・・・イベントの数は多数あるのだが、どうも一つ一つの内容の濃さに疑問を抱かざるをえない(結果、ある意味濃いのですが)。
 やる気のない入り口チケットもぎりのおばちゃん、場末の博物館に即席で派手さを加えたような入場ゲート・・・膨張する私の中の不安・・・
 しかし1700円を払ってしまった私達。もう後には戻れない(戻れるんだけれど)。意を決し、ゲートをくぐったのでした。

<撮影禁止の施設内です。ご堪能ください。一応撮影したことは内密にお願いしつつ・・・>













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 単なる下ネタのノリで来た私が悪うございました。はしゃぐとか笑うとかそういうレベルのモノではなく、下ネタというカテゴリを通して、日本に根付くアンダーグラウンド・カルチャーを見せつけられたのでありました。
 上の写真の通り、全てがリアル。全てに逃げ場がない。全てが色あせながらも、人間の根本にあることをまざまざと押しつけてくるものばかり。
 これが学生時代の男ばかりの温泉旅行で、昨晩の酒が抜けきっていないナチュラルハイな状態でここに向かうのであればそれはそれで面白かったのでしょうが(実際そういった団体さんが多数いらっしゃいました)、我々は日頃の疲れをいやすために来た慰安旅行カップル。そんな二人には少々濃すぎ、重たすぎました・・・

 途中で張ってあったタレント・萩原聖人の写真の顔がいまいち浮かなかったのは、こう言うことだったのね・・・と出口を出てから改めて思い出された昼下がりでした。

 しかし、我々二人はさらなるアタミ・ジャパニーズ・アンダーグラウンドの世界へ突撃し、せっかく温泉で疲れを流した身体に、新たな種類の疲労をしみこませることになったのでした・・・
それは次回。

■J

2002.10.9.
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