top | profile | work | link | essay | gallery

■過去のESSAY■
・貧乏生活入門
(2002.9.4)

-- 貧乏生活入門 --

  みなさん、自分の生活を貧乏だと思ったことがありますか?
 というか、貧乏とはどのぐらいの収入から貧乏というのでしょうか?何か定義はあるのでしょうか?
 今の世の中って、就職難とは言われていますが、アルバイトが氾濫し、究極的にお金がなくて困るという状況はそうないんでしょうね。

 かくいう私はどうか?おそらく世間的には貧乏の部類でしょうね。「好きな仕事やっているんだからいいじゃねえか」と言われればそれで終わりなのですが、別に好きこのんで貧乏やっているわけじゃないですからね。まあここ最近はようやく人並みに近づいてきましたが、社会人1,2年目はひどかった。以前のエッセイ「ようやくまとまりました。私がなぜフリーで生きていくか」で登場したT氏と行動を共にしてきた頃ですね。うーん、あのころは本当にお金なかったなあ・・・。

 その当時のある一日をご紹介してみます。

---

 起床。昼より渋谷にて打ち合わせだったので、それに合わせて家を出る。

 朝食なんてモノは当然なし。親も私をいないモノとして認識していたので(家に帰らないことが度重なったため)、私のための食料は家に何一つ残っていない。とりあえず水道水を胃に流し込み、駅へ。

 駅までは自転車で。ただ、指定の駐輪場に150円(すまん。記憶曖昧)払って停めなければいけなかったが、お金がもったいないので駅周辺に無断駐輪。見回りのおっさんがいたが、ある一定の時間、交代でいなかったので、その隙を狙って停める。ちなみに後日、その自転車は見事撤去され、3000円支払って回収場から引き取らなければいけなかったが、その自転車を購入したのが3000円(地元の怪しい自転車屋)だったので、諦める。その後は徒歩にて駅まで通う。

 当時ほとんど渋谷で打ち合わせ等を行っていたので、月1回渋谷までの回数券のみ購入。交通費は基本的にこれのみ。定期は高いのでだめ。回数券一日分で行けない日は家で作業に当てる

 渋谷到着。腹が減ったが我慢。深呼吸を何度かこなし、胃をごまかす。結構これは空腹時有効なので、一度おためしあれ。
 打ち合わせ。渋谷ド●ール。当然ながら最安値のブレ●ドコーヒーを頼み、4時間ぐらい打ち合わせ。コーヒーを飲み干した後は、セルフサービスの水でなんとかつなぐ。仮に同席する人が前に到着して既に注文を取っていた場合は、何も頼まず水でその場をしのぐ

 打ち合わせ後、企画書の作成をすることになり、資料集めのため本屋へ。メモ帳を片手に。お目当ての本があった場合、まず目次をチェック。で、必要な箇所を頭の中でピックアップし、その箇所を開く。必要な文章箇所をメモ帳に書き写し、書籍名・出版社・初版年度をチェック。それを必要そうな文献毎にこなす。当然ながら、店員から注意を受けることは日常茶飯事

 日もとっぷり暮れ、さすがに腹が減る。自宅で食事をとろうと連絡するが、留守。これがほとんど。両親共働きなため、帰りは遅く、事前に連絡しておかないと自分の分の夕食が確保されていることはほとんどない。留守電になった時点で諦める。

 高校の知人からの電話。飲み会の誘い。一旦断る。飲み代前借りという交渉をしてみたが、逆に断られる。この頃、一番友達が減った時期だったと今思う

 夕飯としてマッ●65円バーガー(当時)1個単品で購入。となりで小学生が意気揚々とビックマッ●バ●ューセット600円を頼んでいる姿を見て、少し切なくなる。店内で食べようと思ったが、その切なさのせいもあって、持ち帰りに。近くの100円ジュース自動販売機でコーラを購入。公園で食べる。

 帰りの電車はちょうど回数券がなくなったので、切符を購入。と思いきや、20円足りない。どうしようかと考えあぐねた結果、駅員に交渉。20円借りることが出来た。無事帰宅。後日丁寧に20円を返却。
 当然ながら、家には私の分の食事はなし。企画書の作業を行う。気がつくと就寝。

---

 一時期はこんな毎日を送っていました。どうでしょう?
 なんでこういう生活を送らなければいけなかったか。
 考えられる原因は以下の通り。

1. 内定を蹴って契約した企画会社の社長が給料2ヶ月分を踏み倒し、逃走
2. その分の生活費を親に前借り。ということで、それ以後の借金はなかなか言い出せず。また、実家に住んでいたとはいえ、親とのコンタクトはほとんどなし。ご飯は前出の通り用意されない毎日。
3. 共に企画の仕事をしていたT氏とのプロジェクトは、基本的にお互いの持ち出しで行っていた。企画が通ればお金になるが、そうでなければ収入はなし。

 まあこんな生活をしていた1〜2ヶ月間が一番にっちもさっちもいかない時期でしたね。この後、いくつかT氏とのプロジェクトが進んだり、こんな私を見るに見かねた人がポケモンのおにいさんのバイトを紹介してくれたりし、徐々に改善はされていったのですが、おそらく一般的に就職した社会人一年生に比べると、非常にシビアな生活を送っていたと思います。

 と長い前置きはここまでにして。言いたかったことは、ここ最近種藤の体格が変わった(=太った)!という声。各方面から聞きますが、今までがおかしかったんですよ。やせすぎていたんですよ。食料食べてないから今までの体型であっただけで。今が普通です。本当に。
 でも先日、高校時代の同級生達に会った際、「太った」って言われたなあ・・・あのころは別に食えない状況じゃなかったのに・・・

 言い訳でした。

■ J

2002.9.4.
PAGE TOP > ESSAY TOP