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・究極のサービス
その1
(2002.12.11)

-- 究極のサービス その1 --

 究極のサービスとは。
 『ホテル王になろう』(中谷彰宏著・太田パブリケーション刊)(注1)を読み終わり、つくづくこのことについて考えるようになりました。
 以前私はアルバイトながら飲食業、洋服販売業などの店員として働いたことがあるので、サービス業の現場は経験したことがあります。その経験を通じて思ったのが、

「究極のサービスはどの場所にでも存在しうる」

 ということです。お客に接するスタッフの心持ち次第で、いくらでもサービスは向上できるはず。そう確信を持っていました。だから『ホテル王になろう』は、サービス自体についてはとても共感できるのですが、ホテル業界の人だけがこうしたサービスをしうるかというと、私はそうは思わなかった訳です。

 しかし。

 どうやらそれは私の思い過ごしだったようです。
 私の身の回りには、究極のサービスどころか、最低限のサービスもしてくれるところがないことに、ここ最近気づき始めました。

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 先日、お昼で入った某牛丼チェーン(文中どこのチェーンかわかっても口に出さないように)。

 いやーなんなんでしょう。この店舗が問題あるのでしょうか。

 食券を買い(この時点でどこのチェーンかばれちゃうか)、店員に渡し、さあ戦闘態勢だ・・・と思っていた矢先、まず出てきた付属のサラダを、蓋ごとテーブルの上に載せる店員

「??おまえ、これ蓋を開けてから出すのが常識だろう!」

 と心の中の叫びが聞こえたのか、急いで蓋を取る店員。しかし謝罪無し
 まあ安いからいいか。
 そして続けざまみそ汁が登場。さっそく飲もうとすると、ぬるっとした手応えが。お椀の縁にべっとりとついたわかめが私の手をぬらす。しかも縁は若干こぼれたみそ汁が。
 むむむむむ・・・まあ安いからよしとしよう。
 そしていよいよ真打ち登場、牛丼!
 ・・・と思ってから3分経過・・・まだ来ない
 ・・・5分経過・・・まだ来ない
 ・・・7分経過・・・まだ
 ・・・・10分経過・・・

 ブチン!

「くぉら!牛丼いつ来るんじゃ!!牛丼屋に来て牛丼が来ないっつーのはどういうことだ!!!」(心の中)
「あのー、牛丼まだ来ていないんですけど」(実際の対応)

 こうした私のチキンハートぶりを知ってか知らずか、「お待たせしました」と言いながら全くそうは思っていない表情で牛丼を持ってきた店員(サラダ時と同一人物)。10分待った挙げ句に私の前に出された牛丼・・・なんだか玉ねぎばかりだなあ。そして紅生姜をのせようと入れ物に手を伸ばすと、それを遮るかのごとく店員(サラダ時と同一人物)が詰め替え作業をする。

 全然おいしくない。基本的に食事に関してはヴァーリ・トゥード(なんでもあり)な私でも、こういう状況ではとてもではないがおいしくいただけない。いくら安いからと言っても・・・こういうケースはこの牛丼屋にとどまらないのは、みなさんもなんとなくおわかりいただけるのではないでしょうか?

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 低コストの中に、サービスのコストも含んだ結果がこれですね。
 でもやはり、客商売の中でお客へのサービスはコストに入れるとかそういう以前の問題でしょう。お客をもてなしてこそ客商売は成り立つ。大前提です。食い物出してあとは知らないじゃ、お店構えて商売する意味がないじゃないっすか。
 まあこうしたサービスの低下には、少なからずお客側にも責任はあるのですけれどね。安いからと言って、「安いから良いか」と諦めてしまうところ(上記私もさんざんその思いを繰り返していました)。これではサービスの向上は見込めませんよね。

 とにもかくにも、こういう場所では冒頭で述べた究極のサービスを追求することはほとんど不可能。

 では、ある程度の水準の料金が発生するところでは、究極のサービスが求められるのか?
 そういうことでもないようなのですねえ・・・

 私がもう一つ許せないサービスがあるのです。
 それは・・・
 次回(養老の瀧以来だな、この手を使ったのは・・・)

■J

2002.12.11.
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注1:ある方にインタビューした際にいただきました(中谷氏本人ではありません。あしからず)。