究極のサービスとは。
『ホテル王になろう』(中谷彰宏著・太田パブリケーション刊)(注1)を読み終わり、つくづくこのことについて考えるようになりました。
以前私はアルバイトながら飲食業、洋服販売業などの店員として働いたことがあるので、サービス業の現場は経験したことがあります。その経験を通じて思ったのが、
「究極のサービスはどの場所にでも存在しうる」
ということです。お客に接するスタッフの心持ち次第で、いくらでもサービスは向上できるはず。そう確信を持っていました。だから『ホテル王になろう』は、サービス自体についてはとても共感できるのですが、ホテル業界の人だけがこうしたサービスをしうるかというと、私はそうは思わなかった訳です。
しかし。
どうやらそれは私の思い過ごしだったようです。
私の身の回りには、究極のサービスどころか、
最低限のサービスもしてくれるところがないことに、ここ最近気づき始めました。
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先日、お昼で入った某牛丼チェーン(文中どこのチェーンかわかっても口に出さないように)。
いやーなんなんでしょう。この店舗が問題あるのでしょうか。
食券を買い(この時点でどこのチェーンかばれちゃうか)、店員に渡し、さあ戦闘態勢だ・・・と思っていた矢先、まず出てきた付属の
サラダを、蓋ごとテーブルの上に載せる店員。
「??おまえ、これ蓋を開けてから出すのが常識だろう!」
と心の中の叫びが聞こえたのか、急いで蓋を取る店員。
しかし謝罪無し。
まあ安いからいいか。
そして続けざまみそ汁が登場。さっそく飲もうとすると、
ぬるっとした手応えが。お椀の縁にべっとりとついたわかめが私の手をぬらす。しかも縁は若干こぼれたみそ汁が。
むむむむむ・・・まあ安いからよしとしよう。
そしていよいよ真打ち登場、牛丼!
・・・と思ってから3分経過・・・まだ来ない
・・・5分経過・・・まだ来ない
・・・7分経過・・・まだ
・・・・10分経過・・・
ブチン!
「くぉら!牛丼いつ来るんじゃ!!牛丼屋に来て牛丼が来ないっつーのはどういうことだ!!!」(心の中)
「あのー、牛丼まだ来ていないんですけど」(実際の対応)
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こうした私のチキンハートぶりを知ってか知らずか、「お待たせしました」と言いながら
全くそうは思っていない表情で牛丼を持ってきた店員
(サラダ時と同一人物)。10分待った挙げ句に私の前に出された牛丼・・・なんだか玉ねぎばかりだなあ。そして紅生姜をのせようと入れ物に手を伸ばすと、それを遮るかのごとく店員
(サラダ時と同一人物)が詰め替え作業をする。
全然おいしくない。基本的に
食事に関してはヴァーリ・トゥード(なんでもあり)な私でも、こういう状況ではとてもではないがおいしくいただけない。いくら安いからと言っても・・・こういうケースはこの牛丼屋にとどまらないのは、みなさんもなんとなくおわかりいただけるのではないでしょうか?
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低コストの中に、サービスのコストも含んだ結果がこれですね。
でもやはり、客商売の中でお客へのサービスはコストに入れるとかそういう以前の問題でしょう。お客をもてなしてこそ客商売は成り立つ。大前提です。食い物出してあとは知らないじゃ、お店構えて商売する意味がないじゃないっすか。
まあこうしたサービスの低下には、
少なからずお客側にも責任はあるのですけれどね。安いからと言って、「安いから良いか」と諦めてしまうところ(上記私もさんざんその思いを繰り返していました)。これではサービスの向上は見込めませんよね。
とにもかくにも、こういう場所では冒頭で述べた究極のサービスを追求することはほとんど不可能。
では、ある程度の水準の料金が発生するところでは、究極のサービスが求められるのか?
そういうことでもないようなのですねえ・・・
私がもう一つ許せないサービスがあるのです。
それは・・・
次回(
養老の瀧以来だな、この手を使ったのは・・・)
■J