top | profile | work | link | essay | gallery

■過去のESSAY■
・暑いからいらいらしているのかもしれないけれど怒りをぶつけさせていただきます
(2002.8.27)

-- 暑いからいらいらしているのかもしれないけど
怒りをぶつけさせていただきます --
 

 どうでもいいけどさあ。何とかならないかな。不愉快でしょうがない。しかもこちらに選択権がほとんどなく、一方的に、しかも幾度も押しつけられる。たちが悪い。しかも当事者達は非常に楽しそうなのがまた不愉快さを助長する。

テレビコマーシャル(ムービー携帯限定)。

 どうにかしてください。大手広告代理店を目指す殊勲な学生さんがこのサイトをご覧であれば(いないだろうけれど)、上司やクライアントがなんと言おうと、是非この種のコマーシャルだけは日本から撲滅してください。お願いします。

---

 広告の第一目的は、商品の販売促進にあることは、私が語らずとも皆さんご存じと思います。そのための作戦として、商品のわかりやすさ、企業のイメージアップ、インパクトの強さなど、各企業、各代理店が様々な手法で広告を打つわけです。

 で、現在の日本で広告効果として最も重宝されている媒体、それはテレビ。これまた私がわざわざ言わずともみなさんお知りでしょうが、とにかく今日のテレビコマーシャル、手が込んでいるし、コストもかけているのがありありとわかるわけです。結果、面白い広告も多々あります。生半可なテレビ番組よりよっぽど面白いテレビ・コマーシャルは数多く存在し、私もそれに異を唱えるつもりはありません。むしろどんどんクオリティーが上がっていけばいいと思っているほどです。

 でも、あるジャンルのテレビ・コマーシャルだけは見るに耐えない。本当に不愉快になる。ああ、こうして思い出しながら文章を起こしていても、不愉快になっていく自分がわかる。背筋に気持ち悪いモノが通る。

 それがムービー携帯電話のテレビコマーシャルなのです。

 ちなみに、ここでお断りしておきたいことは、私はムービー携帯(この名称すらも背筋がうずく)自体を否定しているわけではなく、これ自体は非常に優れているものであり、用途によっては今まで考えられなかったような効果が得られる可能性を秘めていると思います。

 くどいようですが、私が不愉快かつ違和感を覚えるのは、その無限の可能性を秘めた優れた機能の携帯電話をプロモーションするテレビコマーシャルなのです。

---

 通常、競合他社同士は広告戦略として他社とは異なった趣向の広告を打つことが多い(と私は思う)。しかし、このジャンルに限っては、みな右へ習えで同じ作り。『そのへんの出来事をムービー携帯で伝える』という趣向。まあわかりやすいわな。みなさんもふだんの生活で残業中の同僚に「焼肉先に食べてるぜー」「あんたのおかげで早くあがれたー」「はやくおいでー」と動画を送れば、職場の雰囲気も一層アップ♪・・・なんていく訳ないだろ!!!俺がそんなメール受け取ったら速攻削除&ムービー気取ってウイルス添付して返信しますね。確実に。

 この手法、上記広告の作戦としての「わかりやすさ」を一面に出しているのはわかるのだが、決定的に不足しているのが、その動画を用いている日常の面白味。なーーーーんの落ちもない本当にその辺の日常風景描いているんだもの。そんなもの見させられて愉快に思う人がいるか?さらにたちの悪いことに、登場人物がなぜかハイテンションであることが多い。何の面白みも感じない話題を、ハイテンションで語られている風景を見させられて、我々はどんなリアクションを取ればいいのでしょうか?

 しかも、「浮気は許さない」と思いっきりぶりっこされたりだの「家までの距離がわからない。今この辺にいるんだけど」と線路脇の風景を映し出したりだの(これらのCM、思い当たりますか?)、どれもこれも『それって動画で写す必然性がないじゃん』と素人目にもつっこみをいれたくなるものばかり。これじゃあ『携帯の動画配信って、そんなにいらないんじゃないの?』と言う結論に、消費者がなってしまうんじゃないかと思うのは私だけでしょうか。

 じゃあ見なきゃいいじゃんって、そうしたいですよ。でも広告って、見る側に選択権がないでしょう。無意識に情報が入るところに、広告の効果があるわけで、テレビをつけようモノならこのムービー携帯コマーシャルが半強制的に目に飛び込んでくるわけです。

ムービー携帯コマーシャル撲滅!撲滅!!撲滅!!!

 ・・・とこんな躍起になって語ってみたが、一番この種のコマーシャルに影響されているのって、実は俺じゃない?と今頃になって気づいた日本一影響浅はかな私でした。来月ぐらいにムービー携帯を使っている私を見たら、指を指して笑ってください。

■J

2002.8.27.
PAGE TOP > ESSAY TOP
※ご参考までに