ごらんの通り先細タイプのものです。写りについは,いろいろな意見があるようですが,私自身これといった特徴を感じないレンズです。逆に言うなら,モチーフを選ばず無難な描写をするレンズというところでしょうか。
最短撮影距離は30cmで,テーブルに重ねたコインとか,ふと気が付けば隣に座ってた人の横顔なんかをモチーフにして撮っても,ちょっとしたマクロ感覚で撮影が楽しめます。
ピントからほんの少し後に外れたところで,ふんわりと紗のかかった滲んだようなボケをすると思えば,おもいきりアウト・フォーカスしたところでは芯を残したけれども煩くないボケ方をします。 ところがこの中間地点にあたる距離では,像が崩れたというか煩さを感じさせるボケがひょっこり現れることがあります。
フィルターはE48mmを使うか,フード(12509)にシリーズVII(7)を落とし込んで使います。このフードは,ズミクロンR 35mm/F2と共用なんですよね。
初代のR用ズミクロン35mmは9枚玉です。ピントの合ったところは独特のぬめりを伴った精緻な描写をします。決して美しいとは言えないまでも,さほど煩くない後ボケを見せます。
なかなかの優れものと言えるレンズですが,製造期間4年で次の世代のズミクロンR-35mmへと後継の座を譲ってしまったレンズでもあります。
フィルターはE48mmを使うか,フード(12509)にシリーズVII(7)を落とし込んで使います。
スーパーアンギュロンは,レンズ・メーカーとしてライツ社よりも先輩格にあたるシュナイダー社により設計されたものです。
これよりも前のモデルである初代R用スーパーアンギュロン21mmは,ビオゴン・タイプ(前後対称型)の非レトロ・フォーカス・レンズでした。M用のエルマリート28mmなどもそうですが,非レトロ・フォーカス・タイプのレンズは後玉がせり出していて,ミラーや露出計に干渉することから使用が難しいとされています。しかしながら,写りに関しては非レトロ・フォーカス・タイプの方が素直な描写と豊かなトーンが得られるというのが一般的意見です。
本機はレトロフォーカス・タイプに切り替えられた2代目モデルとなります。ミラー・アップをせずに撮影が可能な点において便利ではありますし,しかもMマウントのエルマリット28mmの非レトロ/レトロ・フォーカスとの比較における差ほど柔らかさ/硬さの違いが強調されていないように思えます。後ボケに関しては,まぁまぁというところでしょうか。
M型ライカ用の28mm現行機種は,アスフェリカル(ASPH)になってしまいましたが,R型ライカ用は未だ非アスフェリカル・レンズが健在です(笑)。
とは言え,こちらのレンズはLeitz Wetzlar謹製でして,探すのに意外と苦労したレンズです (それほど珍品ではありません。念のため)。
おそらくは,MIN●LTA 設計の血が入っているのでしょうか,少し時代がかった描写をすることに間違いないのですが,M型用28mmも含め適度なコントラストとうまくいけば柔らかい描写をするレンズが気にいってます。
フィルターはE48mmを使うか,フード(12509)にシリーズVII(7)を落とし込んで使います。
現行のROMマウントよりも一世代前のR専用カムモデルです。
シーベルの資料などでは,あまり明らかにされていませんが,フローティング機構が備わっているようです。
そもそもこのレンズのご先祖さま(基本設計)は,かのMIN●LTA MC 24mmであること,またフローティング機構も後継機種のMD24mmから来ていることは,誰もが知るところであります。
昨今の MIN●LTA MDマウント 24mm の相場を知る人から見れば,やっぱりライカ・ファンってただのミーハーにしか映らないんでしょうね(でもごもっともだと思います)。 一度じっくり撮り比べをしてみて,1桁違うお値段のワケとやらをアップしてみたいと思います。
フィルター: E60, フード12523 使用
ライカ ボディ | バルナック型 | M型 | R型 |
広角系レンズ | L広角 | M広角 | R広角 |
標準系レンズ | L標準1 / 2 | M標準 | R標準 |
望遠系レンズ | L望遠 | M望遠 | R望遠 |