R型ライカは,いわゆる一眼レフです。バルナック型やM型などのレンジファインダー式カメラと異なり,レンズを通して被写体を見たものがそのままフィルムに刻まれます。
「R型ライカは故障の心配がある」というのが俗説です。機械である以上,磨耗や経年変化は全ての機械についてほぼ同じ確率で起こりえることではないでしょうか。
しかしR型ライカは,複数のメーカーから部品を供給されて成り立っているカメラであることは事実ですし,それぞれのメーカーが部品の供給を保証する期間が過ぎているものもあります。
従って,「故障の心配がある」というよりは,「故障した場合,修理が難しい」という表現の方が適切だと考えます。
R3からR5に至るまで,シャッターの制御は電気的に行われてきました。
露出計のスイッチ位置と操作性の良さ,追針式露出計の見易さ,フィルム巻き上げのスムーズ感,シャッター音のかろやかさ・・・。R3は,撮影までのリズムを小気味良く演出してくれるカメラです。
R3の次に発売されたR4はLeitzの赤い丸印(ロゴ)が付けられた最後の一眼レフカメラとなりました。
電気的にではなく,機械的にシャッター・スピードを制御するのがカニカル・シャッターです。機械的にシャッターを制御する場合,露出計以外は電源を必要とせず,電池が切れた場合でもシャッター・スピードが全速確保できます。ピント合わせもマニュアル操作で行います。
兄貴格のR6は,最高速度1/1000秒のシャッター・スピードを備えていたが,R6.2は1/2000秒まで確保されました。
1/2000秒までシャッターが切れるよという意味で,R6の後ろに2が付けられ,R6.2というモデル名になったそうです。
シャッター・スピード 1/250秒では,後幕が走り終えた後 「ジャー」というガバナー音を伴うこと,小刻み巻き上げができないことの2点が気になるところです。
露出計は,これまでのR型ライカ同様,中央部重点測光と全面平均測光の切り替えができます。 R8のように適正露出に対してどれ位オーバーかアンダーかといった幅は示されず,単にオーバー,アンダーを示すだけのシンプルな造りになっています (±1/3EVの場合は,適正を示すライトが付いたまま,プラスまたはマイナスのライトが点灯しますが,それ以上の過不足はいずれかのライトが点灯するのみです)。
私は専ら中央部重点測光を用いていますが,我が意を得やすいという意味においてこれがなかなか正確な露出計で重宝しています。
上のR6.2シルバーと中味はまったく同じで,単に外装が黒塗りになっているだけです。
R3のブラック・クロームは使い込むと「摩れ」として下地の金属がのぞき出し,なんとなくカッコ良いのですが,R6.2の黒塗装はなぜかプラスチックっぽいのが難点です。これ,写りとは全く関係ありませんので,念のため・・・。
890グラムとずっしりした手ごたえ (R9に比べ100グラム重い) が特徴(笑)。 トップカバーが1mm厚の亜鉛ダイキャストであること,2004年末発売予定とされているデジタル・バック対応ということであっけなく買ってしまいました (どうも 「クラカメで行こう!」 というサイト名が最近しんどくなってきている)。
R9からアンスラサイトと呼ばれるカラーリングに置き換えられていますが,どうも私はこのくすんだような銀色が好きではありません。「もしかしてR型最後の純白シルバーモデル?」などと大仰に考え,ドイツ製を条件にこの個体を選びました。
一緒にモーターワインダー(14209)も購入したのですが,カメラを縦位置に構えた時用のレリーズ・ボタンがありません。R8はホールドが良いと一般的に言われていますが,横位置撮影時に限られた話かと思います。カメラマンがよほど特殊な上体(僧帽,上腕筋)の構造をしていない限り,他社製品の上級機種に比べてR8+ワインダーでのポートレート撮影は圧倒的に不利です。2004年に発売予定のデジ・バックには,縦位置撮影用のレリーズが付いていることを祈るばかりです。
スポット測光に近い中央部重点測光(以下「スポット測光」),中央部重点測光,マルチ・パターン分割測光の3つの測光方式を採用しており,それぞれ自分的には 正確な測光値を示しているのかな と感じています。 スポット測光の場合,シャッター・ボタンの半押しで,AEロックがかかります。 最近の国産カメラではあたり前となっている3モード測光ですが,R型ライカにこれが搭載されると,ちょっとした感動を覚えてしまいます。
いよいよ ライカ・デジタル・モジュールR が本格始動するようですね。DIMA2005 で,"DIMA INNOVATIVE DIGITAL PRODUCT AWARD 2005"を受賞したようです。