今でこそ,アポ・レンズとか180mmで開放値が3.4のレンズだなんて 「ふーん」というのが相場でしょうが,製造された年を素直な気持ちで改めると,かんげきぃ〜だと思うのですが如何でしょうか?
このレンズは,2枚目(え?しまたかのこと?ちゃうちゃう)の前面が曇ってましたが,レンズ・クリーニングを行い,無事シャープな画像を提供してくれています。
ヘリコイド部分(レンズのマウント寄り後部)は,いわゆる先細タイプと呼ばれるズミクロンR-50mmやR-35mmの形に似ているなぁ〜と感じてしまいます。
フードは内蔵型ですが,適度な深みを確保しています。 フード内蔵型と言えば浅すぎるというのが最近の相場ですが,やはりそれなりのものを提供しているところが当時のライツ・カナダ らしいところです。
本レンズは単体では 「けっこう前重心 かな・・・」 とも思えるのですが,R6.2のモーター・ドライブ付きあたりにくっつけると,妙にバランスの良さを感じるレンズだったりもします。 また焦点距離と開放値の割には,ピントの山がつかみ易い望遠レンズだと思っています。 専らこのレンズ(一本)で臨んで,スーパーあんこ娘の撮影に臨んでいたりします。
う〜ん,このレンズ扱いが難しいです。 開放だと被写界深度が浅すぎて,しまたか ぐらいの腕前では,思ったところになかなかピントを合わせられないのです。
ほんとのことを言うと,ピントが合わないのではなく収差の影響で像の芯がふくらんだように見えるのです。決して芯がないわけでないこのふくらみは,開放からF2.8までの絞りに応じて変幻自在となるのですが,これを思うがままに繰るには相当年季を積まないといけない ということなのです。
白黒フィルムで使うと,ただ単にピンが甘く見えてしまうのですが,このクセをラインライトで見せる(シャドーの中にあるわずかなハイライト)ことを前提に,カラー・ポジを使ってハイライトを基調に適当な露光量を与えた瞬間,思いがけない絵の浮き加減が得られます。 これぞズミルックス80mm の真価かな・・・と半ばまぐれ当たりに期待している しまたか が 情けない気もします。
フィルターはE67mmを使います。
EOS 5D で撮影してみました。 最短距離,Autoホワイト・バランス使用。
一般的にマクロレンズは硬めの描写をしがちです。このレンズは,ピンが来るところは びしびし描写する傾向があります。 従って一見硬めの描写に見えることがあります。しかしながら,なだらかにアウトフォーカスすることと,豊かな階調描写の2つのメリットに支えられることで,画面全体がやさしさを残しながらも,ピントの芯と色のりの良さをフィルムに刻み付けてくれるレンズだったりします。
しまたか は,このレンズを「アポクロちゃん」と呼んでます。
Leica Camera GmbHから公開されているレンズの製造番号の最後の群が,1988年の「3455871〜」となっています。それ以降の資料が無いのですが,1987年の製造ペースである33,000本製造から考えてもおそらく1988年製で間違いないと思います。
ちなみにEOS 5D (RAW)なんかで撮ると,びしびしに切れる画像が得られますよ〜。 銀塩だとISO 100フィルムで6x7を使ったものと見かけの解像度だけ比べるとまず負けないんじゃないかな〜。
フィルターはE60mmを使います。 フード内蔵。
レンズ一本の重量が 1.8kgを超え,価格が78.5万円(2004年5月現在 税込み)超えるという大型ズーム・レンズです。 70-180 ミリの全焦点において F2.8という比較的高速な固定開放値が得られること,また アポクロマートのおかげでコマ収差と非点収差がほぼ完璧に補正された写りが味わえる ことの2点が,ここから得られるものです。
R8に付けた場合,見た目的にはバランスが取れているのですが,撮影となると しまたか は 左手一本で2.7kg超 (R8本体:890g + 本レンズ:1,870g + R8ワインダー) を支え続けなければ ならないので,かなりの気力と体力を必要とします。
仮に一脚の支持があったとしても,しまたか の ような 日曜カメラマンが,このような逸品に見合った作品が創れるのか甚だ疑問ではあります。 しかしながら,撮影時の集中力と高揚感といったメンタル面での効用を得ることが出来るレンズはそう多くなく,故に大切にしていきたい光学製品の一つです。
フィルターはE77mmを使います。 フード内蔵。
Home ライカアクセサリー 最終更新日:2006年1月17日
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