いわゆるトリプレット(3枚玉)エルマーと呼ばれるレンズです。 一般的に見かけるエルマーは3群4枚ですので,さらにレンズエレメントが一枚少ない設計になっています。
余計なもの(?)が少ないせいかどうか,ヌケの良い描写をします。
逆に開放時の収差が心配されますが,おそらくイメージ・サークルを広めにとり,中心部に近い部分のみを使っているのでしょう。 少なくとも私には見劣りする部分が見つけられません。緑の発色は,通常のエルマーよりも多少暗めに感じられます。
通称ファット・エルマリット。レトロフォーカスを使ってコンパクト化してあるため,レンズが短く,標準レンズの感覚で持ち歩けます。
作画意図には大変忠実な写りをしてくれるレンズです。例えば,梅雨に濡れたアジサイを撮れば,花びらの一枚一枚をくっきりと描写してくれるだけでなく,妖艶な雰囲気までもフィルムに収めてくれたりします。癖が無く非の打ち所がないレンズですね。 自分にとっては,少し硬めの階調であることと,後ボケが少々煩い感じがするのですが,近代的な描写がお好みの方にはお勧めの一本です。
逆光の場合など,ハレ切り(余分な光線のカット)をしっかりすれば,奥行き感のあるトーンを提供してくれるレンズです。
ピントの芯はしっかりしているのに,木炭で描いた絵画のような柔らかさ・・・とでも言えばなんとなく伝わるでしょうか。
絞りを操作することにより,軟調なトーンから少々硬調なトーンへと変化させることができます。ライカのレンズを3本だけ選べと言われたなら,私は迷わずにエルマリート90mmを選ぶつもりです。
以上の3本のレンズには,90mm/F2.8〜135mm/F4まで対応している12575N という深胴フードを 併用することを強くお勧めします。
LEITZ CANADAが誇る名刀です。
M型ライカを使っての ポートレート撮影の場合,まずはこの1本を使って見ましょう。
カメラさえ狂ってなければ,意外と開放から勝負をかけられます。 上がりを見ると,なんだか自分の腕が上がったように感じさせてくれること間違いなしですよ〜。
製造年を見ると 「そうかぁ,こいつもそこそこな年なんだなぁ〜(自分よりは若いけど)。」と思えたりする時があるのですが,一緒に撮影に出かけたりすると,「(ワシ同様)ヌシもまだまだ若いのぉ〜」とお互い励ましあえる不思議なレンズです。
フードは内蔵で,フィルターはE48mm を使います。
M6TLLチタン仕様と並行して500本造られたレンズです。
アポクロマートによる色補正,アスフェリカル(非球面)レンズ使用の歪み補正と来れば,向かうところ敵なし。
おまけに,チタン仕上げ (finish)ですぜ!
「んでもって,一体何を撮るの ・・・?」 と尋ねられた日には,黙ってうつむくしかないっすよね。
発売当初は,多くのユーザーから着目されたことは確かです。でも何故かライカの銘レンズ・リストに加えられてないところを見ると,やはりレンズには「あばた」というか,じゃじゃ馬を乗りこなす楽しみが無いとダメなんですよね・・・。
フィルター径:55mm (フード内蔵)
ライカ ボディ | バルナック型 | M型 | R型 |
広角系レンズ | L広角 | M広角 | R広角 |
標準系レンズ | L標準 | M標準 | R標準 |
望遠系レンズ | L望遠 | M望遠 | R望遠 |