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●肖像権とパブリシティ権

 著作権法で明示された権利ではないですが、判例上で認められている権利として「肖像権」と「パブリシティ権」と呼ばれる権利があります(コンテンツビジネスの上では重要な要素です)。

■肖像権

 肖像権とは、例えば、自分の写真を勝手に撮影されたりその写真を本人の承諾も無く勝手にホームページに掲載されるようなことを妨げる権利です。この権利は一般の人にあまねく当てはまる権利です。

※通常の人の感受性を考える限り、人がみだりに第三者によってその肖像を人の目にさらされたりすることは、精神的苦痛(嫌悪・羞恥・不快等)を与える行為、といえます。人がこういった精神的苦痛を受けず生活する権利は当然に保護されるべき人格的利益(憲法13条の幸福追求権)であるといえます。

■パブリシティ権

 パブリシティ権とは、例えば、芸能人の写真を勝手に撮影されたりその写真を本人の承諾も無く勝手に販売されるようなことを妨げる権利です。肖像権と比較して言うと、一般人と比べ有名人の名前や肖像には経済的価値があるため、この経済的利益を排他的に支配する財産的側面を認めたものです。

※一方で、有名人は広くその名前・肖像が世間に広まることが当然であるため、有名人には肖像権の人格的側面は制限されることとなります。
※パブリシティ権の侵害があった場合は、その救済として侵害行為の差し止め及び侵害の防止を求めることが出来るほか、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求が可能です。

 なお、いくら有名であっても物(生き物含む。例:競馬馬)にはパブリシティ権はない、という最高裁判決が平成16年2月に出ています。



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