June 23 , 2001
 GRの整備を始めてからCAMAIはしばらく悩んでいました。フレームを塗装に出すべきか、出さずに済ますべきか...。
結局、凝りだしたら止まらない性格が災いして塗装に出しちゃったんですけどね(笑)。


 さあ、サンドブラスト&焼付塗装に出していたGRのフレームとパーツたちが仕上がってきました!
今回は田中@RD様にご紹介していただいた「Tio Racing」というお店にお願いしました。
焼付塗装はいいですね!仕上がりに大満足です!

今回、塗装に出した部品はこれだけです。

 フレーム / スイングアーム / ブレーキペダル /
 アンダブラケット / トップブリッジ / ライトステー /
 シートヒンジ / シートブラケット / ヘッドランプボディ /
 メータブラケット

いよいよ組み立てに取り掛かることができますね!


July 1, 2001



 フレームがあがってきた翌日から組み立てを始めたのですが、いきなり...やっちまいました。

 フレームにステアリングのボールレースを打ち込む際に思いっきり指をハンマで打ち付けてしまいました。しかも、いつもなら皮手袋を着用して作業するのに、その日はなぜか素手だったので痛いこと、痛いこと。
やむなくその日の作業は中断せざるおえませんでした(反省。)。

教訓; 注意一秒、怪我一生(笑)!!!

 さて、まだまだ痛む左の人差し指をかばいながら、ここまで組み上げました。


ステム廻りは三叉のボールレースがどうしても外せなかった以外はすべて新品に交換しました。

フロントフォークはオイルシールからのオイルのにじみなども見られませんでしたので、フォークオイルの交換程度に留めました。
インナーチューブは痛めない程度に細目のペーパーをかけて適度に錆を落とし、コンパウンドで磨いたのちに三叉から上の部分をスプレーコーティングしています。

前後リムは新しいものを組もうとも思ったのですが、予算の都合で今回は見送りです。


 GT/GRでとくにみなさんが苦労されているのはタイヤの入手ではないでしょうか。かつては「IZUMIモータース」や「イノウエ」などといったところからも出ていましたが、現在これらは生産中止になっています。

タイヤの問題からやむなくフロントホイールをリヤと同じ14インチにしたり、さらにインチアップ、あるいはインチダウンするなどの改造を施している方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか!?そういう私もミニトレの12インチ化に踏み切ったクチですが、GRに関してはできればオリジナルを維持したいものでス。

 フロントタイヤに関しては現在もかろうじてイノウエが少量生産しているらしいのですが、注文のタイミングによってはかなり待つことになりそう。

 リヤタイヤはダンロップからTT100AK898がラインナップされています。
TT100Aは(少し判りづらいですが、)画像のとおりのパターンになっています。ちなみにTT100とTT100Aは違うモノですよ!TT100Aはチューブレス仕様なので、チューブを別に準備しなければなりません。
K898はビジネスシリーズにラインナップされています。

今回はフロント・リヤ共にひび割れがひどかったので前後ともに新しいものに履き替えました。

次回はエンジンのオーバーホールと、ワイヤー類の再生に挑戦します!!!


July 14, 2001
これは今年の1月に入手しました
 密かにその存在が知られていたのですが、とうとう「GT50・80/GR50・80サービスマニュアル」が出なくなってしまいましたね。今年の1月までは出ていたのに...。

代わりと言ってはなんですが、ワイズギヤから復刻版が出ました。

GT50・80パーツリスト QQS-YSG-001-011(\3,500)
GR50・80パーツリスト QQS-YSG-001-012(\3,500)
GT/GRサービスマニュアル QQS-YSG-002-011(\3,500)

う〜ん、ヤマハ純正は\700だったのになあ…
ネット・オークションなどで高額取引されていたりするのも何だかなあ〜と眺めていましたが、これもなあ。。。


July 15, 2001
 整備日記の前に言い訳を…(笑)

 4月までには作業を完了させようと目論んでいたGRの整備ですが、一度手をつけたらとことんまでやらないと気が済まない性格が災いして、なんだかんだやっているうちにもう、7月になってしまいました。

 しかし、そろそろ走りたい!夏が終わらないうちにあちこち走り回りたい!
そんな気持ちを抑えきれなくなってきました...。

 白状しますと、エンジンのオーバーホールはそこそこにして積んじゃったんですね(笑)。

それでも整備のポイントは押さえたつもりです。
「こんなやり方じゃあ、いかん!!!」と思われた方はぜひ、Guestbookにお叱りのカキコをお願いいたします。






 さて実際の作業は? と言いますと、クランクケースを割らずにできる範囲のメンテナンスはすべて行なったつもりです。まずは外観の錆・泥を綺麗に落しました。
さらにクラッチ側カバーを外して内部も綺麗にし、プッシュロッド、レバー周りの部品をオーバーホールしました。
オーバーホールと言ってもバラして綺麗にしてグリスアップしたのちに組み直す、というだけなんですけどね!
オイルシール類も可能な範囲で新品にしました。


 シリンダヘッドを開けると、画像のようにピストンの頭とヘッドにカーボンがかなり付着していましたが、幸いなことに焼き付き、抱き付きに見られる縦傷はありませんでした(ほっ。)。

カーボンを落として慎重にシリンダを組み直します。
スタッドボルトは新しいものを立てました。
それとシリンダは耐熱塗料で再塗装しました。

シリンダを組むときのポイントは、
1) ケース・シリンダ・ヘッドの合面をオイルストーンで平滑にしておくこと、 2) ベースガスケット、ヘッドガスケットは新品を使用すること、 3) シリンダに軽くオイルを塗っておく〜初期潤滑というらしい〜こと、 4) ヘッドを締める時はキックでピストンを上下に動かしながら、対角の順序にナットを締めること、とまあこんなところですか。


 リードバルブはシートが反って目に見えるような隙間が開いていれば交換が必要なんだそうですが(サービスマニュアルによると規定値は0.5mm)、私のGRの場合は隙間こそありませんが錆がひどく、逆にアルミ特有の白くふいた錆のせいでシートが張り付いていてスムーズな動作が得られそうに無い状態でした。
そこで、ミニトレで効果を確かめようとあらかじめ購入しておいた3枚羽根タイプのリードバルブ(画像のものです、)に交換することにしました。
ちなみにこのリードバルブの品番は5G1-13610-00、価格は\3,500(税別・1999年12月時点)です。


 ワイヤー類のオーバーホールも行いました。ケーブルの一端からオイルを注いで他方から流れ出るオイルの汚れが無くなるまで繰り返すだけの簡単な作業ですが、これは明らかに効果が分かって面白いですよ!

手順としては、
1) ケーブルを外す、 2) 最初に市販のワイヤーインジェクターなどを使ってCRCなどの流れやすい潤滑油を給油しておく〜これは比較的誰もが普段からやっている作業ですよね! 、 3) オイルを注ぎやすいように紙などでケーブルの一端にじょうごを付ける、 4) オイルを注ぐ、 5) ケーブルを垂直に吊るしてしばらく放置、 6) 下から流れ出てくるオイルの汚れ具合を見ながら4〜5を繰り返す、 7) ケーブルの両端にモリブデングリスなどの比較的かためのグリスをすり込む、です。

作業が終わったケーブルワイヤーを手で押し引きしてみてください、ほ〜ら!軽く摺動するようになったでしょ!?

ここで使用するオイルはギヤオイルならとくにこだわるものは無いようです。CRCよりは粘度があるもの、ということで、私は普段から使用しているギヤオイルを使用しました。それと、オイルを注いだ後の放置しておく時間は最後には十分にとったほうがいいですよ。車体に取付けたあとにおもらしをしたらシャレになりませんからね。

それとクラッチケーブルとアクセルワイヤーの一端がほつれていたんですが、これの補修もしました。

ちなみにアクセルワイヤーのほうは通常、スロットルバルブとオイルポンプの両方を引くために途中で二股に分岐しているのですが、私のGRは混合給油仕様のためオイルポンプ側のワイヤーは必要ありません。
純正のワイヤーは外され、どうみても自転車用の1本物のワイヤーが付いていました(笑)。
ほつれたワイヤーを新調することも考えたのですが、結局この部分を切り詰めて再使用しました。

クラッチケーブルもレバー側がほつれていたのですが、みなさんご存知のように純正のワイヤーはすでにメーカー欠品になっています。結局はほつれた部分をはんだ付けで補修して再使用したのですが、次の機会には何らかの方法で新調したいと思います。

具体的には、市販のケーブル自作キットを利用する、他車から流用する、のいずれかになると思いますが、今考えているのはTZM/TZR用を改造する、です。
TZM/TZR用のものはミニトレにも使用しているので勝手が分かっていますが、問題はレバー側にアジャスターが付いていることです。ミニトレの時はレバーホルダーごとTZMのものに交換したので問題は無かったのですが、レバーホルダーをそのままに使用するときはアジャスターを外してしまうか、ホルダーにメネジを切って、アジャスターごと取り付けることになるでしょう。
アジャスター調整ができるようになれば一挙両得なので今度、挑戦してみようかなあ。


私のGRは混合給油仕様。ご覧の通りオイルポンプが外されています。カバーを外してもなぁ〜んにも無い!

リヤの二種マークはカッティングシートで自作しました。

次回は細かな部品を取り付けて、すぐにでも試走と行きたいですね!!!


July 21, 2001
 今回の作業はカッティングシートでロゴの自作に挑戦です。サイドカバーの「GR」のロゴが剥げて消えかかっていましたので、これを復活させました。

ロゴは完全に消えていませんでしたので、これをうまくマスキングして上塗り塗装で再現する、という方法も考えられたのですが、ベースの黒色も塗り直したかったのでロゴはカッティングシートを使うことにしました。


 カッティングは手先の器用さもある程度は必要ですが、私はそんなに難しいものではないと思っています。それよりもむしろ、慎重さと根気さえあれば誰にでもできると思いますよ!

最初に重要となるのはいかに正確な原稿を準備できるか、ということに尽きると思います。オリジナルのロゴをスケールで採寸して原稿を作成します。トレーシングペーパーに転写して原稿を作成する、という手段でもいいと思いますが、できればきちんと寸法を測った方がいいでしょう。

実際にカッティングに取り掛かる際に準備するものとしては、まず当たり前ですがカッティングシート〜これはカーショップなどでも切り売りしてくれるので簡単に入手できますよね!、カッターナイフ、デザインナイフ〜カーブや線の継なぎなどの細かい部分はこれが便利です!、クラフトテープ、定規などです。

原稿をカッティングシートに写すには、あらかじめ原稿の表面を鉛筆でなぞっておいて裏からボールペンでトレースしながらシートに転写する、という方法もありますが、私はシートの上に原稿を重ねて直接に原稿ごと切り出す方法にしました。

カッティングのコツはとにかく慎重にナイフを進めること、これだけです。直線と直線のつなぎの部分では一気にナイフを進めずに手前で止める、ナイフはできるだけ立てる。直線は定規がずれないようにしっかりと押さえる。内側のカーブは先に円を切り出してから直線とつなぐ(先に直線にナイフを入れてはいけません)、手がふるえないようにアルコールは控える(笑)

色々とえらそうなことを書いていますが、私も一度では完成しませんでした。これなら上出来かな、というものができるまでにいくつか失敗がありました。とにかくあせらず慎重に切り出すしかありません。

サイドカバーに完成したロゴを貼り付けたのち、クリア塗装をしました。クリア塗装と言っても、オリジナルの場合はつやが抑えられています。本当はウレタン・クリア塗料を使いたいところですが、ウレタンで半つやのもの、というとなかなか見かけませんので私はプラモデル用でつや無しのアクリル塗料を使用しました。しかし実際は半つやクリアぐらいがちょうどよかったのかなあ、と思っています。



 新兵器を買ったのよお〜、トルクレンチ(笑)。
やっぱり要るかなあ、って。


これまでは感覚に任せて作業していた部分も多かったのですが、それが果たして信用できるものなのかを確かめたいところもあって購入した次第です(安物だけど)。

そういえば昔、ミニトレで走行中にスイングアームのシャフトが抜けてきたこともあったなあ、なんて(汗)。そんなことがないためにも重要部品はマニュアル通りの作業を心がけることにしました。

ただ、GRの規定値が分からなかったので「GT50/80(3M7/3M8)サービスガイド」に載っていた数値を参考にしました。

■エンジン関係

シリンダーヘッド(M6×1.0)0.8〜1.2kg・m
スパークプラグ(M14×1.25)2.0〜3.0kg・m
プライマリドライブギヤ(M12×1.0)4.0〜8.0kg・m
クラッチボス(M12×1.0)3.0〜6.0kg・m
ドライブスプロケット(M12×1.0)3.0〜5.0kg・m
キッククランク(M6×1.0)1.0〜1.4kg・m
チェンジペダル(M6×1.0)0.9〜1.3kg・m
フライホイールロックナット(M12×1.25)4.0〜6.0kg・m
ドレンボルト(M12×1.5)1.0〜3.0kg・m
ニュートラルスイッチ(M12×1.25)0.35〜0.45kg・m



■車体関係

エンジンマウントボルト(M8×1.25)1.8〜2.8kg・m
ハンドルクラウンとステアリングシャフト(M10×1.25)3.1〜4.9kg・m
ハンドルクラウンとインナーチューブ(M20×1.0)3.1〜4.9kg・m
アンダーブラケットとインナーチューブ(M10×1.25)2.5〜4.0kg・m
ピボットシャフトとフレーム(M10×1.25)2.0〜3.0kg・m
フロントホイールシャフト(M10×1.25)3.0〜4.8kg・m
リヤホイールシャフト(M12×1.25)5.0〜7.0kg・m
テンションバー(M8×1.25)1.4〜2.2kg・m
 「GT50/80(3M7/3M8)サービスガイド」から引用した数値です。


July 28, 2001
 今回の作業はシートの再生です。再生、といっても見た目にはひどいものではありません。表皮に目立った破れは無いし、シートベースも所々が錆びている程度で、年式相応といった状態でしょうか。

ところが!シートを開閉するたびにボロボロと錆が落ちてくる!?
これは何じゃ〜??????
意を決して表皮を剥がしてみたら....シートベースの内側は錆で真っ赤になっており、まさに腐る寸前でした!!!

「イヤなものを見てしまった...。」

適当に錆を落として再塗装すればいいかな、と安易に考えていたのですが、そうそう許してくれないようです。これが4月のお話。その日からひたすら錆と格闘の毎日です。

錆を落とせば落とすほど、腐食の状況が明らかになってきました。ひどいところは穴が空いてしまっています。その周囲の錆を落とそうとするとさらに穴が大きくなってゆく...。
とりあえず穴の補修は後回しにして、錆を落とすことだけに全力を注ぎます。何とかすべての錆を落とし、プラサフを塗り終えるまでに3ヶ月も掛かってしまいました。

穴の補修は悩んだ末に裏からステンレスの板を貼って、はんだ付けとパテ埋めで整形することにしました。

塗装はしつこいぐらいに重ね塗りしました。仕上げのクリア塗装も3度塗りです。これで当面は錆の心配も無いでしょう。

シート皮は皮専用の石鹸で洗って、天日干しを行いました。

バッテリーに当たる部分に貼られているスポンジはホームセンターで購入したものに貼り替えました。

これでようやく完成です。ここまでくるのに長かったなあ(しみじみ)。
ようやく次回は試乗です!!!




July 29, 2001
 今日は待ちに待ったGRの試走をしました!!!

シートは昨日に塗装を行なったばかりなので、完全に乾燥させるためにまだ取り付けることができません。タンクの塗装もまだです。でもその他の作業はほとんど完了しているので走らせた〜い!!!

そこで考えたのが画像のとおりの特製タンク。
小岩井ミルクコーヒー仕様(爆)。
材料費は一切掛かっておりません。空のペットボトルとハンガーだけです、製作時間は30分。

最初、キックすると「カキン!」と音がするだけでエンジンがウンともスンとも言わない。あれ、なんで〜???
燃料は落ちているし、火花は飛んでいるし、あとはQ車特有のご機嫌斜めとしか考えられない〜(笑)

しかし、よくよく調べてみるとシリンダヘッドのナットのうち2コがねじ切れて圧縮が漏れているのが分かりました。どうやらナットの締めすぎが原因だったみたいです。
トルクレンチを買っておきながらこんなことになるとは!
ナットを交換したら難なくエンジンが掛かりました。
その後は順調に灯火類の調整、ブレーキの調整を行ないました。

あとはタンクのクリア塗装だけなので、来週はあちこち走り回る予定をしています。う〜ん、楽しみーっ!