@前回の信託業法改正(H16.12)の影響 〜その1〜
信託業法とは?・・・信託を業として営む信託会社に対する規制・監督のあり方を規定する法律
- 平成16年12月に大幅改正されました
- 今回、信託法の改正に従い、再改正が予定されています
この法改正により、
■「知的財産」が受託可能な財産になりました
元々は、以下の6種類に限定されていました(旧信託業法第4条)
- 金銭
- 有価証券
- 金銭債権
- 動産
- 土地およびその定著物
- 地上権及び土地の賃貸権
- この法改正で、この限定列挙が無くなり、信託の対象が財産権一般とされたことで、知的財産が信託可能財産となりました
- なお、この法改正までは、例えば一旦金銭信託を設定し、その運用対象に知的財産権を受託者が購入する等の擬似的スキームはありました
■信託業の担い手の範囲が拡大しました
- 旧信託業法では特に信託業を行う事業者に対する制約事項は無かったものの、兼営法(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律)により、実質的に金融機関(信託銀行)のみが信託の担い手となっていました
- この法改正で、一般の事業会社が信託業を営めるようになっています
- 運用型信託会社:(管理型以外の信託会社で)受託者が自らの裁量で信託財産の形を変えたり、運用や処分を行う信託会社(信託業法2条-2)
- 管理型信託会社:受託者が自らの裁量で信託財産の形を変えたり処分したりせず、その財産の通常の用法にしたがって保存・維持・利用のみを行うか、または委託者等の指図に従ってのみ処分を行う信託会社
- これまで、6社の登録がなされている(運用型+管理型。2006年3月10日現在)
- 信託会社には社名に「信託」の文字を入れなければならない等の制約有り
⇒引用:『信託ビジネスのニュートレンド』(新井誠 著)p.34
■信託サービスに対する窓口が拡大されました
この法改正で、信託サービスが一般に広く行きわたるための制度として以下の新たな業態が追加されました
- 信託契約代理店:信託会社の委託を受けて信託契約締結の代理又は媒介を行う
- 信託受益権販売業者:信託の受益権の販売または代理もしくは媒介を行う
- 外国信託会社:外国の法令に準拠して外国において信託業を営む者で免許・登録を受けたもの(運用型/管理型)
- 指図権者:信託財産の管理又は処分の方法について指図を行う業を営む者
■信託業の特例
この法改正で、以下の信託業については、特例として信託会社に関する規制・監督とは異なる規制とされました
- グループ企業内での信託業(同一の会社集団に属する者の間における信託)(信託業法51条1項)
- 承認TLO
- 「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」により文部科学大臣および経済産業大臣に承認を受けた技術移転機関を「承認TLO」といい、企業等へ大学の技術移転のため信託業を営むことが出来る(信託業法52条1項)
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