■うなぎだれ
ミリン1、ショウユ6〜7、たまり0.3〜0.4の割合(好みの濃さによって調節する。)ミリンを鍋に入れて煮たて、火をつけて煮切ったのち、たまり、ショウユを入れる。ウナギの頭、中骨を素焼きして入れ、沸騰させないように、1〜1.5時間煮つめる。

■うおだれ
酒1、ミリン1、ショウユ0.6、たまり0.4の割合で合わせ、魚の中骨を入れて煮つめる。

■鶏だれ
酒1、ミリン2、ショウユ1の割合で甘めに味をととのえ、鶏肉のくずや脂を焼いて入れる。

■煮つめ
ミリン1、たまり0.4、ショウユ0.6、酒0.5の割合で合わせ、煮たて葛をひく。

■かけ醤油
酒10、ショウユ10、ミリン1の割合で煮立てて3分の2に煮詰める。

■卵醤油(料理の作り方に戻る)
卵黄1、かけ醤油1の割合でよく混ぜ合わせる

■田楽味噌
桜味噌100g、酒0.3合、砂糖35K、ミリン0.4合、卵黄1個分を混ぜ合わせ火にかけて練りあげる。

■玉味噌
裏ごしした白味噌200gに卵黄1個を加えてすり鉢でよくすり、砂糖20K、酒0.2合、ミリン0.2合を混ぜ合わせる。これを鍋に移し、かきまぜながらよく火を通し、仕上がりぎわにミリンを入れてつやを出す。火を通しすぎると黒くなるので注意。木の芽などを混ぜて田楽味噌として使うほか、鶏そぼろやエビそぼろを加えたりして使うなど応用範囲が広い。冷蔵庫で一ヶ月程度はもつ。

■胡麻酢味噌
白ゴマ大サジ2を煎って脂がでるまでよくすり、白味噌100g、砂糖大サジ2、酢大サジ3、ユズ酢小サジ1をよくまぜあわせる。

■甘酢(料理の作り方に戻る)
酢1、ミリン1の割合で合わせる。

■二杯酢
酢3、ショウユ1、だし汁1の割合で合わせる。

■三杯酢
酢3、ミリン2、だし汁1、薄口ショウユ少量を合わせる。ミリンは煮切って使うが、かわりに砂糖を使ってもよい。貝類、ナマコ、タコ、キュウリなど、酢を吸収しない素材を使う場合に用いるが、野菜類にも合う。

■すし酢(料理の作り方に戻る)
米1カップに対して酢大サジ2、砂糖大サジ3分の2、塩小サジ5分の3を混ぜあわせる。さし昆布をしてひと煮立ちさせると味がまろやかになる。

■ぽん酢
かんきつ類の絞り汁を使った合わせ酢。主にダイダイの絞り汁を使うが、スダチ、カボス、ユズ、レモンなどの絞り汁も用いる。絞り汁1、ショウユ0.8、たまり0.2、昆布、カツオ節、赤トウガラシを合わせる。果汁の酸味が強いようであれば、ミリン少量で加減する。1週間ほどおき、こす。白身魚の薄造りや鍋ものなどに用いる。絞り汁だけではもったいない場合は、酢を加えて酸味を調節する。

■土佐酢
酢3.5、水1、ミリン1、薄口ショウユ、砂糖少量を合わせ、昆布を入れて、ひと煮たちさせ、追いガツオしてこす。

■胡麻酢
ゴマを脂が出るまでよくすり、砂糖を入れてすり混ぜ、薄口ショウユ、酢を加え、だしで少しのばし、固さをととのえる。または、あたりゴマに白味噌少量を加え、土佐酢でのばしてもよいが、この場合は甘みのかかった酢になる。野菜の和えものなどに用いる。

■八方酢
だし汁7、酢1、薄口ショウユ1、昆布を入れ、追いガツオしてひと煮たちさせてこす。

■吉野酢
酢1、ミリン1の割合で合わせて火にかけ、同割の水でといた葛でとろみをつける。材料にまんべんなく味をからませることができるほか、つや出しのために手綱寿司、穴子寿司などの表面にハケでぬる。

■木の芽酢
二杯酢、三杯酢に叩いた木の芽を加える。

■霙酢(みぞれす)
ダイコンまたはカブをすりおろし、水で洗らってふきんで絞り、土佐酢に混ぜる。ただし、カブは熱湯をかけて水で洗う。合わせる材料により、絞りショウガや叩き木の芽を加える。

■芥子酢
芥子をといて卵黄か、軟らかいおかゆを裏ごしした中に混ぜ合わせ、土佐酢または二杯酢でのばす。芥子が酢の中に沈んでしまうため卵黄やおかゆを少量まぜるが、卵黄を使うと、はじめ「まったり」して、あとでぴりっとするような味になる。

■蓼酢(たです)
タデの葉をすり鉢にとり、塩少量を入れてすりつぶす。ご飯を板ずりして、少しずつタデに混ぜてすり、羽二重ごしにする。再びすり鉢に入れ、水と酢、ミリン少量を合わせたもので裏ごししたタデの葉をとかす。

■ふり塩
材料に塩をふりかけること。材料を20〜30センチ離して、指の間からパッパッとまんべんなくふりかける。魚にふり塩して焼く、といういい方をする。アユなどのように化粧塩した場合はごく少量ふる。

■べた塩
魚の両面が真っ白になるほどたっぷり塩をまぶす。サバ、サワラ、アジなど、主に脂肪分が多くて身の厚い魚は、なまじっかの塩ではかえって生臭さが増す。強塩ともいう。

■あて塩
薄塩をすること。残ったものにあて塩しておくといういい方をし、塩をしてもたせるようなときに使う。目安は肉が重量の1%、魚は2〜3%。魚介類に塩をするということは、浸透圧の作用によって身から水分を流出させ、身をしめ、生臭みを抜くことである。淡泊な白身の魚は少なめに、背の青い魚は脂肪が多いために身が軟らかいので多めに塩をするなど、材料の種類や大きさによって、塩の量と、ふってからの時間を加減する。また材料の鮮度がいいほど、塩のまわりが早く、塩味が濃くなる。

■呼び塩
塩漬けの素材の塩抜きをするときに、水に少量の塩を加えると早く塩出しできる。この方法を呼び塩という。

■立て塩
塩分が3〜4%の海水程度の塩水のこと。立て塩に浸けるといういい方をする。素材に直接塩をするより、塩分がむらなく回り、その素材の持ち味を引き出す。魚介類を洗ってヌメリや生臭みを取ったり干物を作るときに使う。野菜の場合は、雷干しのシロウリやダイコン、色出ししたキュウリなどを浸けてしんなりさせる。さし昆布をして旨味を加えることもある。

■霜降り
生の魚や鶏肉、牛肉などを表面がさっと白くなる程度にサッと熱湯に通したり、熱湯をかけたりすること。すぐに冷水にとって中まで熱を通さないようにする。表面をしめて材料の旨味を逃がさないで、材料の表面のぬめりやウロコなどを取り除いたり、臭みを消したり、余分な油を除くことができる。タイのあら炊きは、霜降りしてぬめり、ウロコ、血合いなどをとる。また、マグロのように身くずれしやすいものは、霜降りして表面を固めるとうまく炊ける。

■湯引き
霜降りより、時間が長く、さっとゆでる状態に近い。

■おか上げ・きあげ
ゆでた材料を水にとらず、ざるなどにとってそのままさます。アクのないもの、水にさらすと風味が損なわれたり色があせるもの、水っぽくなる材料に用いる。たとえば、ヤマイモは、ダイコンおろし、赤トウガラシ、酢を入れてゆでるが、一度おか上げしてさましてから水にさらす。これに対し、ハスイモはすぐ水にとるが、酢どりにするときはおか上げにする。ワケギ、アサツキなどもおか上げして、うちわなどで手早くさます。

■色出し
素材の本来の色を引きたたせるように火を通すこと。青い野菜をさっと湯に通して、パッと色が出たら冷水に放つ。温度や時間は野菜によって違う。

■色あげ
色どりをいかす野菜を一度炊いたのち、地が冷えたら再び浸ける方法。サヤエンドウやナスがその例。炊いたり揚げたりしても、できるだけ本来の野菜の色を失わないようにすること。

■酢でしめる(料理の作り方に戻る)
材料を酢に漬け込むこと。生酢だけでなく、二杯酢、三杯酢などを使うこともある。塩でしめた素材を酢に浸けてしめることが多いが、酢だけでしめることもある。魚のすり身を丸くして酢に落とすと、表面がしまってカマボコ状になる。

■酢どる
材料を酢に漬け込んで、酸味をつけること。酢どり防風やハジカミショウガ、ミョウガなどのような例。さっと湯通ししておか上げし、塩をふり、水分が出たらふきとって、酢、甘酢に浸ける。

■酢洗い
塩でしめたものを昆布じめする前に酢で洗う。また、酢のものをつくる場合、素材が水臭くならないように酢で洗って、酢のものにする。

■昆布押し(昆布〆)
昆布の香りと旨味を魚に移すと同時に、昆布が水分を吸収して適度に身をしめる調理法。主にタイ、ヒラメ、ヤガラなど白身魚を昆布押しにするが、アジやサバなども使うことがあり、また菜の花などの野菜も昆布押しにするとおいしい。材料に軽く塩をし、酢でぬらした布巾でふいたこんぶにはさみ、サランラップに包み全面に重さがかかるように軽い押しをして、2〜5時間ねかせる。

■酒煎り
酒だけを使って素材を煎る方法。使う酒の量が多いと材料の持ち味が損なわれてしまうので、素材に五分ぐらい火が通った時点で、酒がちょうどなくなるように酒の量を調節する。火が弱いと素材の旨味が逃げるので強火で。魚や肉などの動物性の素材は主として生臭みを除くために用いられる。また、香りと旨味を逃がさないため(マツタケなど)や、色出し(ギンナンなど)のためにも用いられる。

■背開き
魚を背から開く。頭をとってしまう場合とつけたまま開く場合がある。

■腹開き
魚の腹側から開くこと。

■片開き(料理の作り方に戻る)
身の厚い魚の切り身や鶏肉などを、片側から真ん中に切り込みを入れて開く。

■観音開き
真ん中から左右に開く観音開きの扉のように、身の厚い魚の切り身や鶏などに、真ん中から切り込みを入れ、そこから左右に包丁を入れて開くこと。火が通りやすくしたいとき、間に具をはさみたいときなどに。

■屏風開き
片開き、観音開きと同様に、魚の切り身や鶏の厚さを薄くしたり、広げて大きくする方法。材料の下から1/3の厚さのところを片開きにし、さらに上の厚みを真ん中から反対方向に片開きにする。

■上身にする
魚を三枚ないしは五枚におろして、中骨、血合い骨、腹骨を除き、すぐ料理できるよう下ごしらえしたもの。イカや鶏肉、エビなどにも使う。

■筒切り
魚の切り方の一つ。頭を切り落とし、そこから内臓をとり出して水洗いし、骨ごと輪切りにする。サバ、コイ、サケ、アユ、ウナギなど胴が丸い魚などに。

■つぼ抜き
腹側に切り込みを入れないで、魚の内臓をとるための方法。エラ蓋をあけ、包丁の刃先でエラとカマの継ぎ目と、エラのつけ根を切り離す。次にエラを刃先にひっかけて、エラとともに内臓を引き抜く。小魚の場合は口やエラから箸や指で抜く。筒抜き、エラ抜きともいう。

■骨切り
小骨の多い魚を調理するとき、上身に細かく包丁目を入れて小骨を切り、口当たりをよくすること。下側の皮には傷をつけないで、身と骨だけに細かい切目を入れるので技術を要する。主にハモやアイナメなどに行う。

■平串
串の打ち方の一つ。魚をうねらせたり、形をつけたりせず、まっすぐに打つ。

■のし串
エビのように火を通すと丸まってしまう素材の場合、まっすぐに仕上げたいときに使う串の打ち方。エビの場合、腹側の殻にそって頭のつけ根から尾へまっすぐに串を打つ。

■つの字
加熱して、ひらがなの「つ」の字のように曲がった状態のエビのこと。形くずれしないようにエビを折曲げ、節の間に串を通して加熱する。
■両褄折り・片褄折り
魚の串の打ち方の一種。三枚におろした魚の身が細長く薄いものの場合、身くずれを防ぎ、形のまとまりをつけるために用いる。魚の皮肌を表にして、両端を内側に折り曲げて串を打つ。なお、片端だけを折るときは片褄折りという。

■笹切り
棒状の野菜を斜め切りにすること。ネギ、ゴボウなど。縦半分に切って、斜め切りにすることもいう。

■算木(拍子木)切り
切り方の一つ。ダイコン、ニンジンなどを拍子木形に切ったもの。

■篠
篠竹から連想されたもので、野菜を細い円筒型にむいたときに使われ、篠ウド、篠チシャトウなどがある。料理名にも使われる。

■針に打つ
針のようにごく細い線切りにすること。針生姜、針柚子、針海苔のように使う。

■色紙切り
俳句などを書く、色紙の意味。料理名では正方形の薄切りにしたものをいい、薄焼き卵、昆布などを色紙切りにする。

■袋包丁
素材に袋状に切り込みを入れる。中に野菜や肉を詰める。

■隠し包丁
火の通りや味のしみ込みをよくし食べやすくするため、.盛りつけたとき見えないように、材料の裏側に包丁で切目を入れること。

■飾り包丁(料理の作り方に戻る)
料理が美しく見えるように、材料の表面に切り目を入れること。しいたけのかさや魚の表面に切り込みを入れ美しく見せると同時に、食べやすく味のしみ込みもよくなりります。

■射込み・鋳込み
材料をくりぬくか、切り込みを入れて中に他の材料を詰めること。キュウリ、カボチャ、トウガン、ナス、シロウリ、トマト、タマネギなどの中身をくりぬき、魚、鶏のひき肉や調味したミソなどを詰めこむ。印籠に同じ。

■白髪
ダイコン、ウド、ネギなどの白い野菜を細長く切ったもの。針よりやや細い。白髪ネギはネギの白い部分を4〜5センチに切り、切り開いて芯を除き、繊維に沿ってごく細いせん切りにし、水にさらしてパリッとさせます。

■ゼラチンの扱い
板ゼラチンを氷水に浸け軟らかくする。だしを煮たてて味をととのえたところへ、軟らかくなったゼラチンを入れて火を止める。ゼラチンは加熱しすぎると、固まりにくくなる。また、酸の量が多くても固まらないので、レモンなどを合わせるときは、量に注意。

■寒天のもどし方
寒天はあらかじめ水に浸けて軟らかくし、水分を絞って、寒天1本に水3合(540M)を加えて強火で煮とかす。料理によって水の分量を加減する。

■高野豆腐のもどし方
たっぷりの湯に入れ、中火にかける。下がふくらんできたら、裏返す。軟らかくなったら火を止めてしばらくおく。これを水にとる。形をくずさないように、絞る。4〜5回繰り返して、水が白く濁らなくなるまで絞る。

■豆腐の水きり
まな板の上に布巾をしき豆腐をのせその上にまな板をのせ斜めにして、水きりの必要度にもよるが、1時間ぐらいおく。夏場は腐敗しにくいように、湯にさし昆布をして、スが入らないよう、沸騰させないでゆっくり火を通しおか上げする。電子レンジでスが入らない程度に加熱しおか上げするのも簡単な方法。

■重曹
重炭酸ソーダの略。豆類を重曹液に浸してから煮ると早く軟らかく煮える。重曹を入れた湯で野菜をゆでると色よく上がる。使いすぎると素材にぬめりがでるので注意。

■ミョウバン(明礬)(料理の作り方に戻る)
硫酸アルミニウムカリウム。焼きミョウバンとして市販されている。サツマイモや栗のあく抜きに使用される。素材の組織を引き締め、煮くずれを防ぐためサツマイモや栗も煮くずれしにくくなる.生ウニなどもミョウビン水で洗うと身がしまってとけにくくなる。さらに鉄と一緒に使うと、ナスの色があざやかになる。

■ぬか(糠)
おもに米を精白するときにできる粉をいう。ヌカを入れると素材の旨味が逃げにくく、真水で煮るよりあくが抜ける。漬けものに使われるほかに、ニシンや数の子をもどすときに水に混ぜたり、タケノコ、ゴボウなどあくの強い野菜をゆでるときに加えると、色、味ともによくゆであがる。ヌカがない場合は米のとぎ汁を使うと同じ効果が得られる。

■あく(灰汁)
木炭やワラを燃やしたあとの灰(1カップ)に熱湯(1.8P)を注ぎ、沈殿したあとの上澄み液。あく抜きに使かいますが、炭酸水素ナトリウム(重曹)を使うと手軽です。ワラビのあく抜きや青色の野菜をゆでるときに使かいますが、湯に軽いぬめりが出る程度にとどめ、けっして使いすぎないようにする。

■葛
葛は、豆科のつる草のクズの根から採ったデンプンで、透明感のある、こしの強い仕上がりが特色。葛をひいた料理は、かつての主生産地の吉野の名をつけ、吉野煮、吉野仕立などと用いる。本葛は固まるのに少し時間がかかるが、もちがよく、弾力性に富む。一方、片栗粉はすぐ糊状になるので、金あん、銀あんなど手早く仕上げたほうがよいものは片栗粉を用いる。葛より仕上がりにつやがでる。

■新挽き粉
モチ米をいったん餅についてから小さくし、焦がさないように煎ってふるいにかけたもの。

■みじん粉
モチ米を蒸し、のばして餅につくり、これを乾燥して粉にしたもの。みじん粉を水にさらしたものが寒梅粉である。

■上新粉
米を水洗いして乾燥させ、粉にしたもの。

■浮き粉
小麦粉のデンプンを精製したもの。ごく軽い粉で、すり身のつなぎや、増量、打ち粉などによく用いる。

■八方だし(料理の作り方に戻る)
食い味より薄味で材料に味をつける場合に用いるだし。カツオと昆布のだし汁8にたいし、醤油1、みりん1が基本の割合。用途により次のような種類がある。
●塩八方b塩で味を決めたもの。酒、だし、塩で味をととのえたもの。
●甘八方b砂糖かミリンで甘みを強めたもの。塩、だし、ショウユなどがはいる。
●吸い地八方(料理の作り方に戻る)bだしに吸い地程度の味つけをする。
●濃い口八方b塩の量を少なくし、ショウユの味を強めたもの。

■追いガツオ
さしガツオともいう。野菜や乾物を煮る場合に、あとからカツオ節を追加して風味と旨味を加えること。適量を木綿の袋やガーゼなどに入れて追加するが、市販のお茶フィルターパックを利用すると便利。

■白煮
しらに、しろにともいう。ウド、レンコン、ユリ根、カブ、ヤマノイモ、イカ、シラウオ、アナゴなど、素材の白さを生かしたいときの煮方。野菜はだし汁、魚は酒ベースで、塩か薄口ショウユ、白ショウユなどを使い色をつけないように味付けします。

■含め煮
炊合わせに使われる野菜の煮方で、野菜はあらかじめゆがいておき、たっぷりの八方地の中で煮含ませて、火からおろす。供する直前に再度加熱し、味をととのえる。青色のものは色が悪くならないよう、煮汁と素材を分けてさましたのち、再び合わせて浸け込む。

■酒煮
たっぷりの酒を使って、酒の香りを生かすために調味料は塩だけで煮る煮もの。ごく鮮度のよい白身魚に向く。

■蒸し煮
直火で煮ると形がくずれてしまうものや、蒸した方がより旨味が出やすいものを、煮汁をはって容器ごと蒸し器に入れ火をとうす。身欠きニシン、稚アユ、カブ、ダイコンなどによく使われる。

■芝煮
主に川エビや車エビを使うが、キス、小ガレイ、ハモの場合もある。だし、酒を中心に少量の薄口ショウユで薄味にととのえ、材料の持ち味を生かしてさっと煮る。

■紙蓋
材料の上に和紙やパラフィン紙などを円く切って落としぶた代わりに使ったものをいいます。落としぶたを通して全体に味がまわり、材料が空気にふれないので、乾かず、形くずれしにくい。

■天盛り(料理の作り方に戻る)
盛りつけた料理の上にこんもりと盛る材料。木の芽、針ショウガ、ユズ、花ガツオなどが用いられる。上置きと同じ。

■杉盛り(料理の作り方に戻る)
杉の木のように天を高くして尖ったように盛りつけること。

■糸鰹
カツオ節の血合い以外の部分を細く長くかいたもの。煮ものやおひたしの天盛りに使う。

■信田
油揚げをもちいた料理に使われる。油揚で材料を巻いた料理のこと。油揚を開いて、豆腐、卵、肉、野菜などの材料を巻き込んで煮たり、揚げたり、蒸したりしたもの。きつねと同じ。信田ずし、信田巻き、信田煮など。

■磯辺
浅草ノリを使った料理にこの名が付けられます。

■博多
博多帯のしま柄にちなんで色彩の異なる材料を交互に積み重ねて切り口がしま模様に見える料理に冠せられる名称。博多流し、博多揚げなど。

■砧巻き
布を打つのに使う木の棒を砧という。料理名に使うときは、湯葉やダイコン、ウド、キュウリなどを薄く桂にむいたものなどでエビ、カニなどを巻いた料理に使う。絹巻きともいう。

■大原木
昔、大原の女たちが、頭の上にのせて京都の街を売り歩いた、たき木の束に似た料理につけられる名称で、大原女(おはらめ)とするときもある。ゴボウ、ニンジン、ウドといった材料を細く切り、三ツ葉、昆布、カンピョウなどで結んで束ねる。

■鳴門
材料を渦巻に巻いて切り、小口が鳴門の渦のように見えるものをいう。

■時雨
貝類や魚などをショウガ、醤油、ミリン、砂糖でしっかり煮含めたものにつけられる名。代表的なものにハマグリの時雨煮などがある。時雨煮の黒っぽい色を、時雨が降るときの暗い様子にたとえたらしい。

■市松
市松模様のように、正方形のものを交互に組み合わせた料理や、盛りつけにこの名が付けられます。かまぼこや刺身、寄せものなどの盛りつけによく使われる。

■翡翠
宝石のひすいの緑色の色合いを表現した料理につけられる名称。ひすいギンナン、ひすいチシャトウなど。また、初夏に出始めたばかりのナスを、深い緑色の宝石のような色に煮たものを、ナスの翡翠煮という。

■利久
ゴマを使った料理に名づける名称。ゴマをまぶして揚げた利久揚げ、利久和え、利久蒸し、利久焼きなど。茶人、千利休が料理にゴマをよく使ったからと伝えられ、利休好み、利休仕立などの名称がある。休の字は料理名に適当ではないので久の字が用いられている。

■二身・双身
材料を二種類重ねてつくる手法。一つの材料の上にぬり重ねて焼いたり、蒸したり、炊いたりする。

■真砂
浜の真砂というように、魚の卵をばらばらにしたものや、ゴマ、ケシの実、新挽き粉など細かい粒を材料に使ったものなどに使う。真砂和え、真砂焼き、真砂蒸し、真砂寄せなどがある。

■油の温度
油の温度は天ぷらやフライの衣を油に落として判断するとよい。
低温(料理の作り方に戻る)
150度から160度で衣がゆっくり底まで沈み、ゆっくり浮き上がる。
中温(料理の作り方に戻る)
170度前後で衣が油の中ほどまで沈んで、すぐに浮き上がる。
高温(料理の作り方に戻る)
180度以上で衣を落とすとすぐ浮き上がる。

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