「次」と里程記事

投稿者[ マルセ ] 発言日時 [4月7日(日)18時11分58秒]

元の発言 [ Re: Title 承前 24国比定問題(四国東部説)>マルセさん ] お名前 [ やまし ] 日付 [ 4月2日(火)22時28分21秒 ]

やましさん こんばんは やっと、紹介していただいた「邪馬台国基本論文集 3」が手元に届きました。現在、読書中です。

まず、先月の続きから
>>接続詞がないからといって順番でないとはいえませんが、
>>あるなら順番に見るのが普通の文章解釈ですし、反例を知りません。
>>接続詞の用法については、高橋善太郎氏「魏志倭人伝の里程記事をめぐって」
>>を読んで下さい。正史における里程記事のいろんな例が比較されていますので。

#ああ、やっとやましさんの仰ってることが理解できました。つまり、『里程記事の中で、「次」が使われている場合には、順番に並んでいると見るのが普通』ということですね。そういうことなら、なんとなくわかります。
 でも、問題の21か国の部分は「自女王國以北其戸數道里可得略載。其餘旁國遠絶不可得詳」と書いた後に続く部分ですから、この部分が「国々の位置関係なんかを表す里程記事」と言えないのは明白なんじゃないでしょうか。

 それと、里程記事の中であっても、「次」とあるから直線行程とは必ずしも言えません。例えば、「A国が一番近い国で、次にB国、次にC国、次にD国」という文章があったら、これってA→B→C→Dと並んでいるとは限らないでしょう? 「次」があるから必ず直線行程となるのではなくて、文脈によるというか、条件によっては直線行程になるときがあるのだと思います。
 それから、中国正史の中で、「次」で地名をあげている例は非常に少なくて、三国志の当該部分以だと、高橋氏の論文にもある舊唐書の室韋伝の「今室韋最西與迴[糸乞]接界者烏素固部落・・・次東有移塞沒部・・・次東又有塞曷支部落・・・次又有和解部落・・・次東又有烏羅護部落・・・又有那禮部落。」と南斉書の志第六州郡上の「劉備謂孫權曰:“江東先有建業,次有蕪湖。」の部分しか見つけられませんでした(かなり一生懸命探したんですけれども)。
 で、これらは確かに直線で読めるわけですけれど、前者が直線で読めるのは、「烏素固部落が最西で、その東に移塞沒部があって・・・」というように、「最西」とか「東」といった方角を表す言葉と併用されているから、直線行程であるのがわかるわけですし、後者は同様に「先」という言葉があって、それから「次」があるから直線行程なわけです。

 「次」の字には元々「つぎに。ついで。そのあとに続いて。」(学研漢和大字典)という意味しかないのですから、へんな言い方になってしまいますが、『「傍線行程が最初っから存在しない場合」か「方角などの副詞と併用されていて、地理的に並んでいることを示しているのが明らかな場合」にのみ「次」があれば直線行程の隣りの国』というふうにごく自然に解釈するのが良いと思います。



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