2日目 網張温泉〜小岩井
with 学生最後の夏記念旅行
inマウンテンバイクのススメ
1999年8月6日〜9日。学生最後の夏休み。友達と3人で車にMTBを乗せ岩手県雫石へ行って来ました。 旅行期間の半分以上はMTB走行でした。そのときの旅行の顛末と走行記です。
時間は全部かなりアバウトです。
走行記
8月7日
旅行2日目。
昨日の疲れか、朝起きたのは9時頃だった。昨日コンビニで買っておいた朝飯を食べる。疲れているが筋肉痛にはなっていなかった。部活で鍛えたおかげかな。みんなも疲れているようで、今日の計画は昨日よりも軽めにすることとした。宿泊地の御所湖から広域農道を北へと進み、雫石スキー場の先、網張温泉まで行く。その後は小岩井の方をまわって戻ってきて、コンビニの交差点にある友人曰く有名な冷麺屋へ行くこととする。
8時30分
準備をして出発。まずは雫石駅へ向かう。昨日の朝通った道と同じなのでもう勝手は分かっている。駅のそばを通り過ぎて少し行ったところで右に曲がり岩手山方面を目指す。一面、畑や田んぼで向こうには岩手山とスキー場が見える。よく晴れていて、気温も高くなく、こんなにすがすがしい朝ってあるんだろうか? ひとり悦に入りながら走っていた。
道は注意しなければわからないくらいの緩やかな登り。これくらいならなんともない。みんなでそろって走っていく。時折、道ばたに無人野菜販売所がある。棚に野菜と貯金箱が無造作に置いてあるだけの物だ。これが都会なら、あっという間に野菜だけ無くなってしまうんだろうな。なんて話していた。
9時30分
しばらく走って、自販のそばで休んでいると、傍らに車が2台止まり窓から人が道を聞いてきた。友達が対応したけど、スキー場への道を聞かれたらしい。どうやら地元民と間違われたかな? 大きな荷物も持たず、ラフな格好で自転車に乗っていればそれもおかしくないと思う。
さらに、時々立ち止まって水を飲んだり、話しながら走ったり、のんびりと進んでいく。スピード的には20キロ程度は出ていると思うけど、雰囲気が雰囲気だけにのんびりとしている。正面に見えていたスキー場がだんだんと左側に移動してきた。網張は雫石スキー上の向こう側なのだ。スキー場が左後方に見えなくなる頃、そろそろ傾斜がきつくなってきた。いよいよこれから山登りだ。
昨日のこともあるし、それほどスピードを出さないで、じっくりと進む。まわりも木々に囲まれるようになってきた。やがて分かれ道についた。右が網張、まっすぐ行くと玄武洞。ここは予定通りまっすぐ進み玄武洞を目指す。玄武洞とは川岸が柱状節理の断崖となっており下が川によりえぐれて洞窟のようになっている、天然記念物の観光ポイントだ。道は一本道、目的地もはっきりしている。ここから元気を出して思い切って登った。
10時30分
曲がりくねった道を登りまくると、行き止まりになっていて、その右手が玄武洞。第一目標に到着だ。さっそく自転車を降り、道から川沿いの林に降りる。柱状節理の断崖がそびえ立っていた。なかなか壮観だ。川沿いの林はベンチがあったりして、公園のようになっている。川縁へは柵がしてあり降りられないようになっていた。しばらくベンチに座りボーっと崖を眺めたり、その辺をぶらぶ
らしたりして、写真を撮り、ゆっくりしていた。
虫の音、木の葉のさざめき、川の音、人が少ないので自然の音がよく聞こえる。のんびりしていいなぁ。と、そろそろ行くか? 友人の声。まあ、ずっとここにいるわけにもいかないもんね。道に上がり、ジュースを買い、トイレに行って出発する。
11時00分
ここから先はホントはまだ道が続いており、先には滝ノ上温泉や鳥越ノ滝があってとても行きたいのだけど、工事をしていたり、落石が激しい、などの理由でここから道が閉鎖れている。時折ガシーン、ガシーンという音が鳴っていたが、友達は落石の音ではないかといっていた。まあ、しょうがない。さっき来た道を下る。相変わらず、下りは気持ちよい。すぐにさっき通り過ぎた分かれ道に戻ってきた。ここを今度は左に曲がる。これから登っていけば網張につけるはずだ。
きつい登りが続く。昨日よりも傾斜はきついみたいだ。1人が途中でダウン。1人は元気。俺は疲れているけどまだ行ける。この先はたぶん1本道なので、分かれ道までは各自のペースで走ることにする。1人は歩き出し、1人は猛ダッシュを始め、俺はその中間を行く。こうやってきつい登りを走るのも楽しいものだ。上まで登ってやるという達成感があるのだ。ギアを低くしてひとこぎひとこぎ力を込める。少しずつ先頭と差がついてきた。そのうち2人とも視界から消える。そしたら右手にさっきまでいた所が眼下に広がって見え出した。しばらく止まって眺める。もうこんな所まで登ってきたのか。ちょっとうれしい。ここで写真を撮った。
11時30分
頑張って登り続けていると、先から先頭を走っていた友達が戻ってきた。どうしたのか聞くと、道が分かれているので戻ってきたという。取りあえず、少し先の交差点まで一緒に進んだ。十字路になっていて、まっすぐ行くとスキー場。右に曲がると小岩井。左に曲がると網張だ。ここではバイトらしき若者達(俺らとだいたい一緒)が交通整理をしている。話を聞くと、今日はロックフェスティバルが小岩井であり、このあたりの若者が大集結しているらしい。パフィーやスピッツ、奥田民夫などかなり有名な人が来る一大イベントらしい。それで車が結構多いんだ(といっても東京の多いとはレベルが違うので、お間違いなく)。それで車を駐車場へ誘導し、そこからバスで小岩井へ行くらしい。秋田ナンバーなども多く、東北一帯から集まってきているようだ。取りあえずここで後れている友達を待つことにする。
12時00分
もう1人の友達が到着した。それでは網張温泉に向け出発。また各自のペースで走る。このあたりは景色もそれほど見えず、急な登り坂が続く。ガシガシ、サクサク、登っていく。(このあたりは宮沢賢治ゆかりの地、ちょっと賢治ばりに擬音を使ってみました)
看板発見!! まっすぐ行くと本館。右の坂を上ると日帰り用の温泉館があるらしい。やっと着いたよ。取りあえず、後れている友達をここで待ち。合流して温泉館へ登っていった。
12時30分
網張温泉到着。 なかなかいい感じの所だ、人も少なくひっそりとしている。自転車を止め、旅館に入っていく。フロントで入浴料を払う。確か500円か700円くらいだった。客らしき人は誰もいない。ドカドカと風呂に入る。そういえばこれが今回の旅行の初温泉だ。昼間に入る温泉は気持ちよい。風呂には1人だけ客がいた。少し話すと、盛岡から来たらしい。ちょくちょく入りに来るそうだ。冬にはスキーに来てくださいよと言われた。
ゆっくり、温泉に入ったあとフロント前のロビーでのんびりする。自転車で汗をかき、風呂に入ったあとのコーヒー牛乳とラムネの美味しいこと美味しいこと。これぞまさに究極の味。さらに牛乳まで飲んでしまった。ロビーでしばらくダラッとしてから外に出た。露天風呂があるらしく、外の山道を少し登ったが、立入禁止となっていたので断念する。そろそろ腹が減ってきた。
14時00分
出発。さっき来た道を引き返す。かなり急な坂でぐんぐんスピードが出た。あっと言う間にさっきの分かれ道。ここをまっすぐ進む。小岩井へ行く道だ。軽い登りが数カ所ある以外はずーっと下り、しかも急な下りだ。上体をかがめ、思いっきりスピードを出す。ヴゥーンというタイヤのうなり声と、ブゥオーという風きり音。聞こえるのはそれだけだ。ここは俺が先頭を行く、前には誰もいない。カーブで体を倒して曲がるとその先は長い直線だ。今までで最高速度が出たかもしれない。そんな下りが信じられないくらい続いたあと、やっと小岩井農場が見えてきた。
ロックフェスティバルをやっているため、ものすごい音が聞こえる。ドンズン、ドンズン。サイクルメータをつけた友達に聞くと、最高速度は55キロ。俺はもう少し出ていたというので、60キロくらいか。今日の下りは昨日と違い、車もなく、周りを眺める余裕もあり、実に爽快だった。小岩井を通り過ぎる。ここからは昨日の夜に走った道だが、夜に走るのと昼に走るのとではだいぶ感じが違う。小岩井からは下りはだいぶ緩やかになり、たまにこぎながらゆっくり進んだ。
15時00分
コンビニの交差点に来た。コンビニとちょうど反対側にあるのが冷麺で有名という店だ。やっと昼飯タイムになった。俺はタン塩定食に冷麺の小盛りを頼む。うまい!! 昨日に引き続き焼き肉だけど、ホントにうまい。焼き肉のあとに食べた冷麺も美味しかった。冷麺は初めて食べたのだけど、なかなかうまい物だね。さっぱりしているし。今回の旅行では食べる物、飲むもの、すべてが美味しかった。
16時00分
たらふく食って、店を出る。帰るには早いし、遠くに行ける時間でもないので、この辺をぶらぶらすることにする。小岩井への道を少し戻り、左に曲がる。小山や畑の中を進んだ。そのうち朝通った道と併走しているはずの道に出たので左に曲がり、宿への方向を取る。こんな風にのんびりと、ゆっくり、走るのもいいもんだ。畑や田んぼがきれいだし。遠くの山々もよく見える。どの辺を走ったのかはよくわからないけど、気づくと駅前の通りに戻ってきた。
17時30分
宿に帰着。今日の走行はこれでおしまい。サイクルメーターによれば70キロほど。まあこんなものでしょ。このあと車で温泉に行くよていだ。
今回のコースの見所
○ほぼすべての道
景色が、自然が、すばらしかった。東京でこれだけ走ったら、鼻の中も耳の中も肺の中も真っ黒になってしまうでしょう。国道以外は車も少ないし、 のんびり走れます。
○玄武洞
川向こうに見える柱状節理の断崖は壮観です。木陰のベンチで休むのも◎...だったのに、この走行記を執筆中の9月3日に大規模な崩落が起こり、お二人の方が軽い怪我をしました。幅60M高さ90Mもの崩落で見る影もなくなってしまいました。新聞(読売のみ確認)の社会面にも大きく写真と記事が載ったので知っている人もいるかもしれません。今はたぶん立入禁止となっているでしょう。早くもとのように整備され、多くの人が見られるようになって欲しいです。
○網張高原一帯
温泉もあり、スキー場もあり、眺めもよく、涼しい。いうことなしです。
○網張温泉から小岩井まで
15キロも下り続けます。気持ちよいです。爽快です。楽ちんです。
今回の反省点
○昼飯がちょっと遅かった
○エンゲル係数が高すぎる
今回の感想
網張から小岩井までの下りが過去最高、最大でした。あれなら、登りのつらさもなんでもないです。
走行記は以上で終わりですが、そのあと車で鶯宿温泉に入りに行きました。案内所で聞いていった旅館の風呂はまだ出来立てで、木の香りが漂い、露天風呂もあり、いい感じでした。そのあとはコンビニで晩飯と飲み物を買い、部屋で酔っぱらって2日目の夜は終わったのでした。
1日目 雫石〜田沢湖
3日目 御所湖一周
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