はい、こんにちは。淀調でございます。晴れた日が続きますが風邪引いてる人も多い。皆様お元気でしょうか
実はこのミロス・フォアマンの作品のことを喋るのは辛いのね。鬼才フォアマン、巨匠フォア
マン言われた彼のこの作品。「カッコ−の巣の上で」「アマデウス」。時処かまわず男二人出したら
並ぶものの無い監督フォアマンが手をつけた「ヴァルモン」。脚本は「昼顔」「ブリキの太鼓」
「マックス、モン・アムール」のカリエール、カメラは「アマデウス」でも一緒だったミロスラフ・
オンドリチェク。人と金を存分に注ぎ込んでなんでなんで、言いながらラクロでコリン・ファース
だから切っても捨てられず、喋りたく無くて喋りたい。コリン・ファース若かったでしょう、
ベッドでもむくむくしてなくて髪も有って、それが高い衣装つけて動いていて水にも入って決闘も
する。盛り沢山アイドル動くピンナップ全集。当時の記事読んだらフォアマンがコリン・ファース
気に入って気に入って口説き落として作った映画。ヴァルモン演るのは彼しかいない、と。その気
持ちが先走って先走って押さえがきいてない。ファンなら宜しいけれど監督がそれでは、ああ思う
て思い出した、フォアマンが敬愛するトリュフォー監督。ファニー・アルダンが好きで好きで撮っ
て撮ってね。でも引きずられちゃうのね、どうしても。好きなものだから思い切って切れない。
あれも入れとこう、ああこれも、言う感じでそのくせどこかうろたえてて。腰据えて正面きって見
れないのね。こわいから指の間からそっと覗いとこう、ああ、ええなあ、いうのが出てるでしょ
う。違う。BBCのダアシイさん観たでしょう、カメラがしつこくてしつこくてそれで観客をぐう
の音も出ないほどに押さえつけちゃってからさあどうぞ、と。田舎の舞踏会、人込みを縫ってカメ
ラが回る回る、画面を誰が横切ろうが気にしないで回る。返す刀でダアシイの眼、カメラが彼の視
線になって会場を回る回る。この大回しの間に観てる方は自分がダアシイを見てるのかダアシイが
自分を見てるのか分からなくなる船酔い状態。ここまでしといてふっと放す。あとは観客が勝手に
ダアシイを追う仕組み。ベッドシーンも濡れたシャツも出ないうちに観客は追っかけになっちゃ
う。このしつこさ、この入れ込みがないと美男ものはむずかしい。コリンは顔が良くてえくぼも有
ってベビーフェイスな一面もあって、これなら母性本能もくすぐれる、美男スターで売るかな思う
のね、それでフィルム繋げて腰が引けるのね。彼はダート・ムーアに埋まる岩ですよ。雨風にさら
されて表面が滑らかになってて夏にはヒースの花も咲いたりするから皆誤解するの。太陽が当れば
暖かくなるし、でも重くて大きくて動かないの。それを美しいと思えるかどうか。美しいと思って
それを観客に伝えることが出来るかどうか。美男のコスチューム・プレイを観に来た観客を説得
出来るかどうか。
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だから美男のヴァルモンは苦しい。どこか最初から崩れていなきゃいけないヴァルモン、セシルを
いただいた翌朝の食卓あるでしょう、ジェラール・フィリップ、セシルと二人であくびしてあくび
して。マルコヴィッチはどうしたか。うろたえて取り乱してその場にいるのもやっと、言うセシル
に口開けて舌の先を上あごにつけて見せるのね。女はもう顔色変えて立ち上がってね。これだけで
ヴァルモンが昨夜何をしたか、彼がどんだけ女の身体いうものを知り尽くしてるかが分かる。しか
しコリンのヴァルモン、ねえ、夜っぴいていたしていても朝の四時には馬に乗りに行ってる、言う感
じだし、決闘の場面だってね、カンカンカンいう音してるでしょう、その音が止んでアランゾが眼
を開けて指の間から見るでしょう、ヴァルモンは死んだんですけど、ねえ、ほんとですか?あの剣
さばきで死ぬの?嘘でしょう?刺さった剣抜いてこっち来るんじゃないの?いうくらいに強い強い
ヴァルモン。マルコヴィッチはよれよれになってね、はあはあ言いながらトゥルベール夫人のこと
思い出してるの。剣を振り回しながらあれはよかった、最高だった、陶酔の極みだったいうて。
まるで女臭さが匂わないヴァルモン、女達に振り回されているようで最初から最後までどこか孤高、
それが良いんですけれど、かといってフォアマンが掴みきれてるわけでもない。
それではフォアマンが掴んだものは一体何か?
と言うところでもう時間きましたね。悪口言いながら喋りだしたら止まらないのはやっぱり
この作品が好きだからですね。コケた作品ほど可愛い、というか。
次回も続き喋らせてください。それでは皆様、ごきげんよう。(6月7日(水)13時30分11秒)
はい、淀調でございます。今日はフォアマンの続きですね。この作品、去年か一昨年か
レンタル用ビデオも廃盤になってしまってあとはTSUTAYAにでも行って捜すしかない。アッ髪が、
アッ顔の輪郭が、なんて一切心配せずに観れるフィルムですから皆さん借りてくださいね。若くてスリムなコリンが見れるだけじゃない、この作品にもいいところはいっぱいありますね.
文句言いたいのはアネット・ベニング、どうして彼女にメルトゥイユ夫人を振ったのか、
ウィットのある官能性、て一体全体分かって書いてるのか.女ぎつね的な、てあのふさふさした見
事な尻尾があるから女ぎつねなんで、アネットにあの柔らかな、光沢のある豪奢な尻尾、あります
か?あの若さで早くも擦り切れちゃって、だからフリアーズ、彼女を90年にグリフターズで使って、
どうだ言うたでしょ。昔は大仕掛けな詐欺の片棒担いでところがその首謀者が精神病院行き、残さ
れた彼女は墜ちて墜ちて、今では家賃をデブの中年男の家主に身体で払ってる.公衆便所やりなが
ら地べた這いまわりながら、どうにかしてもう一度浮かび上がっていい目見よういうギラギラ
を良く出してた彼女、でもこれは泥絵なの。だから「ヴァルモン」ではフランスの貴族社会に彼女
ひとりはまらない。甘さのきついローリーポップ、舐め続けると舌が割れるの。じゃあいいところっ
て何なんだ、言われそうですが、ねえ、皆さんはお若いからね、若い人しか目が行かないね。それぞ
貴族、女の華いうひとがいるでしょう、あの砂糖菓子みたいなおばあちゃま、ロズモンド夫人がそう
ですね。居眠りばかりしてるいうて年寄りを甘く見たらいかん、この人は実在のモデル言われた
メルトゥイユ夫人のなれの果て、ラクロに若い頃の話して、スタンダールにくるみ菓子を食べさせて
くれた夫人そのひとなのね。カードしながら居眠りするのは退屈だから、百戦錬磨の彼女にしたら
そんなカード遊びなんて馬鹿馬鹿しいの、もうちゃんと仕掛けは出来てるんだからね、人妻を選り取
りみどり集めておいて、若い甥っ子呼び寄せて、さあ、おあがり、言うて。美男の甥がどんな言い寄
り方をするか、相手がどう応じるか拒否するか、こんなおいしい見ものはないの。自分は年取って
身体も衰えて、でもまだ見て愉しむことは出来る。そしてあのおばあちゃま、ヴァルモンとダンス
するでしょう、上品で上品でそして甥にうっとりしてね、相手見てると自分の年も皺も忘れるの。
まあ、若かった頃はパリでちょうど相手はこの位の年で、いやいやでもヴァルモンのほうが上、だっ
て私の甥なんだものねえ、こんな良い目が見られるから色々呼んできてよかったわねえ、って。
セシルが食べられた翌朝も食卓仕切って言うでしょう、それで、なあに、お前さんはその、何とか
言う男と結婚したいと言うのかい?って。ヴァルモンがトゥルベール夫人は何処か、聞くまで澄ま
して待って落ち着き払って答えるのね、もういないよ、なんだか慌ててたみたいだったねえ。それ
でヴァルモンは飛び出していく。何と言ったんですの?ええ?聞こえなかったから知らないよ、あい
にくこっちの耳が聾でねえ、言うのね。もう、これこそ生き延びたフランス貴族の女、権謀術数で
磨き上げられたその毒が長い年月に洗われて砂糖菓子になってる。ふんわりほろほろして、キツネ
の尻尾見えるでしょう。これがロズモンド夫人、原作では信仰厚い堅苦しい老婦人になってるけ
ど、それだって最後ダンスニーにセシルの転落の糸口を作ったのはあんたの恋の告白だ、と人情の
機微に聡いところを見せてるでしょう。よく考えればこのロズモンド夫人にしてこの甥、だから二人
は実はよく似ていてでも年をとるまで生き延びただけおばちゃまのほうが上手。だから惜しいのは
アネット・ベニング。若いメルトゥイユ夫人とそのウン十年後、いくらでも対比して遊べるのに
これはほんとに惜しかった。対比と言えば男性陣もしかり、原作では笑いものに過ぎないジェルクー
ル、どうしてこの役を「アマデウス」でヨーゼフ2世を演ったジェフリー・ジョーンズに振ったの
か。それものっけからアネット・ベニング使用後、まあもういい加減飽きたな、いう顔見せて登場さ
せて。あまりに格好良すぎるジェルクール、初めはああ、ミスキャストやねえ、フォアマンも鈍ったね
え思いましたが今考えたら違いますね。ジェルクールはヴァルモンのなれの果てなんですね。放蕩
して放蕩して生き延びて何も知らん若い娘が欲しくなるんですね。そうやって貴族はやってきたん
ですね。でもやっぱり女は上手なんですね。怖いですね。さてしかし、フォアマンはどうしてメルトゥイユ夫人の品下げたか。それはトゥルベール夫人に
引きずられたからですね。次回はいよいよその話いたしましょうね。(6月8日(木)20時28分29秒 )Topへ
皆さんお元気ですか,淀調でございます。このところご老嬢の話が続いて若いヴァルモンはどこ行っ
たの,思っておられる方,申し訳ないですからきょうは若い人の話をしましょうね。マギー・スミス
好きなおささん、また別途違う映画の話を致しますからお待ちくださいね。ヒントはグレアム・グ
リーンですね、こんな英国女いるのか、いう話。さて「ヴァルモン」,原作が「危険な関係」だ思うから足元すくわれますね。アネット・ベニングが
悪女の割には迫力無い,最後には青菜に塩,塩かけられたナメクジみたいに元気なくして、ツバメに
してたダンスニー、あの一途だった男の子が女に囲まれてきゃあきゃあやってるのを見上げる表情
あれは若気の至りでやり過ぎて何もかも無くした若い女、まだ鍛え上げられていない青さが見えて
ました。それに比べてヴァルモンのおばちゃまとセシル,このセシル,使用前と使用後で全く様子が
変わらない。相変わらず芋っぽくて今修道院から出てきました言うても通るくらい。子供子供して
こういうのが曲者ね。そしてまた遊んだ男ほどひっかかるんですね、これが。自分は女のことは何
でも知ってる、いう顔してほんとは何にも知らないんですが、別に自慢の鼻へし折ってあげるほど
ふたりの女は親切じゃないですから、んー言うて澄ましてるんですね。
一方,ヴァルモンは女たらしじゃ無いですね。若いから肉体的欲求はある。好奇心も有る。それで
NO!言われたことは無い。しかしそれはトイレ行ったようなものであと、いつまでもトイレにこ
もってる馬鹿はいない。致したあとはすっきりする。しかし翌朝になって女の脂がついたままだ、
ああ気色悪い言うてシャボンで身体中洗ってる、コリンのヴァルモンにはそんな感じありますね。
それが公私共にメグ・ティリーに引っかかるんですね。さすがにフォアマン監督、腐っても鯛で、
よく見てますね。
修道院に入って病死あるいは発狂する役どころ、原作もロジェ・ヴァディム版もフリアーズ版もト
ゥルベール夫人を破滅させますね。ああかわいそう、あんな悪い悪い女に騙されて、いう昔ながら
の薄幸な美女ですね。ところがフォアマン監督,そんなん違う、言うたのね。女はそんな単純じゃ有
りませんと。トゥルベール夫人のご主人は司法官,日本語訳では法院長となってますけど要するに
高級官僚,テクノクラートやね。生まれながらの貴族ではなくてその人が持ってる技術,知識を買わ
れて支配階級に加わった人。フリアーズ監督はだから彼女は平民だ、言うてます。平民か下級貴族か
裕福な家の出でもパリの貴族階級文化の何たるかを知らずに育った人ですね。その頃のパリ盆地は
世界の最先端,司教のなり手はいないし平民だってバース・コントロールしてる。子孫の繁栄のた
めではなく快楽のために男女関係は存在する,そういうコンセンサスが市民の間にも出来上がって
たんですね。ところが信仰厚く貞操堅固なトゥルベール夫人、これはもう違う惑星に住んでる人,
エイリアンですね。ヴァルモンは好奇心いっぱい,どんなんやろう、どう違うかそれとも同じか、
やっぱり同じだったんですね。メグ・ティリーパリに逃げ帰るくらいでそんなに抵抗しない。翌朝
嬉しそうにしてる女を見て男は白けるんですね。なんだ,こんなものか、つまらん、思うんですね。
さあ、しかしこの女のすごいのはこのあとですね。ご主人様はお留守です,言うのに来るんですね。
居留守と分かっていて来るんですね。ヴァルモンは会わない,会わないうちによそでごちゃごちゃ
ありましてだんだん自暴自棄になってくる。何やっても上手くいかない,何なんだ,思う心の隙間に
トゥルベール夫人が入り込んでくるんですね。その顔,その姿,どうみても幸せそうじゃないんです
ね。それでも自分に会いにやって来る,貴族の女たちののほほん振りとは大違い,抛っておけない,
見過ごせない,ついつい情にほだされるんですね。家に入れてもう放さん、思うんですね。思ったが
運のつき,これがヴァルモン、命取りになりますね。女はもう夢から覚めてるんですね。舞い上が
っていっぱい買い物して帰ってきたら男は消えてる。ああやっぱり別の世界の人ね,と。けれども
トゥルベール夫人といえども一夜を過ごしたらやっぱり心身ともに女になってるんですね。だから
来て、もう一夜過ごして夫のところに帰っていくんですね。そして相手が死んだら夫にお墓の場所
まで連れてきてもらって薔薇を一輪手向けてまた仲良く帰っていくんですね。凄い凄い女ですね。はい、もう時間きましたね。まだ終われませんので,もう少しお付き合い下さい。
それまで皆さんごきげんよう。(6月21日(水)13時28分19秒)Topへ
はい,淀調です。梅雨再開で嫌な天候が続きますがしっかり体調管理なさってくださいね。
「ヴァルモン」のトゥルベール夫人,これは見えない悪女ではないか,いうのが前回の話でしたね。
メルトゥイユ夫人は長い長い伝統ある悪女タイプなのね。モリエールに「人間嫌い」いう芝居ある
でしょう。モリエールはルイ14世に可愛がられた役者で脚本家。ここで主人公アルセストが恋するセ
メリーヌ,これがまだ若い未亡人で出来ない話はないという才媛。二十歳そこそこで主人公のほかに
二人の侯爵が求婚中で彼女は3人とも手玉にとって遊んでる。アルセストは融通の利かない正直者で
社交界の水になじめない。この結末がどうなるかは皆さんもうわかりますね。「リディキュール」
の主人公は逞しい、あれは健康的な結末でした。
フォアマン監督はこのメルトゥイユ夫人を身も心も軽い尻軽女にして、自分のトゥルベール夫人を
出したんですね。貞淑な人妻が誘惑されて簡単に落ちちゃう,これはよくある「淑女の転落物語」で
す。しかしメグ・ティリーは転落しない,落っこちたのはヴァルモンですね。最初出てきたときは髪
ひっつめて衿の詰まった服来て女学生みたいだったメグ・ティリーがマントのフードから解き流し
の髪覗かせて青白い顔してこっち見てる。ヴァルモンはだんだんだんだん見過ごせなくなる,ここの
ところまるでドビッシ―の「ペレアスとメリザンド」みたい。
メリザンドは兄さんの妻,ある日森で泣いてるところを見かけて拾ってきたのね。妻にして何不自由
ない暮らしをさせてるのにメリザンドは幸せじゃない,森へ帰りたい言うの。叫ばずに小さな声で、
Je ne suis pas heureuse ici と言うの。それでペレアスは見過ごせなくなる,惹かれてい
く、でもメリザンドは二人でいても愛してるとは言わない。やっと言ってくれたときは4幕4場で
ペレアスは喜んで喜んでね,ああ星が落ちてくる言うの。そして兄さんに切られて死んじゃう。女は
子供を産んで死ぬ。兄さんは臨終の床でメリザンドを問い詰めてね,裏切ってないか,その子の父親
は誰だ,と聞くんですがメリザンドは私は何も悪いことはしてない,と答えるだけ。不幸が似合う女
メリザンド、Je ne suis pas heureuse ici という呪文に男二人が身を滅ぼす話でした。
でもメリザンドは金髪でね,窓から垂らした髪をペレアスが愛撫したり大人の御伽噺なんですが、
メグ・ティリーは髪黒いでしょう,それがヴァルモンにまとわりつく,凄味がありますね。あまり喋
らない無口な女で,人の話を聴いてるほう,個人的にもコリン・ファースは彼女のそこに惹かれた言
うてますが,女優陣で彼女だけがシリアス、悲劇の雰囲気を持ってますね。ヴァルモンにとっての
ファム・ファタール、運命の女はメルトゥイユ夫人じゃない,哀れなはずのトゥルベール夫人とい
うことになりますね。そして彼女のご主人は怒ってる風もない,自分の若い妻が哀れやなあ、可哀
想やなあ、といたわっていたわって帰っていきますね。本人は悲しがってるだけでね、何の自覚も
ない,色恋に長けてるわけでもないしね,そういう女が男にとっては本物の悪女,おお凄いなんて思
われてる人が実はただの才女でより上手のジェルクールにポイされてる。大抜けの女に男は足をと
られる、いうのがフォアマンの「ヴァルモン」でした。
しかしそれだけではコリン・ファースの「ヴァルモン」にはならない。どうして抑えた演技で評価
の高かったコリン・ファースで作ったのか?最後はここに行き着きますね。アナクロだなんて批評
家に辛い点つけられてますが、彼でなきゃ表現できないものがあったんですね。それは何か,が次回
のテーマ。コリン自身がいまだに引きずってるもの,といえばお分かりになるかもしれません。
それでは皆さん,ごきげんよう。(6月28日(水)12時30分27秒)危険な関係
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