1987年
命を掌にのせている
生かすも殺すも犯すも殴るも自由

死ぬ前に壊れたから海に捨てた

捨てられた女の子はいつ失われたのだろうか

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1998年或いはそれ以前ほぼ毎日の出来事

誰かが犯されている
軟禁されている
殴られている

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1999年
誰かが、拳を握る

渋谷
その手の話には困らない街
素人探偵が追うのもその一つ
しかし、素人探偵は気付いていない
世間的にはありふれた話しなのだ

目標発見 三人連れ
此方も知った顔だから人違いではない
後ろから殴る
虚を突かれたとはいえ、攻撃を受けていない二人が反撃をしてくる
相手はそろって空手の有段者だ
多少は腕に覚えがあるとはいえ、流石に分が悪い
しかし、逆上は収まらない
殴り殴られ、しかし引き倒されて蹴りが入る
汚らしい床の上でゴミのように転げ回る
奴らは襲撃の理由を察していた
取るに足らない事、と言う
吼え返す口にも蹴りが入る
悔しかった
その時、不意に知らない声が掛かる

「おい」
振り返る馬鹿にカウンター
続いて他の二名にも攻撃を加える
乱入者が私だったのは彼らにとって不運だった

長身の男が見下ろしている
手が差し伸べられる
「闘う手段が知りたければ教えてやるが、どうする?」
男の手を握り返した

それから、この奇妙な男と手近な店に入る
渋谷の店員らしく、傷だらけの顔を見てもうさんくさそうにするだけだった
席に着き、おしぼりで顔の血やドロを拭う
男は黙って居た
この異常な男に警戒を解いたわけではないが、話しを聞く価値はある
金目当てならわざわざ人目に付くところになんか来ない
警戒心は露骨に顔に出してみる その方が安全だ
「とりあえず助けてもらった礼を言うよ ありがとう」
「お前、何歳?」
どうやらコッチの話はお構いなし、という事らしい
「17です」
「せぶんてぃーん、ね.......若いな」
と、男はなんだか楽しそうな顔で此方に指を突きつける
「ばーんっ」
今時子供でもしない拳銃遊びだ
こちらが面食らっていると続ける
「お前さ、今死んだからコレから私と付き合えよ」
「ホモ、なんですか?」
「.........馬鹿言えよ 言ったろう?闘い方を教えてやるってな」
注文のコーヒーが来た
美味い

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to be continued

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