デマンドバスの導入の仕方
デマンドバスシステム画像解析会社案内

デマンドバスとは 
方式比較・優位性 
既存事業との両立性 
導入事業の容易性 
期待される効果 
導入の仕方・考え方 
導入費用・維持費 
[トップ ページ][デマンドバスシステムにもどる][導入の仕方・考え方]

 

「デマンドバス」の導入の仕方も、言葉と同様に、混乱しています。バスもデマンドバスも30年以上研究してきた当社代表の塚原勉が、わかりやすく整理してみました。

自由度が高いのがデマンドバスです!

「デマンドバスとは」のページを読まれれば、「デマンドバス」の方式選びは、簡単です。よく「デマンドバスには、いろいろあり・・・」といわれますが、これは間違いです。

何も制約なしで、自由な利用者の要求を組み合わせて、最高の効率の乗り合い輸送を提供するのがデマンドバスです。

その他のものは、擬似デマンドバスです。ですから、何かを犠牲にしていますので、その犠牲を比較・吟味して選択すれば良いのです。

自由度の制約と犠牲で判定!

擬似デマンドバスの制約とは、運行計画をPC(コンピュータ)を用いないこととすると、次のようなことがあげられます。

@乗車時刻を確約できない。=バス停でかなりの待ち時間が生じます。途中一人の予約で片道平均5分の迂回とすると、3人の予約だけで30分も変動します。バス衰退の大きな原因が定時性の欠如でした。この教訓を学ぶべきです。

Aサービスエリアを大きくできない。=小地区に分割しなければならず、効率を上げることができません。銀行の窓口等の待ち行列を1列にまとめる効率を上げられる「大群化」効果がありますが、小地区に分割するとこの効果が発揮できません。

B仮ダイヤの設定が必要。=無駄な運行や拘束時間が生じます。起終点と出発ダイヤを設定すると、途中で迂回する分、路線バス方式よりも多く運行することになり、本当の効率化はできません。

C車両が近くに行っていても、急な予約はできない。=ダイヤ出発時刻の30分前まで等に予約を締め切ることになります。1時間1便となっていても、2時間近く絶対に利用できないときがある等、実際は、意外と不便になります。

●その他きりがありませんが、1日数えるほどだけのところはともかくとして、需要が少ないからPCなしでできるという訳ではない不便さがいろいろあるということに注意してください。

●PCシステムの費用は、規模や方法によって異なります。小規模で複雑な通信等をしなくても良ければ、数百万円以下でもできます。

PCは活用すべきです!

以上から、受付や運行計画の手間を犠牲精神で無料でおやりになる事業者があり、かつ上記のような不便さを我慢できるところ以外は、PCを用いた本当のデマンドバスを導入した方がよいということにならざるを得ません!

それでは、PCを用いた本当のデマンドバスとは?、となりますと、現状では、鰍`Vプランニング(当社)のデマンドバスと東京大学(実際は、順風路鰍ナ販売)のオンデマンドバスの2つだけしかありません。
この2つは、どう違うのでしょうか?

両者の違いも、誤解が多いままのようですので、必要なところを以下に整理してみました。

AVプランニングのデマンドバスと
東大のオンデマンドバスまたは
オンデマンド交通システムとの違い?

鰍`Vプランニング(当社)のデマンドバスと東京大学のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムとは、目指す目的と機能は全く同じです。ともに本当のデマンドバスを目指して取り組んでいるからです。

大きな違いは、開発におけるアプローチの仕方にあります。鰍`Vプランニング(当社)は、バスの研究とIT技術の研究を現場で長年積み上げてきた民間企業であり、東大の開発チームは、先端技術研究所というところで、バスにはあまり関係なかった人達が、先端技術の応用の可能性の検討からはじめたという視点とプロセスが異なります。

この違いは、次のようなところに現れています。

@東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムはインターネットを主軸とした自動受付を目指しているため、会員制としている。一方、AVプランニング(当社)のデマンドバスは、高齢者利用を主軸としているため、会員制なしの電話受付を中心としている。

A東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムはインターネットを主軸とした集中管理を目指しているため、現場にサーバを置かない全国一括集中管理システムとしている。一方、AVプランニング(当社)のデマンドバスは、現場対応を重視しているため、低コストのサーバの現場設置とリモートメンテナンスを採用している。

B東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムは利用者の個別条件への対応を重視しているため、複雑な登録や受付および操作を必要とし、また輸送効率を若干犠牲にしている。一方、AVプランニング(当社)のデマンドバスは、利用者と輸送との現場のバランスを重視しているため、受付や操作は簡単であり、かつ、輸送効率も上げている。

C東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムは中央集中管理方式のため。実運行の前に予約の調整または余裕が必要であり、予約を1時間前まで等に制限している。一方、AVプランニング(当社)のデマンドバスは、現場対応が徹底できるため、完全に自由な随時予約を実現している。

D東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムは利用者がインターネットでバス停をも登録できる方式をつくっている。一方、AVプランニング(当社)のデマンドバスは、まだ走行条件等を利用者が変更することは、信頼性への恐怖感があり、この機能は差し控えている。

E利用実績において、東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムは無料の実験でも1台1日当りまだ10人程度しか実現されていません。一方、AVプランニング(当社)のデマンドバスは、導入すると有料でも1台1日30人程度のほぼ能力限界にまで利用されている。

●まだ、その他いろいろありますが、大きなところは上記のところです。

●端的に言うと、「どこでも」ということでは東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムの方が少し進んでいますが、「いつでも」と「だれでも」については、鰍`Vプランニング(当社)のデマンドバス方がかなり進んでおり、東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムはまだ実験段階といえると思います。

●本来は、両者が一緒になれば良いかもしれませんが、成り行き上現状のようになってしまいました。どちらしかダメということではなく、多様性があるということはいいことかも知れません。

●ただし、偏った情報や間違った情報だけで動くことはよくありません。本質を是非理解していただきたいと思います。

 

鰍`Vプランニング(当社)のデマンドバスにするか東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムにするかはともかく、導入する場合の検討の仕方や目安を、以下に少し整理してみます。

 

お金のかかるアンケートや調査は不要です!

まず、アンケートを含む大きな調査は必要ありません!バスはこれまで長年の研究成果があります。大抵のことは、大きな調査なしで類推できます。

東大のオンデマンドバスまたはオンデマンド交通システムでも、導入された埼玉県北本市では、調査費用に1,400万円もかけられています。これは、鰍`Vプランニング(当社)のデマンドバスでは、不要です。

ある市では、「一日おきだが定時に乗れるコミュニティバスと、毎日運行するが電話で予約しないと乗れないデマンドバスと、どちらが良いですか?」とアンケートで尋ねていましたが、こんな大雑把では、聞いたことにはなりません。そもそも、関係者ですら、よく分かっていないままの「デマンドバス」について、いきなり住民に選択を迫ることが間違いです。

アンケートは、議論なしで強行採決するようなものです。また、アイデアをアンケートで求めることはできません。アンケートよりも、実証にもとづく着眼が重要です。

デマンドバスの潜在需要は莫大です。豊田市の中山間地域である小原地区では、人口僅か4千人ですが、無料の実験時は1日60人もの利用者がありました。有料となった現在も1日約30人の利用があります。

需要は、出かける要求によります。人は1週間に2度ほど外出したいのが一般的のようです。これで計算すると、かなりの多数となります。現実の路線バス(コミュニティバス)の利用が少ないのは、条件が悪いため、外出を控えてしまっているためです。

利用条件が良くなる本当のデマンドバスでは、需要の心配は不要で、現実的には、何台提供できるかのコストの負担能力で決められます。ただし、検討対象のバスを市場原理だけでは対応困難な事業と考えてのことです。自治体負担や利用者負担を根底から考えるというのは別問題です。

負担能力の基準は、これまで多くのところで1日約5運行というのがコミュニティバスのシビルミニマムのようにいわれていたことがありましたが、このサービスの根拠は何もありませんでした。単に、自治体の負担能力の限界というところでした。

金額では、小都市で年間数千万円というところでしょうか。稼動車両台数では、単価の高いバスなら数台、単価の安い乗合タクシーならその倍の4〜6台程度です。この車両数で10km四方のような広い地方都市内を、あちこち巡るコミュニティバスでは、貧弱な頻度サービスにならざるを得ません。

これを合理的に解決したのが、鰍`Vプランニング(当社)のデマンドバスの導入例の前橋市「ふるさとバス」です。ここでは、導入前のコミュニティバスと同じ稼動車両数の4台で10km四方(人口は3万6千人)全域にほぼ満足できるサービス(1時間に1運行並み)を提供しています。

分散的市街地は、概ね前橋市の例を基準にできます。すなわち、10km四方または人口4万人程度に対して、4台提供が一つの現実解ということです。

 

事業規模の類推!

つぎに、デマンドバスには、予約も含めて1台で捌ける件数に限界がありますので、この考慮も必要です。

分散的で10km四方のように広いところでは、概ね1台1日30件程度が処理限界です。ただし、人数は1件当りの予約人数で異なり、大規模店舗等が多いところでは30人よりかなり多くなります。また、サービス面積が狭いところでは、乗合効率が上がり、処理件数は増えます。人口密度が高いところでも効率が向上します。

概略検討としては、1台1日30人〜50人程度を処理能力と考えればよいでしょう。1日の想定利用者数を30〜50で割れば、稼動車両数が計算できます。これから、凡その事業規模が推定できます。

 

自宅送迎は、選択の問題!

なお、自宅まで送迎するかどうかがありますが、鰍`Vプランニング(当社)の方式でも、東大の方式でも、自宅まで送迎することは可能です。

ただ、自宅までとすると、タクシー事業と若干競合します。バス停方式であれば、競合しません。このため、鰍`Vプランニング(当社)の方式では、現状では自宅までのサービスは控えています。

歩行が特に困難な人にだけ自宅をバス停に組み入れ、健康な人はバス停方式とするのが、現実的ではないかと考えられます。健康なうちは、少し歩いた方が良いのではないでしょうか。

 

規模の大きい都市への適用方法!

ただし、前橋市の導入地区のように分散的な市街地だけではなく、1日何百人または何千人もの集中需要がある場合は、上記の考え方では車両数が莫大となり、また、受付も大変となります。

心配は要りません。需要が集中する区間だけを路線バス(シャトルバス)として高頻度サービスで処理すれば、残りは大抵分散化した需要ですので、デマンドバスとの併用とします。

路線バスとするかどうかの区分も簡単です。もともと生活バス路線の助成による維持基準として、平均乗車密度が5人という基準(平均常時5人が乗車していればという意味)がありました。これ以上ならは、路線バスとして維持する価値があるということです。デマンドバスが通常9人乗りの車両ですから、平均で5人というのも、判別の基準として良いでしょう。

平均乗車密度5人ということは、例えば10kmの路線長のところでは、1日20往復とすると、1日400km×5人=2,000人・kmの輸送量ということになります。バスは一般に4、5kmの平均乗車距離ですので、これで割ると、4〜5百人以上の利用者数が想定される場合には、この区間には路線バスでサービスすべきということです。このような考え方で、各都市で類推できます。

上記で判定された路線バスの区間は、平均的なバス路線並みの経営が可能ということです。

なお、鰍`Vプランニング(当社)のシステムは、上記の路線バスとデマンドバスとは、競合しないで、乗継を含めて補完し合うよう、かつ、利用者に最高のサービスとなるよう、可能解を計算して運行計画を立てていきます。

 

ちなみに、規模の大きい都市では、下図のように、路線バスを幹線バスに集約・充実化し、その周辺をデマンドバス化します。色の区域がデマンドバスのサービスですが、色分けは固定的ではなく、幹線バスの条件等によって、乗り継ぐ場合と、直接行く場合との比較計算を、受付時に瞬時に行い良い方を選択していきます。

 

シミュレーションは、十分条件の確認として!

シミュレーションは、必ずしもする必要はありませんが、サービスの可能性の状況予想を、十分条件として確認するには有効です。

乗車希望時刻と予約時刻とのズレ状況や迂回時間の分布状況等が、投入車両数を変化させて、シミュレーションできます。

なお、鰍`Vプランニング(当社)では、10年以上前からシミュレーター・プログラムを先駆けて完成しており、東大の開発がはじめてというものではありません。

当社では、すでに何百回というシミュレーションをしてきているため、特にしなくても、ほとんどの地域について、類推ができてしまうということです。

 

以上で、大抵の都市で、デマンドバスを用いて、一部に路線バスを必要に応じて配し、全体を1時間に1運行並み以上の公共交通サービスの経済的な事業形態を提案できます。

 

進め方の留意点!

次に、進め方ですが、何回も会議を行ったり、長期間の運行実験を行う必要は、本当はありません。デマンドバスは、もはや、「やってみないとわからない」ことはありません。

重要なことは、バス停の配置と名称、それに利用者への周知です。

よく、○○第一、○○第二等のバス停を設置されますが、一字間違えれば、車両も利用者も大変なことになります。また、営業時間やピーク問題もありますので、現場に即した柔軟な準備をすることが重要です。

特に、「地域公共交通会議」と入札という行政的理由から、システムメーカや輸送事業者また住民の意見を十分に聞かないで、方式やバス停等を決定してしまうことが多いようですが、これからは、情報公開の時代でありますので、必要なことはオープンにして議論し、本当のプロの意見をご参考にして進めていただきたいと思います。

*ご質問等ありましたら、メールの作成ボタンを押して、
お知らせください!

メールの作成

[トップ ページ][デマンドバスシステムにもどる][画像解析][会社案内]

Copyright (c) 2008 My Company. All rights reserved.