元の発言 [ Re: 倭人伝の誤字率 ] お名前 [ マルセ ] 日付 [ 4月21日(日)09時48分54秒 ]
>> >>「邪馬壹」の意味が分からないということだったら、
地名の語源がはっきりしない例なんていくらでもあります。
>> #地名の語源がはっきりしない例がいくらでもあるといっても、
そういう例は明らかに少数例です。地名のせいぜい数%なのでは?
古い地名の場合は難しいと思います。(例えば、国造本紀の国名)
例えば、四国で行きましょう。
「讃岐」「伊予」「土佐」「阿波」
これらの地名は本当にその由来を確定できていますか?
いくつかの候補はあるけれど、その他の可能性も高く、
はっきりしていないと思います。
また、倭人伝の国名の意味として信憑性が高いものは
「山」と「島」くらいではないですか?
比定地からこういう地形名だろうと推測できることはありますが、
同音異義語が多い以上、単に音だけから由来を探るのは難しいです。
一般には、上代語に対応しない古い地名もあると考えられて
いるのではないでしょうか?
>> 古田氏の理論は、一つ一つは絶対にありえないとまでは言えない(完全には否定できない)
仮定のいくつかの積み重ねで成り立ってます。一つ一つは、30%とか20%とかの確率で
ありそうな話でも、そうゆうのがいくつも重なるとあっという間に1%以下
(例えば、30%×30%×30%×30%なら0.81%)になっちゃう。
古田氏のは「風が吹けば桶屋が儲かる」と同様な理論なんです。
古田氏の理論のことはよく分からないのですが、単なる誤字がそれほど多くない
というのは正しいと思います。単なる誤字というよりも、古い時代と現在との差違があって、
その差違を知らないために誤字だと思って改訂することが多いのだと思います。
(知っていても、直した可能性も十分ありえます。同時代の人に役立つためには
同時代の情報が大事なのだから、それも無理のないことだと思います。)
例としては
「対海」→「対馬」・・・「海」の上古音。
「一大」→「一支」・・・「石田」という地名。
「巳百支」→「已百支」・・・「巳」と「已」の使用法。
最後は分かりますか?
>> >>それから、邪馬台国が国々を統一したときに、中国語ふうの国名を付けた
可能性なども考えます。
>> #「邪馬壹」のどこが中国風なんですか? 「秦王國」ならまだわかりますが。
多くの「邪馬」国を一つにまとめたので、「邪馬壹」とする可能性です。
高地性集落のことを考えるとありそうな話ですが、
「壹」の意味を知らないといけないわけで中国語ふうです。
もし米語とあわせたら「ヤマワン」国です。
あくまで想像の世界ですけどね。
>> >>う〜ん、では10回くらいですか?「臣松之見諸書本」はいくつか見比べているということで、
10冊の写本があったら10回というわけではありませんよね。
>> #そうですね。その場合なら期待値は3〜4回(エクセルの関数で表記すると=log(10,2))というところでしょうか。
もし正確を期するなら、その時代に残っている最も信頼性の高いとか古いとか
いったものを転記しませんか。3冊以上を見比べることも可能かもしれません。
>> ただ、一九四二年に新疆省[善β]善県から東晋時代と考えられる写本、一九六五年一月
に新疆ウイグル自治区吐魯番から西晋時代と考えられる写本が見つかっていることを考えますと、
裴松之の時代に、もっとたくさんの写本があったような気はします。
それらの写本との異同はどうなのでしょうか?
随分違ったものもあるとどこかで見たので、実際にどこが違うのか
調べてみたいです。
>> #まともな研究者の方の場合、異字があるだけでなくて、ちゃんと他の理由があって
仰ることが多いようです。
>> ところで、質問なんですが、和名抄に温泉郡の訓として「湯」とあるのに、
これを『「誤り」として勝手に校訂』しても、この場合は和名抄が日本の本だから
OKということなんですか。
校訂はしていません。
『和名抄では「温泉」と記し「ゆ」と訓じてある。』と書いています。
松山なのですから、「湯」と呼ばれていたのも事実でしょう。
俗に「うんせん、をんせん」と読まれていたのも事実です。
知りたいことは、和名抄の読みは本当に「地方での読み方」を
確実に伝えているのだろうかということです。
同じ温泉郡で「味酒郷」の読み方が諸本によって
「むまさけ」と「まさけ」と異なっています。
ちなみに地元では「みさけ」と読むらしいです。
なぜこのような違いがあるのか。
地名が変化したということなのか、
それとも地方での読みを調べていないのか。
そこで
>> >>こういう地名が地方にあったとして、和名抄あたりの著者に
>> >>その読み方が分からなかった可能性はあると思われますか。
という質問をしたわけです。
マルセさんは
>> #当然あると思います。和名抄は、地名の全部には読み仮名が振られてないですよね。
>> ところで、和名抄の成立事情についてはよく知らないのですが、地名のところは、
>> 高山寺本とか東急本とか、本によって仮名として選ばれた漢字が異なっているのですけれど、
>> これって、「源順が撰んだときには、地名に仮名が振られていなくて、
>> 後の時代に筆写した誰かがそれぞれ勝手に振った」ということなのでは?
と答えたはずです。
郡郷名で一音というのは、相当に珍しいです。(紀伊は「き」?)
こういう読み方をしなければならない郡名も珍しいです。
一方、奈良時代の始めには、「雲仙」につながる「温泉」を「うんせん」
と読んでいたとされています。
普通の文章で「温泉」を「ゆ」と読むのは当たり前だったかもしれませんが、
地名としての「温泉」が本当に「ゆ」だったのか、疑問に思います。
#ツリーの下の方にあったものですが、こちらにまとめます。
>> #「源順が読み方を知らなかった可能性がある」とか、
「和名抄に仮名を振ったのは後代の人なのでは」ということは確かに書きましたが、
「実際にその当時どのようにその地方で読まれていたか、確定するのはなかなか難しい」
と言ったり、または、そういった御説に同意したりしていません。やましさんの勝手な解釈ですよ。
>> 「和名抄に見られる郷名など古代地名の中には、今となっては読みのはっきりしなくなったもの
がいくつかある」とは思いますけれど。
いくつかの読みがある場合に、どうやって確定するのですか?
当然難しいことになると思いますけど。
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>> #少し長いですが、裴松之の上表文の一部を引用しましょう。以下は、ちくま学芸文庫
「正史三国志8(小南一郎訳)」から。
(略)
>> 裴松之の注記した以外にも、三国志の中におかしな記事はありますので、やましさんご自
身で三国志を通読されますようお勧めします。
どうも長い引用ありがとうございます。
注だけは、ざっと見たのですが、なかなか全部は大変です。
国名や地理の嘘の表現があれば、教えて頂くと早いのですが・・・。
しかしいい機会なので、教養として読んでみます。
>> >>もちろんそうです。そして、途中の書写によって全体の3割も間違っていたならば、
次清音字が混じっても不思議はないと思います。
>> #ところが、そう簡単に言えない話なんです。宋史の日本の國名の中の誤字、「通」「彼」
「徂」「麼」「小」「竹」「河」の中で次清音字は「通」だけです。60以上の国名の中で1個
しかないのですから、三国志の30国の中で0個であっても、別段おかしいわけではありません。
まず、7字中1字の次清音は変ではありません。
いい加減な計算をしてみましょう。(次清音が1/4としてみます。)
0個の確率 (3/4)^7=0.1334・・・
1個の確率 7*(1/4)*(3/4)^6=0.3114・・・
2個以上の確率 1−(上を合わせたもの)=0.5550・・・
というわけで、1文字以下の確率は45%なので、変じゃありませんね。
一方、倭人伝での音訳語は146字あるわけですが、何字ミスがあるとしますか?
3割の国名のミスというのは、15%の割合ということですか?
すると146字では22字くらいで、(3/4)^22=0.0017・・・
ということで、まずありえそうにないです。
10文字程度だと、(3/4)^10=0.056・・・
さてどのくらいのミスがあるとするのでしょう?
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