不定期映画鑑賞記

今年は何本の映画を見に行けるでしょうか。
2006-01-13 Friday
銀色の髪のアギト
 劣化ラピュタ。そうとしか表現しようがありません。
 基本的なところはほとんど一緒だし、オマージュにしても力の入れどころを明らかに間違っています。いわゆる「作り手にとっては当たり前だが客にとっては覚えのないこと」という展開のオンパレード。世界観やその中での情勢などあらかじめ楽しむために必須の情報がかなり多いです。未知の世界に放り込まれてその世界ならではの価値観とかをいきなり押しつけられても感情移入なんてできません。
 ドラマとしても非常にお粗末。キャラクターが薄っぺらく何を考えているのかサッパリわからない。いつでも唐突に重要な行動を起こすので見ている側は完全に置いてきぼりです。これも世界観の説明ができていないうちに物語を動かしてしまうから。登場人物にとっては当たり前の選択も見ている側には意味不明です。
 最近の流行りかメインキャラクターたちの声優は俳優や芸人が務めているようなんですが、これが最悪。演技力皆無なので正直、ヒロインの名前を連呼するシーンなど聞くに耐えません。脇役のほうが本職の声優ゆえ明らかにうまいという徹底的な矛盾を制作陣はどう考えているのでしょう。
 音楽もやたらと威圧するような曲が多く、それだけならまだしも劇中の動きに合っていない箇所がいくつも見られるのはさすがにどうかと思います。
 映像的にもイマイチ。デザインはまぁ、好みとしてもCGとの合成が違和感ありすぎです。人物関係のレベルが一定に保たれているのがせめてもの救いでしょうか。
 ネタで見に行くのがせいぜい。気になる程度で見に行くと痛い目を見ます。

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