ファンならば見に行かねばならないこの映画。こんなフレーズのつく作品というのは大概において不幸な事故に見舞われやすい訳で。今年は特にその傾向が強いようでこれで何本目か。そこまで考えた時点でリメイク系で良い思いをしたことがほとんどないという過酷な現実に気付きました。
ということが頭によぎりながら劇場へ。結果としてはジンクスを破れませんでした。取りあえず1本の作品として見るべきかと思うんですが、それでも苦しさは全編にありました。鑑賞中の心理状態は、怒り→呆れ→笑い→悲しみ、とこんな感じでした。
色々ありますが最も大きなのは現代へのリファインがイマイチということでしょうか。完全に今風にするでもなく、あの頃のままでもなく実に中途半端。ショッカーは悪の組織というより新興宗教とテロリストがないまぜになったような、うさん臭さだけが目立ちます。
ライダーにしても同様で変身シーンはないと言ってよく、どう見てもコスプレ。冗談抜きで着替えているという設定なのではないか、という風に映ります。ライダーや怪人の首が常に見えているというのは映像として実に情けないです。1号と2号が素顔剥き出しで殴り合う様も平成ライダーの悪い影響としか。
ドラマとして見た場合、ショッカーと戦うライダーではなく、ヒロインをストーキングする権利を巡って争うライダーと怪人にしか見えないあたり、もはやなんと言っていいやら。
わざわざ盛り込んだバイクアクションも随分とお粗末で仮面ライダークウガがまぐれだったのかなぁ、と思ってしまう出来でした。
耐えることができるなら見に行くべきではありません。ファンであればあるほど。
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