309   らぶらぶ(はぁと)ティータイム(アクトレス)
 
 主人公、木戸鉄也(名字は変更不可、名前のみ可能)の親友徳川は超がつくほどの天才。その親友がアメリカの大学に行くことになった。それはいいのだが、そのことをうっかりバイト先に伝えることを忘れてしまう。
 次の正式な後任が決まるまでの間、なぜか鉄也が喫茶店「ほのか」で代理アルバイトをすることになるのだった。
 
 このゲームどうして買ったんですかね? いえ、後悔している訳でもないのですが、なにぶん不意に購入衝動が沸き起こったのでどうもよく覚えていませんね。衝動買いとは異なるのですが……。
 
 システムは「Piaキャロ」と言っても問題ないかと思います。ファミレスと喫茶店の違いはありますがシステム的にはかなり近いです。雰囲気は180度違いますが。
 通常はコマンド選択式のアドベンチャー。仕事が終わると「Piaキャロ」同様、誰に話しかけるかを選んでイベントを発生させます。「Piaキャロ」とは違って職種やシフトの選択はなし。よって育成要素もありません。 
 ゲーム期間は2週間。なにぶん代理なので申請しなければ(つまりイベントのことですが)、休みはありません。ゲームだからいいですけど、何気にですね。この喫茶店の連中は。
 足回りはイマイチというところ。メッセージスキップは既読、未読を問わずに飛ばし、巻き戻しもありません。セーブは一日の終わりにしか出来ませんし、ロードもタイトルからしか実行できません。平均値をかなり下回ってますね。
 私は回想モードというやつは基本的に使うことがないのですが、それでも主人公の名前がデフォルトに戻ってしまうのはあまりよくないのではないでしょうか。
 
 シナリオは途方もなく終わってます。恋人同士の会話はもちろんのこと、通常会話のぎこちなさと唐突さは業界屈指のハイレベルです。その素晴らしさは「Sweet Pleasure」がまともに見えるほど。
 そもそも登場人物全員が毒電波に犯されているかのようにです。ヒロインたちは人妻も含めてデフォルトで主人公に恋していますし、主人公は主人公で人類愛並みの気安さで節操なく、全てのヒロインに心を奪われます。なぜか、「せつなさ炸裂」という不可思議な単語が脳裏をよぎりましたよ。
 そもそも出会いからバイト終了までの、わずか2週間で4回も情事に至る(ヒロイン1人に限った場合)というのが、全てを表しているような気がします。
 ちょっとルートを紹介しますと、
3日目:ヒロイン里美にモップで殴られて気絶→目覚めてH
4日目:里美の母親、蛍とH(もちろん不倫)
5日目:蛍と食事からの連続技でH
6日目:里美と店で居残りH
7日目と8日目はなにもなし
9日目:里美とH
10日目:蛍とH
11日目:小休止
12日目:里美と蛍が相談して3P、あるいは里美と公園でH
 とこのような流れになります。他のルートがどんなものか想像がつくというものです。 さらに恐ろしいのは、ここまでする主人公が真面目な好青年という設定であること。
 こんな調子ですからシナリオそのものも、ないも同然のいい加減さです。ほとんど外見でしかキャラを区別できません。
 ここまでやられると、もはや笑うしかありませんね。いや、テキストはちっとも笑えません。黒い意味で笑えるだけです。
 
 CGはどうにもアンバランスです。
 ある意味、イベントCGよりも大事なはずのキャラの立ちCGにどうにも愛が感じられません。暗い配色に、にじんだような色使い。明るい色調のイベントCGとは大違いで、とても同じスタッフが作ったとは思えません(実際、原画の方は立ちCGを担当していないのではないでしょうか)。
 立ちCGとは反対にイベントCGは力が入っています。可愛くない立ちCGの合間に見るせいか、大変、魅力的に移ります。
 原画家の千葉千夏氏は新人とのことですが、この先かなりの人気が出るのではないでしょうか。
 それにしても煽情的な体のラインを描かれますね。服を着ていても体のラインは少しも変わることなく、そのままですからね。すけべぃに見える訳です。
 
 音楽はすさまじいゲーム内容に反して実に普通です。曲数が少なめであるため、同じ曲を高い頻度で聞いているはずなのですが、少しも印象に残っていません。
 個人的にはゲーム内容に則した能天気な曲を用意して欲しかったです。
 ボイスは及第点というところでしょうか。特筆するほどいい演技が聞ける訳ではありせんが、不安になるほどのレベルでもありません。このところハイレベルのゲームばかりをプレイしていたので少々、採点が辛くなっているかもしれません。
 
 まとめ。あえて分類するならお手軽ゲーでしょうか。「Sweet Pleasure」に比べるとプレイ時間は長めですが、脳みそは使わないんで、ぼーっとしながらプレイしたい時にはオススメです。
 イベントCGが好みで、ツライ出来の立ちCGに耐えることが出来るならいいかと思います。
 お気に入り:あえて挙げれば徳川マリ
 評点:40
 
 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
 
 
 
 
 
 
 
1、長岡里美
 びっくり箱みたいなヒロインですね。何を言い出すか、何をするかまるで予測がつきません。果たして、それを魅力と言っていいんですかねぇ。
 
2、織田かすり
 一体どういう名前ですか? かすり傷?
 着物をきたイベントになんの意味もないあたりがこのゲームらしいです。
 メガネキャラですが、深みがまるでないんで好き嫌い以前の問題。
 
3、長岡蛍
 このゲームで最も恐ろしいお方。実の娘との3Pを望む当たり只者ではありません。ダンナはいるはずなんですけど……。
 料理の腕前を聞いて、「残念ながら」と答えた主人公にいきなりフライパンを握らせたツワモノ。尊敬に値するいい度胸ですな。
 私には人妻属性はないんでよくわかりませんが、貞操観念がゼロの母親ってのは人妻キャラとしてはあまり良くないのではないでしょうか?
 
4、山上育枝
 水泳の日本記録を持つという設定の意味が、プールに行くだけというは恐れ入ります。
 Hシーンの後のデートで、人工呼吸をして狼狽するのはどういう理由からなんでしょうか。さっぱりわかりません。
 
5、渡辺葉子
 隣に住む大学生に色目を使う未亡人、と書いてしまうと身も蓋もありませんね。
 未亡人とはいえ、やはり貞操観念はゼロ。少しは「Piaキャロ」の山名春恵さんを見習って欲しいものです。
 
6、渡辺有紀
 単なるロリキャラ。人妻キャラの娘である魅力はどこにも見当たらず。やはり攻略対象ではないほうがいいのかも。
 
7、徳川マリ
 一人で異世界を作ってます。どうしてオープニングにしか出番のない男性キャラに立ちCGがあるのかと思っていましたが、まさかこういう設定を持ってくるとはねぇ。
 しかし、エンディングには激しく疑問。どういうリアクションをしたらいいのか、さっぱりわかりませんでした。もしかしてこれは感動系のシナリオなのですか?
 
 
 


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