小日向マモル(変更不可)は幼い時に隕石の直撃を受けながら無事だった男として隕石男とそのまんま呼ばれていた。
ある日のこと、2人の少女に拉致されてしまう。連れ去られた先で語られたのは信じがたいこと。マモルをさらったのは宇宙人御一行でおまけに身分は帝国の皇女だというのだ。目的はマモルが持っているとされる聖玉。そう、あの時の隕石こそが聖玉だったのだ。しかも、取り出すには宇宙規模の絶頂が必要だという。かくして皇女4人による仁義なき戦いが始まる。
WHEELのデビュー作はサブタイトル(?)が先に来る変わった名前のアドベンチャー。
購入動機は原画がそこそこ気に入ったのと手軽にプレイできそうな作品だと思ったから。
初回特典はビジュアルブック。早期予約キャンペーン特典はフルカラー下敷き。
修正ファイルが出ています。255MBとかなり大きめのサイズなので修正内容を確認した上で必要なら落とすのがよろしいのではないでしょうか。クリア不可能なバグはどうやらないようです。
ジャンルは微笑ましいまでにいつも通りのアドベンチャー。
足回りはデビューブランドにしては標準クラスというところ。メッセージスキップは既読未読を判別して高速。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能です。戻れる量はそれなりといったところでロード直後は使用できません。
ワイドスクリーンに対応していますが、左右に分割された黒いエリアではクリックが効きません。
シナリオは添え物程度です。総分量がそれほどでもない上にマップ移動時以外のシナリオは共通シナリオなので長文を読むという感覚がほとんどありません。
日常の掛け合いはサブキャラの悪友を中心とした下ネタ重視でほどほどに笑わせてくれます。ヒロインとの絡みはマップ移動の後になるのでヒロイン同士の掛け合いは意外と少ないです。
惹かれ合う過程は期待してはいけないレベル。分量からしてもまともなものを用意するのは無理でしょう。そもそもどういう訳だか4人の皇女さまは最初から主人公にとても好意的です。加えて主人公が聖玉を握っているため立場は上。会話からもそれはハッキリとうかがえてHシーンにも影響を与えています。
誇りであるパンツに関してはほとんどこだわりを感じません。フェチらしいシーンも皆無。馬鹿ゲーとしての期待は懸けない方が賢明でしょう。
なぜだか本作にはエンディングらしいエンディングやエピローグがありません。最後のイベントが終わるとそのままスタッフロール→タイトル画面という感じです。さすがに寂しさは隠せません。
Hシーンは各ヒロイン5〜10回。ただし、徐々にエロ度が増していく構成なので本来的な意味でのHシーンは数回目からとなるヒロインはほとんどです。尺はシーンによってまちまちですが全体的に見ると短め。ハーレムルートやその類はありません。
CG。Hシーン偏重のため気づきにくいですが、イベントCGは差分抜きで79枚と2009年製作品でなくともかなり寂しいです。1枚1枚の出来が良いからこそ残念に感じます。
立ちCGは基本カットこそイベントCGに負けないクオリティーなのですが、そこから変化する喜怒哀楽の各表情がどうも奮いません。得手不得手の問題なのかもしれませんが、一段レベルが低く感じられました。それとHシーンに活用されない衣装があるのも少し疑問に感じます。
HシーンはCG単体でもエロ度は十分すぎるほど高いです。ただし、シチュエーション的にやや偏りがあってコスプレ系は全くと言っていいほどありません。
音楽は主張が乏しくあまり印象に残りません。全体的には緊張感が少なくのんびりした感じです。企画に相応しい世界観の一翼を担うくらいの勢いのある曲が欲しかったところ。
ボイスは主人公を除いてフルボイス。双子姫は少し拙いように聞こえますが、それがキャラの特性に合致している感もありちょっと面白いです。それ以外は問題なく高レベルで安定しています。
BGVがややうるさめです。ささやき声を発している時でもお構いなしなので不自然に感じることも。
まとめ。馬鹿ゲーの皮を被ったエロ重視作品。ボリュームが少なめなこともあって息抜きに最適です。可愛い絵柄ですがエロ度も高いですし。ただ、馬鹿ゲーとしての素養も感じられただけにそこはもったいない。コストパフォーマンス的にもちょっと誉められません。
お気に入り:ミリア・ド・アークアデア、リレット・オルトフォン
評点:65
以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
1、フローラ・ド・アークアデア
長女(お姉さん)キャラって苦手なのが多いんですけどフローラさんはなぜか平気でした。保健医ポジションもあまり好きではないんですけどねぇ。どうしてでしょ。まぁ、あまり深いキャラ描写がないのも要因かとも思いますけど。
胸が宇宙的癒しの対象ってすごすぎます。
2、マリア・ド・アークアデア
最初はボイスが苦手だったんですけどねぇ。聞いている内に戸惑った時の声なんかは好きになってました。なんか笑えるんですよねぇ。
キャラ的には実質ツンがないも同然のツンデレさんなのでどうにもこうにもといったところです。まぁ、そうと感じなければ終盤の違い過ぎる態度も違和感がなかったんでしょうけど。
3、ミリア・ド・アークアデア
おとなしいわスタイル抜群だわ、とマリアがいなければ確実に苛められているでしょうね。そんな彼女ですが、見るところは見ているのでマリアと足りないところを補い合う関係になっているのは面白い。顔に似合わずエロいのも特徴ですか。
4、エレナ・ド・アークアデア
レインのせいでどうも存在感が薄い。物理的にも半分なのが痛いところ。毒舌キャラなのに登場頻度が低いってのもツライ。「ロリコンにしてあげる」発言はすごかったんだけどねぇ。
5、リレット・オルトフォン
思い出の少女であることをもう一歩うまく使えていなかったように思います。ちょっと引っ張り過ぎかなぁ、と。状況から主人公に気付かせた方が良かったのではないかと。まぁ、思い出の少女がマゾだったというのはすげぇインパクトですけど。いい娘だけど思い知らされる度に切なくなるよねぇ。
本作と直接の関係はありませんが、「W.L.O世界恋愛機構」で沖田恵という同じ夏野こおりさんが声優を務めるキャラが攻略できなかったのでなんかリレットの存在が無性に嬉しく感じました。髪の毛の色も同じですし。
6、レイン
単純な悪役でなかったのは良かったと思いますが、その分だけ深みがなくなってしまったのが素直に残念です。なんか魔界人の方が目立ってましたからねー。
|