工藤真(変更可能)は結婚式場に勤めるカリスマブライダルコーディネーター。ブライダル界の寵児と呼ばれる彼の悪癖は担当した新婦の弱みを握り、手をつけてしまうこと。そんな真の本性も知らず、その手腕にのみ期待して複数のカップルがやってくるのだった。
ちぇりーそふとのあきら師匠の許から葵羽鳥氏に続いて独立したタカーキ氏原画のデビュー作。師匠の絵柄の影響をばっちり受けることを除けば原画家(独立)を目指すにはいいところなのかもしれませんね。
発売日にスルーして後から買った理由はただひとつ。私の個人的お気に入りである「Sweet Pleasure」と同様の評価を多くのページで受けていたからです。それがどのような評価かはご想像におまかせします。
システムは最近、減ってきたような気がする場所選択型のアドベンチャー。もちろん文章中にも選択肢は配置されています。脈々と受け継がれる完全解答という名のヒントも健在です。
ただ「Sweet Pleasure」では一日一回選べば問題なかったのに対し、今作では5回も選ばなくてはなりません。どのみち同時攻略出来ないことを考えると、この方式は無駄であるように思えます。5回に対応したイベントが用意されている訳でもありませんしね。
足回りも伝統と呼びたくなる仕上がり。メッセージスキップも巻き戻しも問題なく行えます。まぁ、それほど使う機会はないような気がしますが。
シナリオは「Sweet Pleasure」に比べて紙一重。傲慢でやりたい放題の主人公という点は共通しています。しかし、天然であるかどうかが違います。「Sweet Pleasure」の主人公は自覚のない変態であるため、その言動はどこか滑稽ですが、今作の主人公は自覚のある変態であるため、そういった面白みはありません。
その設定上、他人の女に手を出すという構図になってます。ですが略奪愛(?)が好きな方にはあまり薦められません。それは新郎のキャラデザインが非常に適当であり、たいがいはヒロインが結婚に対して初めから疑問を感じているからです。そのため奪い取るという感覚が希薄。加えて主人公は最終的にヒロインが婚約者と結婚しても気にしません。手さえ出せれば後はどうでもいいからです。
CGはかなりクセがあるかと。どうもヒロインたちの頭頂部が妙に平たいというか、潰れているように見えます。立ちCGにおいて特に顕著。実のところ、これが理由で初めは回避しました。
イベントCGにどういう訳か、ヒロインを左手から見た全く同じ構図が存在しています。よほどキャラの描き分けに自信がなければやるべきではないように思います。というか一体何の効果を狙ったCGなのかさっぱりわかりません。正直、これのせいで(余計に)全て同じ顔に見えてしまうのですが。
音楽は必要最低限の曲だけ作ったという印象。悪くはありませんが、同じ曲を同じ使われ方しかしないので非常に飽きやすいです。
まとめ。似て非なる姉妹品。個人的に魅力を感じていたお手軽度は低め。かといって遊び応えがある訳でもありません。笑いを誘うテキストでないのも思った以上にキツかったです。絵だけで買わせるにも弱いかと。
お気に入り:残念ながらなし
評点:52
そんな訳なのでキャラ別感想はなし、ということで。
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