107   コズミックマン(創美研究所)
 
 21XX年。この時代、地球には多くの宇宙怪獣が飛来していた。しかし、その怪獣に対抗するかのように正義の味方も飛来していたのだ。頻繁に繰り返される、正義の味方と怪獣の戦闘。
 それも今では地球連邦が設立された地球防衛機構、通称CATの速やかな住民避難処理活動が功を奏し、今では人的被害はほぼ皆無に近い状態にまでなっていた…。
 主人公は「火事場ドロボー」世間的には悪人と呼ばれる種類の人間。今日も怪獣地域へ仕事に向かう主人公。そこで怪獣との戦闘に負る星人に遭遇、その力を受け継いでしまいます。
 彼はその力で地球を守る見返り…「女と金」をCATに要求します。堂々と、自分が星人の力を受け継いだ事を明かし、欲望のままに進もうとする彼にどんな結末が待っているのか…?(パッケージより抜粋)
 
 「ぱちもそ」でスマッシュヒットを飛ばした創美研究所の新作。正直、前作「姫裸」はかなり厳しい出来だったのですが、今作はシナリオが「ぱちもそ」と同じ方だということで購入することにしました。
 
 昨今のゲームにはもはや初回特典も同然ですが、今作にもやはりバグが付属しています。幸か不幸か発売日に修整ファイルがアップされています。まぁ、それほど深刻なバグではありませんが、一応あててからプレイしましょう。
 
 システムはアドベンチャープラスシミュレーション。アドベンチャーパートは話数仕立てで全13話。一話あたり1〜3回シミュレーションパートが入ります。
 シミュレーションパートはやや変わっています。ヘックスの代わりにスクエアが使われたマップ画面。なんだかファミコン時代を思い出します。このマップは固定画面なのでスクロールすることはありません。よって非常に狭いです。
 敵味方共に行動力というものが設定されていて、これがなくなるまでは全てのコマンドを何度でも繰り返すことが出来ます。
 この行動力ですが、他のゲームでも時折、見られます。しかし、今作の場合は微妙に意味が違います。普通のゲームならユニット一体ごとに設定されているでしょうが、今作では自軍全体に共通で設定されているのです。つまり、全ての行動力を一体のユニットが独占することも可能なのです。
 ちょっと考えてみればわかるかと思いますが、この行動力システム、なにかおかしくないですか? なんだか途方もない矛盾を孕んでいるような気がします。
 加えて自軍の敗北条件はコズミックマンの死亡ですから、敵がコズミックマンだけを狙ってきたら100パーセント敗北するという素敵ルールです。後述するルールのせいもあって守りようがないんですよ。言い換えれば敵が間抜けでなければ絶対に勝てないんですから。もちろんエロゲーですから難易度は基本的に低いですが。
 戦闘で攻撃されるとユニットは後方に弾き飛ばされます。で、後ろにそのスペースがないとより多くのダメージを受けるという仕様になっています。なんだか格闘マンガでおなじみの、攻撃を受けると同時に自ら後ろへ飛んでダメージを軽減する、みたいですね。戦闘機も同じことしますけど。
 他にもサポートするヒロインによって異なる支援効果があったりしますが、基本的に同行するヒロインを選ぶことは出来ませんので戦略的な意味はありません。
 戦闘画面みたいなものはなし。画面が切り替わることなく、マップ上で効果音が鳴るのみです。まぁ、このあたりに深く期待する人もいないでしょう。
 足回りに関しては特に不満もないかと。あえて言えば、メッセージスキップをコンフィグで設定せねばならず、解除するにも同じ手順を踏まねばならないことくらいでしょうか。
 戦闘シーンの方では、コマンドの使い勝手に改善の余地があったのではないかと思いますが。ちと使いにくいです。
 
 シナリオはまさに「ぱちもそ」に続くぱち系第二弾。店頭でパッケージだけ見ると勘違いする人が続出ってあたりも継承してます。
 当ページで冒頭のあらすじをパッケージなどから抜粋するのは理由がある場合のみです。で、読めばわかるかと思いますが、鬼畜凌辱系のゲームにしか見えません。おまけに「地球を守るのに見返りは当然だろう?」とか書かれてます。普通、これで後半は純愛コースだとは思いませんよ。
 主人公は不幸な生い立ちの持ち主なんですが、ちょっと拗ねが入っているだけでどう見ても悪人ではないんですね。命令出来る立場にあっても、相手が嫌だと言えばなにも出来ませんし。そんな主人公ですから割合、あっさりと改心してしまう訳です(そもそも改心ですらない?)。
 ここまで書いてきて気がつきましたが、もしかしたらこのシリーズは純愛とエロの両立を密かに目指しているのかもしれません。堂々とそれを謳っているメーカーよりもうまくいっているような気がします。
 今作はシミュレーション要素が入っているためか、ヒロインごとのシナリオ変化はほとんどありません。「ぱちもそ」に比べるとシナリオ的な深みに欠けるのが残念です。
 あと○ルトラマンが好きな方なら怪獣一体ごとに特別なエピソードがあって……、というのを期待されるかもしれませんが、そういったオムニバスタイプの構成ではありません。
 
 CGは枚数少なめではあるものの、かなりエロ重視であるかと思います。ヒロインは全員、複数回のHが用意されてますし。個人的には怪獣関係のCGがほとんどないのが残念です。もう少し特撮モノっぽいネタやCGがあると良かったかなー、と。
 立ちCGは各キャラ1種類。ただし、これを縮小したものが、フェイスウインドウとでもいうべき位置にあり、多彩に変化してくれます。その種類や表情に不満はありませんが、なぜこういう仕様なのかはよくわかりません。立ちCGをそのまま変化させても良かったのではないでしょうか。
 
 音楽は実にソレッぽい仕上がりです。特にムービーの曲は強くそれらを想起させます。
 なぜか音楽モードがありません。こういうのは忘れずにつけて欲しいものです。
 忘れてはならないのがボイス。創美研究所では初の実装です。残念ながらHシーンのみですが、ないよりは遥かにいいかと思います。次回作はぜひともフルボイスでお願いしたいところ。
 声優陣のレベルもなかなか高いです。クレジットがないのではっきりとはわかりませんが、どうもどこかで聞いたことのある方が多いような気がします(エロゲーで、という意味ですが)。自信がないんで明言は避けときますが。
 
 まとめ。肩の力を抜いて楽しむゲーム。「ぱちもそ」好きな方、大作ゲーに疲れた方にオススメ(ファミ通っぽく書いてみました)。
 お気に入り:神崎麗美、宮田理緒
 評点:67
 
 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
 
 
 
 
 
 
 
1、宮田理緒
 基本の立ちCGの表情がちょっと怖いです。瞳がやや縦長だからかなぁ。
 真のCAT隊員であることをさっ引いても、すっとぼけたところが結構、可愛いです。
 おにいさんが好きだと思って…、と巫女服を用意するあたり実にナイスです。よくわかってらっしゃいます(笑)。
 
2、香山佐智子
 所詮、メガネですから……。とコメントしたくなる悲しいキャラ。キャラ紹介の書き方がいかにも意味ありげで期待しただけに、落胆も大きかったデス。「ぱちもそ」のベニーみたいなキャラかと思っていましたよ。とほー、な感じ。
 
3、麻生真由美
 作戦司令室でH。このネタでこのシチュエーションに敵うものはないのではないでしょうか。しかもモニター関係全開ですからね。
 
4、神崎麗美
 ん〜、気のせいか露出度が低いような気がします。好きなキャラだけにちと残念。
 天才帰国子女でありながら子供っぽいというのはある意味、反則です(いや、まぁ、年齢もそれほど高くないんでしょうが)。
 よもや「月陽炎」に先んじて賽銭箱Hが拝めるとは思いませんでした。
 
 そういや今頃、気がつきましたが創美のゲームってヒロイン少ないんですよねぇ。  


前のページ 目次 次のページ


| ホーム | サイトマップ | 更新履歴 | 徒然なる日記 | 不定期映画鑑賞記 | ゲーム感想 | 気になるタイトル | リンク |