新ビジネス巨大産業の出現。
多品目を大量に供給、顧客のニーズつかむ。
花苗産業界が盛況である。昨年の市場取扱高は年間170億円と花卉全体の3%に過ぎないが、年率2桁の成長は伸び悩みの花ビジネスの中で突出する。追い風は最近のガーデニングブーム。
消費の裾野を広げながら、今後花苗ビジネスを押し上げることは確実である。数年後には1千億円に迫るとみられる成長分野に、産地や企業が参入を試みる。
埼玉県羽生市の水田地帯の一角に、5ヘクタールの広大な土地が広がる。首都圏の花苗産業としては最大規模となる、農事組合法人・ハイフラワーの拠点農場となる。
■ 年間600万ポット
同法人は97年秋に立ち上がるが、8月末から部分的に生産を始める。3年で同県内の主力産地・鴻巣に匹敵する年間出荷量600万ポットを目指す。
首都圏の平均的な花苗専業生産者の年間出荷量が20万ポットなので、一気に巨大産地が出現することになる。
農場の三分の一を占める16連棟(1棟間口7m、奥行き45m)のハウスと専用の作業棟が近々完成する。作業棟には、1時間に2万ポット処理可能な移植専用の栽培ラインを設置。国内第一の設備となる。パンジーやマリーゴールドを中心に約70品目を栽培する。大規模生産でホームセンターや顧客の要望に答るとしている。
■ 低コスト化が急務
規模拡大によるコストダウン効果も狙いで、花卉業界では年々価格が低下していいる。従って、コストを下げることによって
競争で優位に立とうという経営戦略。
1996年の花壇用作付け面積は816ヘクタールで前年比12%増である。
=1997/08=