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ひとくちメモ


科学サイエンス
「海藻から燃料」


物の大切な働きは、大気中の二酸化炭素を吸収し、光合成で酸素を作り出す。この働きによって、大気中の二酸化炭素や酸素のバランスが保たれている。

地球上の森林を大切にしなければならないと言うことは、重要なことである。

ところで、二酸化炭素を吸収し光合成に関係するのは、陸上の植物たけではない。広い海洋に大量に生育している海藻にも、光合成によって酸素を作りだす働きがある。

この働きを利用して、大気中の二酸化炭素を海藻に吸収させ、それから重油に近い燃料を作り出す研究が進められている。

海藻にはいろいろな種類があるが、この研究では「ナノクロリス」「ドナリエラ」という、高い塩分濃度や雑菌に強い緑藻が使われている。

まず、緑藻を水槽で強い光をあてながら培養し、二酸化炭素を吹き込む。すると、光合成によって緑藻の中の二酸化炭素が有機物に変わる。この緑藻を250℃に加熱し、50気圧の圧力を5分間加えると、緑藻の中の有機物の半分近くが重油に似た油になる。

この油は、軽油やガソリンの原料として使えるという。この緑藻を大量に培養して大気中の二酸化炭素を吸収させれば、大気中の二酸化炭素の増加を防ぎながら、燃料を作れるようになる可能性が大きい。

=1997/04=



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