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ひとくちメモ


地球サイエンス
「梅雨前線と雲の動き」
 ヒマラヤ山脈・チベット高原が関係


月になるとどうしてじめじめした雨の日が続くのか。日本の上空にはいつも強い西風の偏西風が吹いている。

冬の間はこの偏西風は日本のはるか南を吹いているが、季節が暖かくなってくると、南から少しづつ北上する。

4月ごろはインドから台湾付近を吹いている。5月〜6月になると更にインドの北側にあるチベット高原あたりまでくる。このチベット高原は偏西風より高い所にあるため、高い山を越えることができず、風はチベット高原の北と南の二手に分かれてしまう。

二手に分かれた偏西風は日本のはるか東の海上で再び合流する。この時に、北海道の北にオホーツク海高気圧ができる。この高気圧は冷たく湿った性質を持っており、北海道や東北の太平洋側に冷たい風を送る。

日本の南東海上には夏の太平洋高気圧があって、オホーツク海高気圧と日本付近でぶつかって、日本の上空に梅雨前線を作ることになる。チベット高原がなければ梅雨がなく、かえって水不足になる虞もある。

 

梅雨前線と雨

梅雨前線が日本海に北上し、強い雨や弱いこぬか雨を降らす2種類がある。

空を見ると低い雲が飛ぶような速さで南東から北西に動いており、その黒い雲が通る時に強い雨を降らせている。

1つは乱層雲である。この雲は下から見ると雲の形はわからないが、ゆっくり東から西へ移動することが多く、灰色の空から絶え間なく雨が降ってくる。

一般に低気圧が日本の南沖を通る時、日本の中部や南部の地方では、広く乱層雲に覆われる。この場合、雨のやむことは期待薄で小降りを待つしかない。日本列島西南部九州から関西地方、関東、東北地方と移動することが多い。

2つ目は積乱雲である。夏の雷雨の時や日本海を通過する低気圧に伴う寒冷前線の近くで発生し、雲底の雨雲が激しく動いているのが見える。

寒冷前線は移動速度が速く、強い雨が短時間に降るのが特徴である。

=1997/04=



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