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農園芸情報


植物サイエンス
「植物のキズ薬」


物の体のしくみは非常に巧みにできていると言われている。

私たちの体は気温が高くなると、汗を出して自然に体温を調節する。また、怪我で傷ついた時、血が出るが、大きな傷でなければ自然に血が固まって傷口をふさいでくれる。

血液の成分には、血液を固まらせる性質をもったものが含まれていて、体中を循環する血液も、傷口から血管の外に出ると固まってしまう。

これは、人間さま用です。ところで、植物の場合も葉が切れたり枝が折れたりすると、そこから一種のタンパク質を出して傷口をふさぎ、病原菌の侵入を防ぐ働きがある。傷口が大き過ぎてこの修復が十分でない場合は、この植物は枯れてしまう。

農業生物を研究している農水省の生物資源研究所は民間の化学会社と協力して、植物が傷付いた時に、その傷を治すタンパク質を作り出す遺伝子を研究し、それだけを「より分ける」ことにに成功した。

研究によると、植物の一部が傷つくと1分という短時間のうちに遺伝子が働き始め、リン酸化酵素と生理を活性化する物質を作った後、タンパク質が合成されて傷口をふさぐ働きを示す。

この技術が実用化できれば、植物の傷や病害を防ぐ新しい農薬を作り出せると考えられている。

=1997/04=



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