液体、気体の両方を併せ持つ流体をいう
水は零度以下では氷になり、100℃以上になると蒸発して水蒸気になる。温度によって、氷のような個体から液体、気体になる。
ただし、正確には状態を決めるのは温度だけでなく、圧力も関係する。
周りの気圧が1気圧よりも高くなると、100℃以上になっても沸騰せず水蒸気になりにくくなる。
この場合、さらに温度を上げなければ水蒸気にはならない。このように、水は高温高圧の下では気体と液体の両方の性質を持つ状態を持つことが知られている。二酸化炭素も同じような状態になる。
このような、液体と気体の性質を併せ持つ変わった流体を「超臨界流体」と呼び、有害物質を分解する場合に優れた働きを果たすことがわかった。
水のような液体は物質をよく溶かし込む。それが同時に気体の性質を持てば、自由に流動して他の物体の中に浸透し、溶かし込んだ成分を効率よく抽出したり、分解したりすることがてせきる。
化学工場から排出される有害物質の処理には有機溶剤などが使われており、環境汚染の恐れがあった。
しかし、水や二酸化炭素を使えば、環境を汚すことなく、これまで分解しにくかったダイオキシンなども分解できるので、工業技術院の研究所が関係企業と協力してこの超臨界流体の実用化を進めようとしている。
=1997/04=