また終点まで来てしまった。
とは言っても昨夜よりは当然時間も早く当然帰りの電車はある。何十年か前の新興住宅地は開発に失敗してしまった為に寂れており、駅の設備も整ってはいるが自動改札を頼りにしていて恐らく駅員が一人はいるであろうが無人に等しい。無責任な観客に見られながらの四度の射精に体力を奪われふらつく身体を無理矢理動かし、蜜はホームへと出た。午後の中途半端な時間帯は寂れた住宅街は閑散としており秋風が微かに吹く中、誰の気配も感じない。
帰りの電車の時間を確認する余力もなくベンチにぺたりと座り蜜は項垂れる。露出してしまっている服を整える余力もない少女の瞳に、だらしなくスカートの上から引きずり出されているブラウスの裾や昨夜からの噛み痕吸い痕に紛れて先刻つけられた真新しい痕が映る。――もう消える事はないのだろうか?そもそも人間は一日に何度の射精が可能なのだろうか…触れられもしない透明人間などと言う不条理な存在には何もかもが通用しないのかもしれない…。
「あ、のっ!」
不意にかけられた声に、蜜はのろのろと顔を上げた。蜜より小柄な学生服姿の少年が真っ赤にした顔を背けながら、白いハンカチを差し出してくれている。
「顔…拭いてください!」
「え……?」
「……。僕、勇気がなくて…お姉さん困ってるけど皆にやにやしてるし撮影してるし、お姉さん泣いてるのに止められなくて、ごめんなさい……っ!」
わざわざ水で濡らしてくれたのか重く湿ったハンカチを受け取ろうとして、蜜は手がぷるぷると震えてそれを受け取れずに泣きそうになる。この件で誰かの親切に触れるとは思わなかった…友達の心配は体調不良へのものであり人知れずの凌辱に気付いた人間は皆知らぬ振りかそれに便乗して蜜を犯すかしかなかった。感謝していいのか見ないでと言うべきなのか思考が飽和状態になり、呆けてしまう蜜の瞳から涙が落ちた。
「お、お姉さん……?」
「ごめんね。嬉しい」
膣内射精だけでなく浴びせられた精液が垂れて顔から胸までをべっとりと穢されたまま、蜜は泣き笑いの表情をしてしまう。こんな優しい人もいる。自分が困っていると判ってくれる人がいる。そう判ると涙が溢れて止められない。精液と愛液と汗に塗れたままひっくひっくと泣いてしまう蜜に何と声をかけていいのか判らない様子でしばし困惑した後、少年はそっとハンカチで蜜の頬を拭った。それは不慣れでぎこちなく、だが心根の優しさが判る丁寧な動きで、徐々に蜜の泣き顔は感謝のものに変わっていく…だが疲れ果てた身体は動いてくれない。迷惑をかけない為にハンカチを受け取って自分で拭いたいのに……。
不意に、手が動いた。
「――!」
大きく瞳を見開く蜜と、急に自分の手を掴んだ蜜に驚く少年の視線の先で、少年の手に白い手が重ねられ、そして握り込み、動く。蜜の力が殆ど入らないまま。
むにゅりと、蜜の下腹部へと少年の手が招かれ、そして、重ねられた指に押し込まれ、精液と愛液に満ち直前までの淫行によって緩み切っている膣口へとぐじゅりと沈み込む。
「ん……はぁ……っ!」
まだ蜜の身体は凌辱の余韻から全く抜け出てはいなかった。だから、声が溢れてしまう。車内では極力堪えてこらえて、そして堪え切れなくなり透明人間の都市伝説を扱う下衆な番組か流行に乗ったアダルトビデオの撮影だと思い込まれる中精魂尽き果てるまで犯され続けた身体は、刺激に従順に従ってしまう。
「お姉さ……ん!?」
ぐちょっぐちょっと少年と蜜の華奢な二本の指が操られるまま遠慮のない動きで膣内を荒々しく犯し、蜜はベンチの上でびくびくと身を震わせて弱く首を振りたくる。無人のホームで蜜の膣に指を招かれた少年の身体は引き寄せられたままバランスを崩し剥き出しの乳房の間に顔を埋める形となり、そして、決して蜜のものでない何かがその後頭部を抑え、動かし、少年の口を精液塗れの乳房と乳首に押しつける。んっんぐっと詰まった声が聞こえる中、蜜の膣を犯す指は徐々にリズミカルなものへと変わっていき、むんと濃い性臭が漂うベンチの上で、少年の顔が赤く染まっていく。豊満と言って過言でない上に濡れている乳房に顔を重ねられては窒息させてしまうのではないかと頭の隅で考えながら、蜜は鳴き咽ぶ。もしかして少年の頭を動かしているのはそれかもしれない。だが、押しつけられた唇が乳首を擦るその刺激はいやらしく、そして二本の指が?き乱す牝肉は蜜の疼きを決定的なものにしていってしまう。
「お姉さん……っ、ボク……」
何かを言いかけた瞬間、少年の口が蜜の乳首を含んだ。ねちょっれろっといやらしい、だがどこかぎこちない動きの舌が蜜の乳首を舐め回し、そして少年の指がぐいぐいと膣内で暴れる…まるで少年が自ら蜜を弄んでいるかの様に。
誰も見ていない、誰もそこにいない、誰も触れていない筈の中、少年の制服のスラックスのファスナーが下ろされ、まだどこか幼い…だが十分に機能を有しているであろう性器が露出する。昨夜のサラリーマン達と比べては気の毒な初々しい色合いのそれが淫らに見悶える蜜の前でじわりじわりと勃起し、先端から先走りの汁を垂らし始めた。
「お姉さん…だめだよ……、お姉さん……っ」
違う、と言いたいのに蜜には喘ぐ事しか出来なかった。蜜一人を犯しているには不十分な刺激が、何をしているのか判っている気がして、そして、何が起きるのかはもう判ってしまっている…諦めてしまっているかもしれない。
ぺたりと尻もちをついた少年の上で、蜜の身体がぎこちなく動く。脇の下に手を通す様に下ろされていくその下には、蜜の濡れそぼった膣口の真下には、少年の可愛らしい若槍があった。小さく可愛らしいと思うのは失礼だろうが、だが親切な少年がこれから受ける恥辱に蜜は壊れた様な引き攣った笑みを浮かべてしまう。ねっちょりと膣口から垂れる粘液が少年の性器に延び、濡らしていく。
「お姉さ……!」
くちょっと音を立てて、少年のものが蜜の牝肉へと埋もれていく。びくんと身を震わせた蜜は、驚きに瞳を見開いてしまう。何だろう、これは。指よりは確かに大きい。だが、足りない。くちゃっくちゃっくちゃっくちゃっと余韻も与えられず揺さぶられる腰の奥で少年のモノが蜜の膣を擦りはするが、それはあまりにも刺激が薄かった。嘘。嘘。少年の初体験を恐らく奪ってしまった罪悪感よりも自分が感じてしまう物足りなさに蜜は顔を引き攣らせる。確かに未経験ではなかった。だがこんなに淫らな比較を実感させられてしまう程乱れてはいない筈だった。それなのに。
「――ん……ひ……ぃっ!」
不意に、蜜の膣がごりっと広げられた。来た。電車内でも散々味わわされたあの剛直が少年のものと重なり、蜜の牝肉を一気に犯す。漸く膣奥までを貫かれ、蜜の身体が少年の上でびくびくっと痙攣する。腰が抱えられている。それは少年と重なりながら、蜜の身体を荒々しく揺さぶりだし、激しく突き上げ続けたかと思えば膣奥に傘の先端を押し当ててごりごりと腰を擦りつける。無人のホームの上で、少年の腰に跨った蜜は操られるままに淫らな腰を振り続け、思いもよらない刺激に我を失っているのか大きく口を開いてびくびくと全身を震わせる若い精液が、蜜の膣の半ばで何度も迸る。同時に犯してはいるものの蜜の牝肉は確かに少年のものを擦り、撫で回し、そして受け止めさせられた精液は猛々しい牡槍の激しい抽挿に掻き出されていく。
寂れた住宅街の、折り返し用のホームに久々に電車が滑り込んだ頃には、ホームには下半身を剥き出しにして呆然としている少年しか残されてはいなかった。
その傍らに、濡れたハンカチが落ちていた。
■透明人間おまけのおまけの派生の余韻
少年はその人の名前を知っていた。来年受験する高校の副生徒会長。以前から電車で見かけて憧れていたその人に奪われたモノがずきずきと疼き、少年はトイレの中で自らのモノをしごき続ける。もう一回射精している…いやあの人の中で三回は射精している…何て事だろう。物静かで何の物思いに耽っているのか判らない憧れの人は、あんなに淫らな身体をしていた。
何度夢想したか、夢精もしたし使ってしまいもした…だが、あの乳房が、そして、奥に秘めたあの場所が、悩ましい程の圧倒的な魅惑の牝肉が、全身から余韻が離れない。
「お姉さん…蜜さん……っ…、蜜さん……っ!」
荒々しい息遣いをしながら擦っていたその先端から白濁液が飛び散る。実は自宅の場所も大体判っているのは沿線住人である賜物だった…だから会う機会はある。裏切られた気はする。とてもいやらしい身体つきはしていたが浮世離れした空気の清楚な人だと思っていたのに、その人は自分の乳房に少年の顔を埋めさせ、あのとても淫らな乳首を咥えさせる淫蕩な人だった…だがあの駅の中の痴態は、何だったのだろうか?まさか皆が言っていた透明人間、は流石に有り得ないだろう。
もしかして生徒会の仕事の疲れが溜まってストレスでおかしくなっているのかもしれない。それが捌け口を求めているとしたら…。
「僕が…助けてあげなきゃ……」
はあっはあっと荒い呼吸を繰り返しながら少年は性器を擦り続ける。若さに任せた射精の回数は元から多い。
人前であんな真似が出来る人ではない、電車の飛び込み自殺なども多い路線で虚ろに泣く蜜の泣き顔を想像し、少年はひたすらに擦る…だがそれは初めて憶えたいやらしい牝肉の温かさやうねりとは程遠く、苛立つ様に少年は乱暴に擦る。どうしようもなく性欲が支配する事があると、今実感している。そして憧れの人は自分に身を委ねてくれたではないか、あれ程に。
そして少年は、また精を放つ。
憧れの人の牝肉の中に放ったものよりも薄くなった液体が、駅のトイレの壁にびちゃりと弾け、だがそれは何度も繰り返し壁を汚していった。
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73『透明人間とのイメージ画像』
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