マットとバスタオルの上で桃花の身体はゴム毬の様に弾んでいた。
大人数用のプールテントの薄いシートだけでは硬かったその床にヨガマットより厚い樹脂製のマットとその上にバスタオルが敷かれているお陰で、激しく打ち下ろす様に青年の強直を受け入れさせられていても身体の痛みは少ない。少ないが故に、まだ処女喪失をして間もない少女は純粋に自分を穿ち続ける男性器を味わい尽くす事になってしまっていた。
仰向けに横たわっていた身体は両腿を押し上げられ背の大半が床から浮いた状態になり、左右に大きく広げられた脚の付け根で、まだ破瓜の血を含んだ薄紅の潤滑液に塗れた桃花の下腹部の底に青年の赤黒い幹がずぶずぶと沈み込んでいく。屋外のプールの陽光の眩しさが和らいだテント内だが、そこは夜の寝室の様な密やかな光量には程遠く、異性との濃厚な交際に縁遠かった少女は初めての異性との交合を翻弄されながら見させられていた。
『目ェ逸らしたら即中出ししちゃうからね』
もう一人の青年に既に膣内射精をされ、その後さして間も置かず桃花と青年の精液と愛液と破瓜の血が混ざった夥しい潤滑液に濡れた膣に怯んだ表情もせず犯しながら命令をされ、少女は羞恥に塗れながら自分の犯されている姿を泣きながら、鳴きながら、見てしまっていた。
陽気な音楽が大音量で流れているプールサイドのテントの中に、ぐちょぐちょぬぽぬぽと淫猥な粘液音が鳴り響き、そして、桃花の乱れた呼吸が混ざる。後背位だけで桃花の処女を奪った一人目とは異なり、二人目の青年は時折体位を変えていた。一人目が性交で手を抜いていたのではないが、二人目は執拗に桃花の反応を探りながら犯しており、僅かな強弱の差、角度の差、緩急をつけながら少女の身体が淫らな反応を強めるとそこを集中して責め立てていく。まだ処女喪失の痛みは抜けきってはいない。だが、もどかしく妖しく疼く場所が確かにあり、そしてそこを責め続けられると堪えられなくなっていく。はぁっとつく吐息が甘く濡れ、命令され結合部を見つめさせられながら、その場所を突かれる少女は生白い下腹部のその奥で赤黒いモノが自分の見た事もない膣内を卑猥に擦るのを想像してしまう。鰓が擦る。鰓。そう…鰓。赤黒い幹のその先の反り返った場所。何故あんな形をしているのかと謎だったが、今なら判る。いやらしい事をする為の構造。牝の弱い場所を淫猥に荒々しく執拗にごりごりと擦りたてておかしくさせる為だけに造られたモノ。
「いく……っ、桃花、また…いく……ぅっ!」
精一杯の抵抗で小さく押し殺した声で男に報告しながら少女は腰をがくがくと跳ねさせながら達して膣内のモノを締め付ける。報告などそんな恥知らずな真似はしたくない。だが命令は絶対だった。言わなければ膣内にまた射精をされてしまう。既にもう射精されている膣内にはどれだけの精子が漂っているのだろう、そう考えるだけでぞくりと緊張し、そして、同時に頭の中がぼうっと妖しく茹だる。
二人目が射精すればすぐにこの場から解放して貰えるのかもしれない、だがビキニのパンティを失った少女が女子更衣室に戻るにはバスタオル一枚でも貸して貰わなければ遊園地併設の大規模リゾートの混雑したプールサイドは一歩も歩けない。彼等の機嫌を損ねる事は出来ない。だから、従うしかないのである。
かしゃりと、音が鳴った。
先刻からずっとスマートフォンで桃花の痴態は撮影されていた。動画も静止画も。それだけは止めて欲しいと何度も哀願したが彼等は止めない。もう何十枚撮影されているのか、その幾つかは見せられていた。
健康な女子高生として桃花にも少しは興味はあり、それでも密かに躊躇いながらインターネットなどで見た性交中の女性の姿はどこか気まずい羞恥心を煽るものだった。だが、スマートフォンの中の桃花は……、
いやらしかった。何枚もの静止画が進められる度に、徐々に悦びを覚えていっていると判る。苦痛に歪んでいた顔が、ぎこちない媚びを帯びていく。――嫌がって、いない。
はあっと大きな声が迸りそうになった口を、一人目の青年のモノが塞いだ。頭を抱える代わりに両方の乳首を強く摘まんで引っ張られ、口内をみっちりと充たす傘に桃花はむしゃぶりつく。乳首を強い力で抓られる度に身体の芯が熱く重く痺れる気がする…乳房の形が歪む程強く引かれ、上半身と下半身が別々に支配される。口を塞がれていなかったらどうなっていただろう。喘ぎ。そう、自分が漏らしてしまう声から逃れようと、それを防いでくれるモノに縋る様に、桃花は口腔を犯すモノにひたすら舌を這わせ自ら頭を動かす。何かしていないと狂いそうになる。
結合部だけでなく少女の口でも沸く淫蕩な水音が四方にメッシュ地の窓を持つプールテントの中に籠もり、二人の青年に挟まれた少女の白い身体が壊れた操り人形の様にびくびくと跳ね震える。
帰りたい。帰るには、従わなければならない。早く、帰りたい。
「ももかちゃん、腰をもっと振ってごらん」
青年の声に、桃花は朦朧としながら腰を動かす。性交での腰の動かし方など判らない…そんな恥ずかしい行為は知らないと思う少女の腰は不慣れな拙い動きしか出来なかったが、避妊具を装着していない強直に貫かれたまま白い腰がぎこちなく動き、ぬちゃりと卑猥な音を立てさせながら牡を愉しませる為の動きをゆっくりと繰り返す。動く。膣内で、擦れる。逞しい男性器が、膣内にある。剥き出しで。精子が大量に泳いでいる膣内に、まだ膣内に射精する前の二番目の男の強直が牝肉を貫いている。太い。熱い。ぐぽっぐぽっと音が鳴り、熱く朦朧とする少女の意識が二本の牡に支配されていく。こんな事をしていればまた膣内射精をされてしまうと判っていても、止められない。命令なのだから仕方ない。少女は本能的に口腔にねっとりと絡み付く粘液を嚥下し、腰を振る。苦い。精液の苦みが異常さを実感させ、桃花の膣肉はぐびりぐびりと波打ち牡を奥へ奥へと誘う脈動を繰り返し、白い尻肉と内腿が小刻みに痙攣する。
プールの休憩時間はいつの間にか終わり、プールサイドに上がっていた人々が移動してテントの脇を通り過ぎていくのを感じながら、桃花は何度目かの絶頂へと自ら腰を振り続けていた。
まだ二人目の膣内射精が終わってもいない中、薄紅の粘液が白い腰から腹部へととろりと垂れていくのをもう一人の青年の腰に顔を埋めながら横目で見る少女の目に、その場に相応しくないものが映った。
髭剃り。いつの間にか桃花の脚を両肩に乗せていた青年は、電池式でない剃刀のそれを手にしていた。
「暴れると怪我するから大人しくしていようね」
ぼんやりと眺めていた少女は、自分の下腹部の小さな茂みにそれが当てられたのを見てびくっと身を強張らせる。ぞり、と音をたてて剃刀が動き、決して広くはない柔毛を剃り落としていく。石鹸等のないまま性交の潤滑液が剃刀の刃を滑らせ、三対の目の視線の先で生白い柔肌の奥底で性器を隠してくれていた柔毛が失われていく中、余りの惨い行為に怯えている少女の牝肉が射精間際ではないかと思える程猛っている牡の性器をぐびりぐびりと悦ぶかの様に締め付ける。
友達と訪れたプールで処女喪失をさせられてしまったとしても、それはまだ友達に気付かれる事ないだろう。だが、柔毛は違う。学校のシャワーを使う時など、見せ合う事はないもののいつ気付かれるか判らない変化に桃花は焦った。止めたい。だが既に剃られてしまった。ぞり、と剃刀が滑る度に薄暗い絶望が意識に広がり…そして、どこかで何かが煮える。暗く妖しい何かがうねる。この青年達は自分をどうするつもりなのだろう。精子が、膣内に漂っている。太い、立派な、剥き出しの男性器が今も膣内を満たしている。硬くて、熱い。ぞり、とまた剃刀が滑る。何故剃るのだろう。変えられていく下腹部の姿。瞳に映る、猛々しい幹。硬くてとても逞しいモノ。膣内も、外見も、いやらしい牝に変えられていく。とぷりと愛液が溢れる。締め付けている。動いてはいけないから動いて貰えないまま、少女の牝肉がびくびくと牡を締め付け、その瞳は剃刀でなく結合部から姿を現している太い幹へと渇望するかの様に注がれていた。
びくんびくんと少女の腰が跳ねるのを青年のもう一方の手が抑え込み、小豆大の突起を避け左右の丘にもうっすらと生えている柔毛をも剃られ、まるで乳幼児の様な無毛の下腹部に仕上げられる頃には、桃花の身体からは剃毛での緊張が抜け落ち、じっくりと味わわされた危うく淫らな絶望感に蕩けきっていた。
ぬぽりと口腔から男性器を引き抜かれ、うっとりとしながら涙を零す桃花は、ふと何かを感じ首を巡らせ、その先の小さな無垢な瞳に愕然とする。
プールテントの左右にある床面から高さ三十センチほどのメッシュの窓は扉と同じ素材で外部から覗かれる事はないと考えていたが、そこに座り込んでいた乳幼児は確かに桃花を、異常な性交に溺れていたその痴態を、じっと見つめていた。
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60『二重のピンチ』
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