「まだこんな所でバイトしてたんだ?」
「帰ってきてる間だけね」
ショートパンツにタンクトップだけの姿で所々に置かれていた風呂桶を拾いながら私は露天風呂の湯船で寛いでいる男に背を向けたまま冷たく返事する。帰省中の習慣みたいなアルバイトももう就業時間を過ぎていて、ついでに利用時間を過ぎた露天風呂を軽く片付けようと思っていたら最悪な事に元彼がいた構図で、しかももっと最悪なのがそいつとの初体験は同じこの露天風呂だった。朝一番に係の人が清掃をするから軽く片付けるだけでいいし、誰もいなければ役得で一風呂浴びようと考えていたのに気分は最悪である。
「――おっぱい大きくなったな。揉ませてる?」
「馬鹿。そんな余裕ないわよ」
「へぇ……」
ぞくりと嫌な予感がして思わず振り向いた私の唇を奴の口が塞いだ。直前まで湯に浸かっていた身体は濡れていて、その腕に絡め取られた私の服がぐっしょりと濡れていく。不快感よりも先に遠慮なく潜り込んできた手が私の乳房と下腹部をまさぐり、タンクトップとショートパンツの下で奴の手がいやらしく蠢き、ちょっと大き過ぎる乳房にぐにぐにと指が沈み込み、そしてショートパンツの中で指先がクリトリスを捉える。嫌だ馬鹿と逆らうものの三年位ずっと奴に好き放題にされ続けていた身体の弱点は全て把握されており、私の抵抗は口先ばかりになってしまう。別れてからずっと面倒くさくて男と付き合っていなかった為もあるかもしれない…嫌、嘘。身体の相性が良過ぎて他の男ともやろうなんて考えていなかっただけ。
それでもまだ照明を落としていない露天風呂で貪られるのは別である。昔は消灯後にこっそり入っていた時にだったし、明るい場所でやるのは恥ずかしいし、まだ営業終了直後で誰が来るか判らない。
「やだ……ぁっ、ばか……っ」
タンクトップをぐいと引き上げられるとノーブラだった私の乳房がぶるんと大きく弾んで露出してしまう。奴の手でも少し余っていた乳房は今はもうそれより育ってしまっていてGカップにまでなってしまっている。いやらしい目で見られる事は多いけれど何故か嫌悪感はあっても恥ずかしさはなかった…それなのに。
「やらしい胸してるなー相変わらず」
奴に見られて揉みしだかれるだけで恥ずかしさに苦しくなる。露天風呂の湯船の縁で照明に照らされながら奴の口が乳首に吸い付き薄鴇色の乳輪ごと歯で軽く削ぎ落とす様に噛まれるだけで、全身が熱くなって膣内が潤みきってしまうのが判る。三年位ずっと抱かれ続けていた身体のスイッチが入ってしまう。ずっと捏ね回されているクリトリスにまで愛液が広がってきて、源泉掛け流しの湯の音と茂みの中の虫の音だけの露天風呂にぐちょぐちょぐちょぐちょと淫猥な音が鳴り響く。嫌だいやだと言い続ける私の唇を時折奴の口が塞ぎ、そして胸板を押し返していた手を取られて、奴のモノを握らされる。大きい。赤黒くてとてもグロテスクでいやらしい…私の胸と違ってこれは巨大化はしないらしい。当然の話。でも、それで十分だった。昔からこれは大きくて、しかも持続力が洒落にならなかった。
抵抗している筈なのに力が入らない私の身体が床に転がされ、赤ん坊のおしめを変える様な簡単さでショートパンツが脱がされる。濡れてる。ショートパンツの底の部分が愛液をたっぷりと吸って私の下腹部との間に太い糸が幾筋も垂れる。いつもこう。奴がする気になれば私はどんなに嫌がってもやられてしまう。ずっとずっと満足させられるまで、どんな体位でも、飽きる事なく。ショートパンツとタンクトップを濡れた床に放り出し、奴がいきり勃つモノに手を添えて下腹部の谷間をぬろりと撫でるだけでねちゃあっと卑猥な音をたてて夥しい愛液が奴の長い刀身に絡み付いて糸を引いた。嫌だ。大学に行ってる間はこんなにすぐさま濡れる事なんて一切なかった。こんな恥ずかしい女じゃなくなってたのに、奴が近くにきただけで発情してしまうなんてあんまりだった。
「やぁ……んっ、ばか……避妊具、つけてっ」
「風呂に持ってきてる訳ないだろうが」
ぐいと奴が切っ先を下げる。とても勢い良く跳ね上がるからちょっと力任せにやらないと赤黒いモノは水平線より下を向いてはくれない。ぞくぞくと全身がざわめいて泣きそうになる…知ってる、これからどんなに凄い事をされてしまうのか私は知ってる。馬鹿みたいに、ずっと、犯される…可愛がられる。
もう何ヶ月もの間それを迎え入れていなかった膣口がぐびりぐびりと蠢いているのが自分でも判り奴を睨みつける。無駄な抵抗。抵抗ですらない。傘を押し当てられた瞬間、床の上でびくっと全身が跳ねて、自然と腰を突き出してしまう…奴が挿入し易い様に。
顎が外れるのはこんな感じなんだろうか、いつもそう思っていた通りに、巨大な傘が膣口のくねりを強引にこじ開けていく。大きい。はああああああっ!といやらしい声が露天風呂の湯気に溶ける。ずぶずぶと膣を犯していく奴のモノの熱さと硬さに全身が激しく痙攣して、仰向けの乳房が上下左右に跳ねまくる。
大っ嫌い。
そう思いながら、たった一突きで、私は達してしまっていた。
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42『朝早くに目を覚ましたら』
FAF201910160009