2022余所自作113『全ての装備を失って』

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 さぁっと音を立てて細かな雨が降っていた。
 魔物の大量発生の討伐は恐らく失敗に終わっただろう…帝国辺境の駐留騎士団はアイリス達傭兵団が到着した時には既に壊滅状態に近かった。ゴブリンにオークにオーガにトロール…一目見ただけで勝ち目がないと判る異常な数の侵攻だった。これは逃げた方がいい。逃げなければ殺される。辺境の民の安全を担うのは騎士団の仕事であって傭兵の仕事ではない、ましてや前金なしの緊急依頼であり、何より命あっての物種だった…良心は咎めても、そこで英雄気取りで無駄死にをするのは辛いしそもそも帝国には運悪く立ち寄っていただけである。住民とて逃げればいい。伝令役の少年が集落へたどり着けたかは、判らない。既に騎士団が避難の指示を出しているかもしれない。
 敗走中にレイピアは折れ、皮鎧は酸に溶かされ火に炙られ、気付けば服までほぼぼろ切れになっていた。奇跡的に身体には傷一つないのがどこか滑稽で、矢で頭を射抜かれた仲間の最後の姿を思い出し、アイリスは壊れた様に虚ろな乾いた笑い声を漏らす。それも疲労と喉の渇きでひゅうひゅうと掠れた弱いものである。情けない。
 赤ん坊の頃に親代わりの団長夫妻に拾われて十六年。荒くれ者達の中で育てられてそれなりに剣の腕を磨いたつもりだったが、頼もしい仲間は恐らく全員死んでしまった…槍で突き刺されていく仲間の一人が崖の上から川へと突き落としてくれたから、生きている。三つ年上の気のいい戦斧使いだった。多分、お互いに好いていた…男と女として。接吻一つ交わした事がなかったが、最年少な上に女の自分を揶揄って酔い潰そうとする仲間からいつも自分を庇ってくれて、気付くと酒場のベンチの上で膝枕で寝ている事が多かった。
 もう細い帯状で所々繋がっているだけの服は身体を隠す機能などなく濡れて絡み付く邪魔な存在でしかない。人の気配などない森の中、アイリスはぼろ切れを剥ぐ。拾われた時に持たされていたらしい大粒のスターサファイアの首飾りは肌身離さずにいたが、それも何処かに落としたらしい。
「変だよね…髪は切られても燃えてもいないよ…、喜んでくれるかな…?気に入ってくれてたよね……」
 戦斧使いの苦笑いを思い浮かべながら長い銀髪を一房撫でた瞬間、アイリスの赤い瞳から涙が零れ落ちた。
 今は逃げるのが、生きるのが優先だ。自分を庇ってくれた大好きな戦斧使いに報いる為にも。

 戦場からそう離れた場所ではない集落は焼け落ちていた。止まない小雨が炎を消してはいたが、焼けた臭いはまだ重く漂っている。目に見える傷はないが足をくじいたらしく片足を庇いながら裸足で歩くのは辛い。それでも何とか移動していたアイリスはいつの間にか集落からそう離れていない岩場の陰で眠っていた。
 たし、と乾いた様な音に漸く目が覚めた時、アイリスは自分の腰に何かが触れているのに気付いた。反射的に払いのけようとした少女は、ぬろりと下腹部を滑るものに衝撃を覚える。ぐちょっぐちょっぐちょっぐちょっとどこか粘着質な水音を立てているのは少女自身の下腹部であり、そして自分の下腹部を浅ましく舐め続けているのは人より大きな黒犬獣だった。ただの犬ではない。魔物の一種である。だがまともな生き物ではなく、呪術的な存在で召喚された使役獣だと聞いている…それが自分の下腹部を舐めている。
 呪術には疎いが生贄などの悍ましい儀式があるのは知っている。だとすれば自分はこの黒犬獣に喰われるのだろうか…確かに処女だから生贄には向いているのかもしれない、だが死にざまとして戦いで死ぬのではなく獣に喰われるのはあまりにも情けない。せめて目つぶしなり何なり一矢報いて…そう思った瞬間、黒犬獣が微かに唸った。
「――っ……!」
 口元から唾液とそれだけではない粘液でだらだらと濡らしている大きな獣の威嚇の唸りを聞いたアイリスの身体が固まり、そしてどくりと身体の奥底が熱くうねる。食い殺されるならいい。まだマシだろう。だが、違う。この呪術の犬畜生が望んでいるのは、それとは違う。アイリスの赤い瞳に映ったのは、黒犬獣の性器だった。猛っている。自分自身は処女ではあるがどうしようもない仲間連中が見せつけてきた朝の生理現象の勃起ならば見た事がある…それですらきつそうだなと思ったが、黒犬獣のモノはそれよりも遥かに大きく太い。長大な肉槍は赤褐色と灰色の中間であり黒い毛並みの中ではっきりと浮かび上がっている…そして根元が丸く膨らんでいる。呪術的存在の生態など知りもしないがもしかして牝に飢えているのだろうか、だとすれば滑稽な話である。人間と目の前の獣ではサイズが異なる上、犬と人で子供が出来るなど聞いた事がない。オークなどの人の形状に近い怪物は人間の女を孕ませて繁殖すると聞いたが、犬では話にならない。そう妙に冷静に思えるのはアイリスの身体が硬直している為かもしれない。現実感が薄い。無駄に頭の中が空回りし、そして身体は……。
 全裸で横たわっていた少女を黒犬獣の鼻面が押し、転がして岩場の隅に押し付ける形で体勢を変えさせる。それは、尻を高く突き出した四つん這いに近いものだった。
 ぐちょっぐちょっと再び黒犬獣の舌がアイリスの下腹部を舐める…いや下腹部ではない。明確にそれは膣口を中心に舐め、そして舌を捩じ込み始めていた。
「や……だ……ぁ…っ」
 ぞくりと少女の全身が鳥肌立つ。いつから舐められていたのか自分の膣口が迎え入れる為の準備を整えさせられているのを本能で気付かされる。悍ましいと感じるのに、既にそれは快感として植え付けられてしまっていた。犬の舌が処女の牝肉にぐちゅりと突き立てられる。んはあっ!と驚きの声をあげてしまうが、それは痛みや違和感よりも妖しいもどかしさの方が強かった。滅茶苦茶な早さで動く舌が男を知らない少女の膣に捩じ込まれ、引き戻されてはまた抉じ開けていく。人の舌より大きな舌が、抉る。乳房は既に立派な女性として誇れる大きさではあるものの豊かな銀髪の様に生えてはくれなかった下腹部はまるで幼児の様に一筋の柔毛もなく丸見えだった。その丘の奥、ふっくらとした丘を抉じ開けられている淡い色の粘膜の谷間の底の処女地の孔に、大きな黒犬獣の赤い舌がずぶずぶと押し込まれていく。鼻面を押し付けて限界まで差し入れられた舌はアイリスの処女膜を破り、無垢な膣奥にまであっさりと辿り着いてしまっていた。大きな舌で抉られる激痛はある、だが、黒犬獣から溢れる妖気が痛みの大半を鈍らせ、そして悍ましい疼きへと摺り変えていく。
 ぐちょっぐちょっと舌に抉られる度に理性が削られ、アイリスの白い肌に汗が浮かび上がる。腰を高く突き出し犬に捧げる体勢のままの少女の瞳から涙と唾液が零れる。犯される。犬に犯される。今でさえ人の性器くらいの舌でぐちょぐちょと抉られている自分の処女地に、犬の性器が捩じ込まれる。犬の精液を流し込まれる。自分の処女を犬に捧げる事になる。こんな岩場で、犬に自ら腰を捧げる様な体勢にさせられて。犬にのしかかられて巨大な犬の性器に貫かれる想像をした瞬間、孤独な少女の全身がどくりと鳴った。それは考え付くべきではなかった。身体が黒犬獣の妖気に侵食されている状態に精神が引きずられていく。狂気の淵に追い立てられる様に少女の中が呪術的な黒犬獣と人間との交わりに染められ、岩に立てる爪が震え、まだ愛撫を知らない乳首がクリトリスが硬くしこり全身が鳥肌立ちながら、少女の膣奥からは滾々と愛液が溢れ出す。
「いやあ……っ、いや……いやぁ……」
 泣きじゃくるアイリスの腰がかくんかくんと前後に揺れる。まだ男と結ばれた事のない処女が犬の舌を悦ぶ様に白い腰を振っていた。女戦士と言うよりも銀の巫女と呼ばれる方が似合う長い銀髪に赤い瞳の少女が黒犬獣に牝肉を舐られながら白い身体をくねらせる背徳の光景の中、徐々に少女の声が甘い悩ましさを増していき、そしてそれは牝の喘ぎへと変わっていく。
「ぁ……!い…やあぁぁぁぁぁぁ…っ、おかさない……でぇ……っ、いやぁ……っ、ぁっ…あぁ……」
 ぐちょぐちょと掻き混ぜられる黒犬獣の唾液と少女の愛液で白い腿と腹部と胸までがぬるぬるとぬめりを帯びていく。異常な分量だった。武術で鍛えてはいても所詮まだ未成年の乙女の薄くしなやかな腹部が快楽にびくびくと痙攣し、犬の舌に翻弄される腰はまるでもっと快楽をせがむ様に弧を描く。妖気に飲まれた少女は、滅茶苦茶な早さで動く犬の舌に繰り返し抉られ、絶頂を迎える。
 そして、犬が少女にのしかかってきた。
 人間とは異なる切り落とした断面の様な切っ先が犬の舌で抉られ続けぽっかりと孔を広げているアイリスの膣口に当てられ、小刻みに揺らされる。
「ひ……ぁ……!」
 人間ではあり得ない素早い動物の腰遣いで膣口をくじられ、びくんと白い身体が跳ねる。妖気にあてられ異常な交わりに順応させられつつあっても鍛えた男の腕よりも太く長い黒犬獣の肉槍を迎えるには処女肉は辛い筈であった。だが、魔物の舌で解され続けてしまった少女の牝肉は、最初その切っ先だけを迎え入れるのが精いっぱいの状態から小刻みに繰り返される異常な速度の抽挿に屈して少しずつ奥へ奥へと獣の牡肉を迎え入れていってしまう。白い身体の奥の淡い粘膜の谷の底に、赤黒い獣の肉槍が埋もれていく。いやいやと喘ぐアイリスのその膣内には既に黒犬獣の精液がどぷどぷと注がれ始めている。犬の精液は交尾の最中も作られ続けているが魔物の黒犬獣もそれに類するのであろうか、これから悍ましく長大な肉槍を迎え入れる処女肉への前触れの様にただの生き物の精液ではない妖気の籠った精液が、犬の精子が白い身体の女の腹の奥で泳ぎ出す。
 生物的にもサイズの合わない犬に圧し掛かられ、四つん這い、いや腕を伸ばす事も出来ずに頬と肩と乳房を岩に伏せているアイリスの肩の上に黒犬獣の前脚が突かれ、前へと逃れる事も出来ない少女と獣の結合部からぐちぐちぐちと忙しない抽挿の音が鳴り響く。普通ならば裂けてもおかしくない少女の膣口は何故か犬の肉槍に身体を順応させられそれを受け止め、そして人間としてあり得ない長大なそれをゆっくりと迎え入れていく。白い腹部が犬の肉槍の切っ先の形に突き上げられ、大量の精液が膣と子宮に溜まっていく。
 本能が泣き叫んでいる。この交わりは人間の尊厳を根こそぎ奪っていくものだと…自分はただ犬に犯されるのではなく、何かを孕まされる。それが同じ形の犬の子であるとか限らない、生き物であるかも判らない、ただ、少女は腹の中に出されているこの熱い大量の精液が人間である自分に悍ましい何かを孕ませるものだと生理的に感じ取っていた。嫌いやと泣き叫び喘ぐアイリスの膣内で奥へ奥へと黒犬獣の肉槍が押し込まれながら小刻みに激しく前後に擦り上げていく。ごつごつとした肉槍に浮かぶ血管が牡を覚え始めたばかりの牝肉を押しやりながら滅茶苦茶な動きで揺さぶり荒れ狂う。徐々に言葉が減り、ただ異常な快楽に絶叫してよがり狂う嬌声だけに変わっていく。
 圧迫されきった結合部からは小刻みな激しい抽挿もあってか大量の精液とそれと比べれば少ない愛液の混ざった粘液がどろどろと溢れ出し、元から濡れていた白い身体が黒犬獣の精液の臭いで染められていく。
 やがて長大な肉槍全体が白い身体の押し込められ、その極太な幹の根元にある肉の瘤が、少女の膣口に押し当てられた。呼吸をするのもやっとの銀の髪の少女の唇がはくはくと揺れ、逃れる事を封じられている身体に犬が背を丸め更に白い女体との結合部へと腰を送り出す。互いの性液でぬるぬるに濡れた大き過ぎる肉瘤が押し付けられても簡単には挿入されない…当然である、既に黒犬獣の肉槍の時点で妖気で異常をきたした少女の膣口は限界なのだから。それなのに犬は腰を使い続ける。人間の少女の白い身体を抱え込む様に犬の巨体が圧し掛かり、赤黒い巨大な肉瘤がぐいぐいと無理矢理な力で押し付けられる。
 膣も子宮ももう犬の肉槍と精液で一杯だった。それなのに犬の瘤を押し込まれる意味は何なのかをアイリスは知らない。一度押し込まれた犬の瘤は長い時間抜けずに完全に膣口に栓をして大量の精液をただひたすら流し込まれ続けるのだと。今でさえ膣と子宮を満たしている精液が、完全に孕まされるレベルで注ぎ込まれるのだと。黒犬獣の生臭い、いや獣臭だけでない異常な悍ましい圧迫感に包まれる少女の腹の中で、魔獣の精液がどぷどぷと流し込まれ続ける。今はまだ膣奥から迸る熱い精液がその大量さに比べれば僅かずつながらに結合部から溢れているが、肉瘤を膣口のくねりのその奥に填められた時から、逃げ場はなくなる。
 少女の腹の中の若い卵子に群がろうとする夥しい精子が既に受精させ異形の何かへと変質しているかもしれない。卵子は一つだけではない。若い身体には順番を待つ卵子が幾つも存在する、それら全ての数を犯し孕ませてもなお余る魔物の種が処女を失ったばかりの少女の腹の中でうようよと泳ぎ、傷一つない白い柔肌の腹は、黒犬獣が突き上げる間だけでなくはっきりと長大な肉槍の形が浮かび上がっていた。それが動く。忙しない前後動が脈動よりも早くぼこりぼこりと跳ねあがる。
 んぁあああっはあああああっいひぃっひぁああああああっ。暗い色の岩の上で巨大な黒犬に圧し掛かられた白い身体が震え、少女の口から唾液が、赤い瞳からは涙がとめどなく溢れ、初々しい下腹部からはだらだらと魔獣の精液が溢れる。恐らく少女の肉を裂いてもよいのならば肉瘤は簡単に押し込められるだろう、それは孕ませる牝を殺さない知性を黒犬獣が持ち合わせているのを意味しているのか、ただの偶然かは判らない。だが情を交わす男女の様にじっくりと相手の身体が解れるまでの時間をかける配慮は感じられなかった。裂ける。裂けてしまう。限界まで広がっている筈なのに更に抉じ開けようとする肉瘤に生命の危険を覚えている筈だが、アイリスはただひたすら犯される異常な快楽に鳥肌立ちながら妖気に塗れた肉槍に溺れていた。
 やがて、ずぶりと少女の膣口のくねりを抉じ開けた大き過ぎる肉瘤が膣内に収まり、黒犬獣は腰を激しく揺さぶるのを止める。
 人外の快楽に頭の中が弾け飛んだアイリスは大きく口を開けたまま、もう戻ってこれそうにない激しい絶頂に浚われ、惚けた顔で細い声を漏らし続けていた。元から長大過ぎる黒犬獣の肉槍に限界を超え切っている筈の異常な深さまで膣を押し広げている上に、新たに作られ続けている熱く濃厚な精液を一滴も漏らすまいとする肉瘤が膣口のすぐ内側で栓をし、びくびくと壊れた人形の様に痙攣を続ける白い腰周りが、黒犬獣の牡に犯され孕まされる女の生存を主張していた。
 普通の犬の交尾でも小一時間は続き途中で肉瘤が抜ける事はない。
 呪術的な存在である黒犬獣の肉瘤が抜けたのは、その主が深夜現れる寸前まで、アイリスが目覚めた朝から半日以上経ってからだった。

 しゃらんしゃらんと、少女の首に飾られた大粒のスターサファイアの首飾りの鎖が馬車の振動の度に涼やかな音を立てる。
 輝かしい神獣ではなく魔憑きが何代も交配を続けた結果巨大化した獰猛な漆黒の八脚馬が引く馬車が何台も続いた後の、目立つ馬車にアイリスは乗せられていた。
 蹂躙された帝都で辛うじて息を潜めて魔族の入場を憎しみと絶望の目で見ていた帝国の民は、唐突に紛れた様な屋根もない馬車の上にいる少女に息を飲む。王族の証である銀髪に赤い瞳の少女が全裸で馬車に乗せられてる。首には皇太后の肖像画で有名な宝石だけが飾られ、誰もが幼い頃に行方不明になっていた末姫だと直感させられる少女は、帝国民によく見える様に遮る物のない黒い椅子の上で白い脚を限界まで左右に開かれ女性器を晒す体勢で固定されていた。虚ろな表情は理性を手放しているのかどうかも判らない少女だが、注視するのも憚られる姿の中、ぼこりぼこりと動く臨月の妊婦よりも遥かに大きく膨らんだ腹だけがその惨めな生存を告げていた。だが白い腹部に浮かび上がる蔦模様の様な青黒い痣は何なのだろう、血管とも見えなくもないものが浮かび上がる腹部は侵略者である魔族の王に見初められての友好的な婚姻の結果の懐妊にしては禍々し過ぎる状態だった。望まれて嫁いだ花嫁にしては惨めな、悪鬼に孕まされた村娘よりも惨い姿の帰還の姿に帝国民達は言葉もない。
 不意に、一筋の矢がアイリスの額に向かって放たれたがそれは見えない障壁によって弾かれ、僅かに遅れて通りに面した高い位置の小部屋の窓辺から血と脳漿が弾け飛ぶ。
 記憶にない故郷の大通りを進む馬車に揺られる少女の豊かさの増した乳房の頂からはたらたらと母乳が垂れて腹部へと伝っていく。その身体は初々しい女戦士のものではなく異形のモノを孕んだ哀れな人の女だが、母にはまだなれていない少女の膣口は、黒い椅子の上で物欲しげにくぱくぱと蠢き続け前夜も注がれ続けた精液が溢れかえっていた。腹の仔に悪い長大過ぎる肉槍の黒犬獣との交わりは途絶えていたが、交尾可能な時期は、いやその前からずっと犯され続けている少女は一日として牡と交わらない日がなかった。
 どの様な仔が産まれるのか憂鬱に案じる思考はもう残されていない少女の中で、悍ましい濃密な妖気を纏った子が早く産めと言わんばかりに腹を蹴る。

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