《次はー××駅ー次はー××駅ー》
いつも通りに電車の扉のすぐ隣の席に座っている男は漏れ聞こえてきたアナウンスにイヤホンを通勤鞄に仕舞い込み、軽く右手を動かしてみた。××駅は田舎から首都圏を結ぶこの電車の中でも有数の乗り換え駅であり乗降客はかなり多い。尤も席に座っている男にはあまり関係のない話だが、だが乗客の変化は重要だった。
強冷房車の扉が開き勢いよく乗客が吐き出され、そしてそれより大勢の乗客が怒涛の様に押し寄せてくる。その中で、扉と座席の間の僅かな隙間にちょこんと入り込んでくる小さな姿があった。
【おはよおございます】
有名市立小学校の白い制服姿のその少女は周囲のサラリーマンの二の腕程の身長しかない。栗色の明るい髪は軽い癖があり、大きな瞳は澄んでおり純粋無垢と言う表現が相応しい可憐な少女だった。
【おはよう】
互いに唇の動きだけの挨拶の後、くるりと少女は男へ背中を向ける。名前も何も知らない間柄だが背中を向けるのはやりとりの終了ではない。周囲の大人達は小柄な少女を一応認識してか押し潰さない様に注意をしながら、だが各々スマートフォンを手にゲームや動画やニュースチェックなどの自分の世界に埋没し始め、そして男は手を動かす。
小さな腰だった。成人女性の腰と比べるまでもなく小さな腰もそれを包む制服も何もかもが小さい。背負った革のリュックが金属の手摺に重なりほんの少しだけ出来ている空間に男は手を伸ばし、そっとスカートをリュックとベルトの間に挟みこむ。露出した白地にピンクの水玉模様の下着は子供らしい厚みのあるものだが、一つだけ普通と違う場所がある。可憐な尻肉の奥底の一部だけ、それには穴が空いている。当然少女が今日一日履き続けはしない。駅で履き替えるまでの特別な下着だった。
窓の外を眺めているフリの少女の頬が僅かに赤い。そっと下着の上から谷間を撫で上げるとびくんと華奢な身体が震え、そして、僅かに、ほんの僅かに、少女の尻肉が左右に揺れる。大振りな鞄を膝に置き右手を周囲から隠した男はゆっくりと少女の尻肉の谷間を繰り返し撫で続けた。変態の下着である。以前男か密かに切った下着を自ら密かに洗って繰り返し穿いてくる少女が淫乱な大人の女の様に思え、男は少し口の端を歪める。確かに汚れた下着を穿き続けるのは嫌だろう、だが、汚させる下着で準備してくるのは、清純なその外見に似合わな過ぎて笑いが込み上げてくる。かたんかたんと揺れる車内で少女の腰が左右に蠢き、やがて谷間にぴったりと下着を食い込ませている指を小さな尻肉が愛らしく挟み込んで扱く。
意図して、下着の裂け目を強く引っ張っては戻し淫猥さを咎める動きを繰り返す男に、ちらりと見た少女の頬が更に紅潮する。滑らかな、柔らかな上質な餅の様な柔肌の底は、小振り過ぎる尻肉と違って骨張って硬い。そっと蝶の羽化を手伝う様に下着の切り口を剥ぐと、少女が緩く甘い息をついた。まさに蝶の羽化である。蛹から蝶に変わる、その手伝い。
「――ぁ……」
切り口のすぐ内側に、小さな孔がある。男の指が潜り抜けるのは不可能ではないかと思える程小さな、綺麗な小振りな皺の寄せられた孔。生きているのだから排泄行為は当然ある筈だがまだ幼い身体は幼女愛好家のモノどころか揃えた指3本すら受け入れられないのではなかろうか。そっと皺の一つ一つを愛でて確かめる様に指先でゆっくりと撫でると、びくびくと少女の腰が前後した。それは幼いながらに誘惑している動きではなく、刺激に反応した無意識な痙攣だった。
《むずむずするの……》
以前一度だけ人身事故で最寄り駅までの輸送の後の空き時間に駅のベンチで話した舌足らずな少女の感想を思い出しながら、男は皺を執拗に撫で続けては敢えて指を離し小振りな尻肉を撫で回す。少女が焦れた様に腰を突き出してくる度に指を皺へと戻し、そして気紛れに尻肉へ戻し撫で回す。時折皺を伸ばす様に指で孔を広げると、少女の横顔が蕩ける。とんと指先で尻肉をつつくとそれに気付いたのか少女が周囲に見られない様に小さな身を更に縮込まらせた。だが濡れた瞳はとろんと夢見心地だが切なげなもので、それが男をちらりと盗み見てくる。
孔に添えていた中指をくい、とほんの僅かに押し込む男に、少女の孔がひくっと引き締まり、そして弛む。
たった1センチにも満たない前後動をじっくりと繰り返す男の鼻を、不意に少女の甘い匂いが掠める。じわりと汗ばむ柔らかな肌の匂いは石鹸の匂いに近い筈だがどこか乳くさい。まだまだ子供。だが、男の指先を全身で味わおうと敏感になっている気配は既に女のものだった。
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08『(無題)』
FAF201908210005