prologue
1998年12月、私は初めてブラジルに行きました。この日をどんなに待ちわびたことでしょう。
本来ならば11月に出発する予定だったのですが、2日前になんと歯の具合が悪くてキャンセルするという私の人生の中で前代未聞のパニックから1カ月、大量のバファリンと共に無事、再出発を遂げることができました。
今回、私が訪れたのはボサノヴァ発祥の地であるリオデジャネイロと、独特の音楽文化を育くむ町・サルヴァドールです。
日本のちょうど裏側に位置するブラジルは真夏で、クリスマスの雰囲気と来年のカーニヴァル
へ向けての意気込みの兆しなどが見え隠れするちょうど良い時期でした。
イグアスの滝やアマゾンもいいけど、かねてよりこの2都市へ行きたいと思っていた私はそういうツアーも探しては見たのですが、そんなのはまず見当たりませんでした。
もちろんリオへ行くのはたくさんあります。でも自由時間がほとんどなかったり移動も専用バスでなんだか行った気がしないようなものばかり。一度参加したヨーロッパツアーのあまりのハードスケジュールに懲りていたので、なんとかフリープランでの旅行を考えました。
そこで自力で行くには語学をなんとかせねばということで、ブラジル・ポルトガル語を勉強しながら、また、先立つものの準備ということで貯金をしながら行ける時期を狙っていたのであります。
出発のめどが立ってきた頃、南米取扱のあるの旅行手配会社8社へまずは電話で問い合わせをしてみました。
が、中には「リオからサルヴァドールまで飛行機が飛んでいるかわからないので調べますからちょっとお待ちください」などと寝ぼけた事(ンなわけあるか!)を言い出す会社や、「サルヴァドールはちょっとよくわからないので...」とか「危ないのでお薦めしません」という所もあって、話になったのは半分の4社のみ。
そこでこのまともな4社にまったく同じ私の考えたプラン(まぁプランといっても、往復の航空便はヴァリグ使用で指定ホテルの予約代行といった簡単なもの)をファックスし、見積りをとりました。
そして私のブラジル関係友達の推薦や、自分での手応え等を総合し、対応の親切・迅速・丁寧度を比べた結果、私は東京のツニブラトラベルさんにお世話になりました。ブラジルへ自由旅行をお考えの方はココのH氏をぜひお薦めしますよ。
4社の内でも、費用の差はなんと10万円近くもありました。
ツニブラさんが一番安くて親切だったんですから迷いませんよね。
そして予約。だいたい3カ月前にいつも海外旅行の予約をしている私なんですが、
今回はCD制作などの予定がどんどん押していたので、1カ月半前くらいになってしまいました。カーニバルの時期じゃないしと思ってちょっと油断してたのも事実です。
ところがブラジルってけっこう混んでるんですよ。ちょうど夏になって気候がよかったのも
あるのでしょう。あらら...という感じで面くらいました。
それで飛行機がキャンセル待ちになったり、ホテルがとれなかったりで何度も
スケジュールの調整をせざるを得なく、あげくの果てには2日前にそれを全部キャンセルしたのですから、旅行会社にはホント迷惑をかけてしました。
本来ならばやっぱり3カ月前から予約をした方が確実に思い通りのプランが実現しますから、それをおすすめします。
また、大好きなブラジルとはいえ、考えてしまうのが空路。
どんなにがんばってもコンコルドでも飛んでもらわない限り、ブラジル・サンパウロまではまる1日=24時間かかります。
まずはロスまで12時間。(正確には行きは気流の関係で早く、約9時間ですみます)
ロスでは給油、乗務員の交代、旅客の乗り降りなどで1時間半ほど待合室で待たされます。
私が乗った土曜日発のヴァリグ航空は今はもう無き日本航空との共同運行で、通称ジャリグと呼ばれてるとか。帰りはユナイテッド・エアラインとの共同運行でした。
そしてさあ後半戦です。サンパウロまでの約12時間に挑みます。
もともとサンパウロに用のある人はいいですが、そうでない人はまたそこから国内線に乗り換えて飛行機です。この時点でもう夜昼どころかすべての時間の感覚は失われ、かなりきつい状態。
私は機内で6時間くらいは寝てたのですが、下をむいたりうなづいたりすると頭がグワワヮ〜ンとしてめまいがしました。
勢いでサルヴァドール行きに乗り、ホテルへ着いたのは昼の1:30頃。
それから街へ繰り出すこともできたのですが、なんせ拘束時間を含めたら1日半に及ぶ空の旅...とてもそんな元気はなかったです。
歯もじんわり痛み出したこともあり後々のことも考えてその日は休養と決め、すぐに眠ったのはいうまでもありません...
さて、話は変わってブラジルの通貨はレアル(Real)です。
ポルトガル語の発音だとヘアウという感じになり、1ヘアウの時だけヘアウで、2以上は複数形でヘアイス(Reais)となります。その下はセンターボで、1R=100Cです。
私が滞在した1998年12月現在では、だいたい1ドル(120円前後)が1.10〜1.15ヘアイスでしたので、1R=\100くらいでしょうか。
物価はサルヴァドールが若干安めかなという感じはしましたが、リオは東京とあまり変わりませんでした。やっぱり都会だからかな。 ブラジル経済は色々大変みたいですが、早く落ち着くといいですね。
それから今回の旅でどうしてもゆずれなかった事...それはホテルのロケーションです。
目的がかなりハッキリしていたので、どうしても何がなんでもそのホテルをとれるようにスケジュールも合わせました。
というのも、観光するために行く所というのはだいたい最初からわかっている訳だし、毎日
そこまでタクシーやバスに乗るのなら、少しでも目的地に近くて、安く移動できる方がいいに決まってますよね。
また、ブラジルは治安の面でお世辞にもいい国とはいえませんし。
ブラジル・フリークの方々は多少安い所でも大丈夫でしょうが、初めてならそれなりに良いホテルへ泊まる方が余計な心配をしなくてすみます。
という訳でサルヴァドールは『トロピカルホテル・ダ・バイーア』、リオでは『ソル・イパネマ』に宿泊しました。
『トロピカルホテル・ダ・バイーア』はセントロ(町の中心地)に一番近い5ツ星ホテルで、
『ソル・イパネマ』はイパネマ海岸沿いにある4ツ星ホテル。どちらもスタンダードに宿泊しましたが、サービスも内装も充分満足の行くものでした。
それでは続きは第1部にて!
**第1部 リオデジャネイロ編**
**第2部 サルヴァドール編**
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