最近、新型車のカタログに「今までのヘッドランプより明るさをアップさせた新型ヘッドランプ装着」といった表記を見かけるようになりました。
「新型ヘッドランプ」とは、ガス放電式ヘッドランプのことです。放電灯という意味からディスチャージヘッドランプとかキセノンガスを利用することからキセノンヘッドランプと呼ばれています。
特長は、「青白いほどの真っ白くて明るい光」です。車に興味のないひとでも「ひとめ」でそれとわかります。ヨーロッパでは数年前からポルシェやベンツなどに装着されていました。
日本でも
大型トラックに装着されたのを皮切りに、新型車にも装着が始まりました。
以前の日本ならば、認可まで4〜5年かかっていたのでしょうが規制緩和の影響か、わずか数年で認可されました。消費者にとってはうれしいことです。
原理としては、競技場の照明や灯光器などに使われているガス放電灯と同じです。ここ数年ABS・エアバッグなどと同様に新しい安全装置として新型車に装着され始めています。
従来からヘッドランプに多く使われているハロゲンランプに比べて電気エネルギーを光エネルギーに変える効率が高いため、約3倍の明るさを持ちながら小さい消費電力ですみます。
また、より広い範囲をより明るく照らせるうえ、光の色が太陽光に近いので夜間の視認性が向上します。
プロジェクター型ヘッドランプ
ハロゲンランプを使いながらも映写機のように光を集中させやすくしたもの。外形が小さいのも特長。
そもそもヘッドランプの役割は「照らし出す」という「照明」以外に他車に対して自車の存在を「知らしめる」役割もあります。
プロジェクター型ヘッドランプは、構造上「見る角度」によっては、他車から認識されにくいという致命的な欠点があります。
結局、あまり普及するにはいたりませんでした。上記の欠点を考えると交通安全上好ましいことだと言えます。
=1997/12=