ラストはPS2版の時と同じで向坂環。
あー、もう2回目なんだし別にいいでしょ? とか思いながらクリックしておりました。正直、気乗りがしませんでゲームを初めてもすぐ止めたり、モニターの前から離れてみたりと怪しい行動が多かったです。そんな訳でせっかくここまで時間を計っていたのに最後に来て果たせず終いでした。まぁ、私の場合はトータルで52時間とかそれくらい?
真面目な意味での感想はPS2版の時に書いたもので全部という感じなんでそれ以外を少し。
まず大前提として実姉を持つ身として、このシナリオ2回目はキツイです。わかりきっている内容というのがこの場合はたまらなく嫌になるというか。Hシーンがあるのもこれに限っては逆効果。
主人公のアンタ、意図的にやってんのソレ? とか聞きたくなるほどわざとらしい言動は初回は耐えられても2回目は厳しすぎます。主人公は鈍感ではあっても天然ではなかったはずなのにこのシナリオに限ってはスパークする天然バカという感じです。また、その態度にあっさりダメージを受けるタマ姉がなんというかあまりにも作り物めいていて。株価暴落。
Hシーンは委員ちょと共通、かな。同じ課題を持って原画家が挑みました、といった空気を感じます。正直、スタイルを有効的に示せたCGとは思えませんでした。
プレイ中に危なかったこと。
シナリオを進めている途中で「パルフェ〜ショコラsecond brew”Re−order”〜」が発売になって中断、例の新作体験版の方を先にプレイしてました。この時、「パルフェ」本編の方もインストールして立ち上げチェックまでしました。そして、何気なくスタートしようとしている自分に気付いて慌てて止めました。もしも、「パルフェ」2回目とか始めていたら「To Heart2 XRATED」は年が明けても放置されていたと思います。どう考えてもあっちの方が楽しいですから。間違いなく帰れなくなります。
げんしけん7巻。
なんとも気になるところで終わっていますがそれはまぁともかく。改めてこの作者は細かい描写がうまいなぁ、とか思いながら読んでいたんですが、ふとエロゲーならばどうだろうという考えがよぎりました。細かいシチュエーションを見ていくとエロゲーではおよそ実現が難しい描写ばかりなんですよね。
荻上のコスプレ姿をエロゲーのプレイ中に思い出してしまう笹原。
これは言うまでもなく「最低だ、オレ」ってなシンジくん状態ですが、最低限カッコよく見せようとしているエロゲー世界ではまず主人公がライフワークとしてエロゲーなんてこなしてくれない。ましてや純愛ゲーでなんて不可能。しかし、本来これほど相手を意識する端的なエピソードもなかなかない訳で。
あと実はこれの前の笹原の「俺も、遊んでいる暇はないな」というセリフも本人は何も意図していませんが、荻上にとっては立派な攻撃になっているのがポイント。「意識している」レベルだからこそ有効な一手で中途半端に仲がよくなっているとこれだけでケンカになりかねない。
荻上の描いた同人誌が初めて売れた時、まるで自分のことのように嬉しそうに笑う笹原。それを至近距離で見てしまう荻上。
漫画によってはこれひとつで好きになってもおかしくないほどの巧みなエピソードです。ガードの弱い荻上に対して本来、自分からは攻めることのない笹原が無意識に放った攻撃。構図としてもうまいです。しかし、これも基本的に主人公の表情の変化をビジュアルで描くことのないエロゲーでは使えない手です。テキストで書くことはできますが説得力はもう一歩ですし、ヒロイン視点が必須という条件付き。
就職が決まらずいらつく笹原。つい「荻上さんとも、全然喋ってねーよ」と呟く。
ここの精確な意味ってのはもっと後にならないとわからないんですが、まぁストレートに解釈すると荻上のことが好きという意味でしょう。さすがにただ気まずいだけでこんなことを言うとは考えにくい。これくらいのエピソードならゲームで充分できますが、なぜかエロゲーの主人公は素直になってはいけないという掟でもあるのか、こういう反応ができない体にされているようです。困ったもんだ。
就職が決まった笹原。顔を合わせずとも1メートルくらいに近づくと2人とも冷や汗ダラダラ。
これは自分のとりたい行動(おめでとうございますと祝福する)を先んじられてしまっている、2人きりではないのでわだかまりを解消したくともできないという途中経過な描写。どうしても必要なエピソードではなく、ついでと再確認程度の意味かと。
これまた主人公のビジュアルを描く機会が少ないのでなかなか難しい。2人の心情を同時に表すために、テキストだけではなくやはりイベントCGが欲しいところ。個性に乏しい主人公像のゲームでは難しく、逆に個性的な主人公はこういう反応自体が難しいか。
2人をくっつけようと各所で奮闘する大野さん。
2人を見守る存在というのは漫画では珍しくありません。読者の視点はこれが一番近いか。
エロゲーの場合、凡百の作品では2人だけで進行するケースが多く、大野さんのような存在はまずいません。キャラクターの扱いに長けたシナリオライターでないとなかなか。
「パルフェ」を例にとると主に里伽子や恵麻がそんな役割を担っている。大野さんケースだと里伽子シナリオの恵麻でしょうか。仁の方しか見ていないからもう一方の抱える問題には気付きもしない。それでいて「2人」を考えているつもりになっている。
笹原が弱いのは何も性格的な問題だけではない。荻上を性的対象として見てしまった負い目だとか、誰にでも優しい立ち位置からの脱却の仕方がわからないorしてもいいものか(このへんは想像)とか、葛藤があるためだろうしね。
ふーむ。こうして具体例を挙げて考えてみるとゲームもまだまだ不自由だなぁ、とか実感します。欲しい絵を欲しい時にほぼ制限なく用意できる漫画の自由度はかなりのものです。構えることなく第三者視点を保ち続けられるのがこの場合は一番優れているところかな。
もちろん、ゲームにはゲームの良さがありますが恋愛の表現力となるとかなりの差がありますな。向上しているCG技術が逆に足を引っ張っていると言ってもいいくらいですから皮肉なものです。とはいえ、後ろ3つくらいはエロゲーでも充分可能なんで各メーカーには頑張って欲しいところ。
それにしてもオギーはどう見ても髪を下ろした時の方が可愛いです。あの限定ぶりは昔でいうところのメガネキャラがそれを外した時みたいなものか?
しかし、12月24日にこんな文章をアップする自分てどうなの?
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