3人目は天野千輪。
最初にひとつ。千輪と痴話喧嘩という体を張ったギャグはありませんでした。こんな名前な上に毒舌キャラなので期待したんですけど残念です。
いつでも唐突に現れる辛口天然系というキャラ自体はなかなか(特にHOOKにしては)よろしいのですけど、肝心の根っこの部分がどうにも駄目駄目で。破天荒キャラというのはどうして主人公を好きになったのかがわかりにくい。言動が理不尽なのでそこからは理由を探れないんですよね。で、本作の場合はわざわざ教えてくれる親切設計。これなら誰でも納得です、とはいかないのがHOOK流。
兄弟がいないがゆえにそうした存在に憧れる。それは全くもって問題なし。問題は義妹ヒロインの発言「自慢の兄です」。そして親友だからか全く同じ所見を持った千輪さん。どうやら一目惚れにも等しかったようで。結局、ここでも主人公の人柄がネックになっている。これのおかげで問題ないはずの動機が大問題に。聞けば聞くほど人違いではないかと問い正したくなる。エロゲー史上でもここまで無思慮、無神経、無遠慮な人間はなかなかいないというのに。昨日も書きましたけど、やっぱりHOOKスタッフとの間に常識の落差を感じざるを得ない。だって優柔不断魔神の孝之くんがすごく善良に見えるもんなぁ、この主人公見てると。
シナリオは正直、上に書いたネタが全てかなぁ。他には内容らしい内容は存在しません。カップル成立後はひたすらにいちゃつく状態のままエンディングへ一直線ですからねぇ。厳しい目で見るならやる気を感じません。物語を紡ぐ気があるとはとても思えませんから。
CGというか原画。2人で描いているのはスタッフロールからもわかるんですけど、もしかして分担はキャラ毎という訳でもないでしょうか。3回目のHシーンとかそれまでとかなり違うような。他のヒロインでもなんか雰囲気の違うものが何点かありましたし。
最近のサンデー。昔、コンテンツのひとつだったせいか時折、すごく書きたくなることがあります。
ここしばらくはなかなか粒揃いだと思うんですが、黙って見ているとたまに恐ろしいことをするのがここの編集部。「金色のガッシュ」は少年漫画として複雑すぎることもなく良い按配だと思うのだけれど、他のアニメ化作品はなんだかどれも浅く広くがウリのように見えてどうもね。
「あいこら」:アイデアはかなりいいなーと思ったんですが、蓋を開けてみれば中身は前作と全く同じで進歩がない。あとこの作者はカラーとの落差が冗談みたいに激しい。イラストレーターの方が向いているのかも。
「絶対可憐チルドレン」:この漫画の難しいところは読み切りの時に最大のネタ、未来の予見をやってしまったことだよなぁ。確かにアレは盛り上がるけれど、実際にそれはエンディング後の話な訳で。漫画のメインは子供である今なのだから、このへんはどうしようもないジレンマか。
「ハヤテのごとく」:絵が抜群ではなくとも話が良ければぐっと印象は良くなるという見本のような作品。個人的には1〜2話あたりが最高でそこから下がってきているのが不安だったがヒナギクの存在が風向きを変えてくれそうでちょっと期待したい。サンデー作家にしてはカラーは悪くないのも珍しい。
「史上最強の弟子ケンイチ」:ラグナレク編ラストはうまく盛り上がっていたのに新展開以降は驚くほどの下降線を辿っています。どうしてここまでになってしまったのかなぁ?
「MAR」:これの駄目さ加減は筆舌に尽くし難く。特にしばらく前のナナシ戦は酷かった。よくアニメ化したなぁ、と本気で思います。
「最強!都立あおい坂高校野球部」:現在、毎週楽しみと言い切れる唯一の作品。しかし、それだけに今週の展開には一抹の不安が。前回まで1回の攻防だったのにいきなり8回ですか。まさか突然終わったりしないよなぁ。本気でビクビクしております。昔、北崎拓氏の「ますらお」が終わった時も信じられなかったからなぁ。あの時なんて最終ページを読むまで打ち切りを全く疑わなかったくらいで。以来サンデーの好きな作品に対してはトラウマ的な不安がつきまとってマス。個人的には本当に面白いと思うんだけどなぁ。あと嫌な予感の元凶が今は休載中の「クロスゲーム」。ひとつの雑誌に3つの野球漫画はいらないだろ、とか編集部に考えられたら困ります。ああ、どうかプロットに沿った結末を迎えますように。
「ブリザードアクセル」:これって「YAWARA」のように絶対負けない系のスポーツ漫画なのかなぁ。普通に疑問です。新展開は実にうまく滑り出した感じ。「ケンイチ」とは大きな差が出たような。ヒロイン、ライバルともしっかりキャラが立っていて好印象。「僕と君の間に」よりもこちらの方が好き。
「道士郎でござる」:「あおい坂」に次いで楽しみなのがコレ。爆笑度が高いので人目のあるところで読むのはそれなり以上に危険。ただ、主人公はどっちなのかねぇ。
「こわしや我聞」:もう一歩、何かが突き抜けきれないところがあるように感じてならない作品。要所要所の展開やネームに詰めの甘さのようなものを感じる。単に少年誌だからオタク雑誌のような割り切りができないだけかもしれないけど。
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