明けましておめでとうございます。旧年中に来訪された方には最大級の感謝を。初めての方にはこの出会いが潤いとならんことを。今年もどうかよろしくお願いします。さて、すっかり年も変わってしまいましたが2004年の総括をしようかと思います。いつものように1位から。
第1位「PARADISE LOST」(light)
私と同意見の方がどれくらいいるのかしらと思いながらもこれが偽りのない第1位。ひとつのゲームにおいてこれほどテンションに落差のあるゲームは珍しいかも。正直、2章終盤まではなんとなく進めていただけだったのですが、それ以降はぐいぐいと物語に引き込まれました。ロウ君の歪んだ成長物語は素直に面白いですし、アストが自らの感情の揺らぎに葛藤する様は何かヘンなものに目覚めそうなくらい魅力的です。
ハッキリ言えば粗はいくらでもあります。総合完成度でこれに勝る作品は2004年だけでも相当数に昇るでしょう。世界観とキャラの力が一点突破を果たしたという格好です。また、ゲームを終えても記憶に強く残っているだけでなく、時間が経つにつれ印象が深まっていくのが興味深いところ。個人的には蛇足と呼ばれようとも「Dear My Friend」よりこちらに追加シナリオが欲しかったです。
第2位「巣作りドラゴン」(ソフトハウスキャラ)
ここからはかなり迷いました。それぞれのウリというか私に訴えかけてくる魅力的な要素がそれぞれに違ったので。
どんな企画を立てても購入してプレイするのが楽しみになる、そんな貴重なブランドがソフトハウスキャラです。作品ごとにレベルを上げてきて遂にひとつの大きな壁を越えたという感じ。のちに出世作と呼ばれるようになるのではないでしょうか。粗が少なくなり完成度は老舗にも引けを取らなくなってきました。
1周の短さも予想外の高評価に繋がりました。一般的に作品を生めば生むほど膨大化、長大化をしていく傾向にあってこのコンパクトさ。再プレイするのが少しも苦になりませんでした。
自ら育てたキャラがチマチマと戦う様は何度見てもドキドキハラハラします。一発死を設定したのも良い緊張感を生む結果につながったと思います。
第3位「Fate/stay night」(TYPE−MOON)
セイバールートだけなら1位も夢ではなかったかも知れません。「PARADISE LOST」とは逆で後半にいけばいくほどテンションが下がっていったのが印象的。コンプリート後に評価が下降気味であるのも「PARADISE LOST」とは対照的でした。
個人的にはデザイン、話の方向性ともに「月姫」の方が好みであったというのが痛いところ。両作品ともに小説的な面が強いだけに相性問題は如何ともし難いものが。
第4位「Dear My Friend」(light)
この作品の何がすごいって普通であることですね。どの作品もユーザーの興味を引くために奇をてらった設定を用意しがちで実際、優秀な作品にはその設定が生きていて評価されているケースが多いです。しかし、本作はそうした要素が皆無に近い稀有な例。本当に驚きです。ましてフェチゲームが増えてきている現状を考えるとなおさらのこと。
難点はやはり尖りの少なさゆえかプレイ中の熱中度ほどには後に印象が残らないということでしょうか。
第5位「ままらぶ」(HERMIT)
今や多くのファンを持つ丸戸史明節は本作でも健在。ネタとしてはそれほど好きな方でもないのですが、それでも料理人が違えばこうも楽しめるという好例でした。しかし、隙なく固めてしまった設定ゆえに「あねらぶ」、「いもらぶ」となると一気に苦しくなったのが残念なところ。エロゲーには多少なりとも設定にゆとりが必要な気がします。
2004年はコンプリートしたゲームの数が少なくて5本も選んでいいのか、という感じでした。一昨年のおよそ3分の2。これじゃねぇ。「スパロボMX」や現在もプレイ中の「ガンダムvsZガンダム」など一般作の長いゲームをプレイしていたこと、2003年のエロゲーにも時間を割いていたのが主な原因かと。
エロゲー界としてはlight大躍進の年という感じ。発表会までやったのは伊達ではなかったのですが、画竜点睛を欠いたのはあまりにも残念。「群青の空を越えて」はいつですか?
個人的に悲しかったのは予想通り丸戸史明氏の作品があまり発売されなかったこと。年で区切ればそういう話になるだけにしてもやはり寂しい感じがしました。今年は「パルフェ〜ショコラsecond brew〜」の他に最低もう1本は欲しいところです。
TYPE−MOONに関しては色々と心配。ファンディスクに発表まで1年かかるというのでは新作は3年後くらいデスカ? と不安にもなります。
ソフトハウスキャラにとっては分岐点になりそうな一年。コア層以外にも引き続いて買わせることができるかどうか。それと看板原画家である佐々木珠流氏が2本に1本(?)という戦略が吉と出るかどうか。
最後は今年の話になってしまいましたが2004年エロゲーランキングもこれにて終了。今年も1本でも多く面白いゲームが発売されますように。
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