昨日に引き続いてのピュアガールバージョン。まぁ、恐らく他誌版と同じだと思われますが。
んで、いきなり結論からいくとあまり感触はよろしくないなぁ、と。よそのページの雑感とかでもあんまり……、という評判を聞いていたにもかかわらずですからねー。普通は人がイマイチと言えば印象は良い方に働くはずなんですけども。
まずはシステム面から。目玉であるはずの立ちCGの表現がどうにもこうにも。私はてっきりモニターが「視界」を表現していると思ったんですよ。実際には「視界」ではなく、「視点」なんですね。よって視界に収まっているはずの動きも逐一、追っていくためにせわしないことこの上ないです。ヒロインがわずかに首の位置を下げただけで画面全体が動くんですよ? 最初から最後まで1シナリオをプレイすれば、目にかかる負担は相当なものになるでしょうね。
複数人で話している時に発言者全てに視線を向けるのもちと不自然ではないですかねぇ。ある程度は動くでしょうけど、全員を追いかけたりはしないと思うんですけど。
また距離感を表すために立ちCGを拡大、縮小させているんですけど、これがまたため息モノで。
立ちCGというのは大抵のゲームでは個性の表現も内包しています。よって現実的な目で見ると立ち話をしているとは考えにくいポーズも多い訳です。モデル立ちとか。中にはモビルスーツの設定画のようなポーズの方までいます(彩峰慧)。
普通、それが気にならないのは、ゲームがそこまでリアリティにこだわっていないからです。しかし、今作ではそのあたり、中途半端にリアリティを追求しているゆえに気になってしまうんですよ。
例えば教卓から教室の後ろへ歩いてくるシーンは3段階の大きさを表示して「歩行」を表現しています。が、すでに書いた通り立ちCGは不自然に固定されたポーズです。その姿勢のまま、徐々に近づいてくるのでかなり妙です。歩いては止まってポージング、歩いては……、というようにも見えますからね。ていうか、ヤバい人のようですよ。
他にも遠く離れたところから主人公を呼ぶ際もこのポーズな訳で、やはり不自然さが漂っています。
私が疑問なのはこうまでして構築した会話システムにどこまで意味があるか、ということです。プレイ時間の増加は必死ですし、会話のテンポも悪くなることこそあれ、良くなることはありえないでしょう。実際、冒頭の純夏との会話は無意味に時間だけがかかっているように思えます。全ての登場人物に一定以上の好感度を持っていないと辛そうです。
システムの印象は全般的に欲張りすぎ。思いついたこと全て実行しているような節さえありますよ。
次にキャラクター面。個人的にはこれが一番の微妙なポイントかと思うんですけど、キャラクターが総じて人の話を聞きません。会話量の多いゲームでこれはかなりしんどいです。なぜなら全然、話が進まないんですよ。おまけに私の見たところ、主人公も要所でプレイヤーの希望にそぐわぬ行動を採るタイプです。
隣の家で窓もお向かいの幼なじみと大金持ちの押しかけ女房タイプの帯剣ヒロイン。まさかこの組み合わせで幼なじみの方がうざいとは想像すら出来ませんでした。
このゲームでは主人公がかなりヒロインに攻撃的なんですけど、ちっとも主人公に嫌悪感を抱きません。つまり、それだけのまとわりつきヒロインなんですよ。
正直、帯剣ヒロイン以外は全てうざいと言っても過言ではないほど、かしましい奴ばかりです。ツライなぁ。
あとタカハシはどうかと思うデスヨ。声優まで本物を使ってちとやり過ぎではないかと。金に飽かしたギャグというのは正直、感心しません。ここまでやるならしげの秀一氏に承諾を得るくらいのことはしてみろと言いたいです。
シナリオ面はまだ評価不能って感じなんでテキスト面。一言で言えば、かなりくどいです。書くところと書かずに省略するところというような文章の取捨選択があまりされていない書き方なので、テンポはかなり悪いです。システムの分、重いんですから無駄な会話やシーンは控えて欲しいです。
ギャグもイマイチ弱いかと。さすがに前作メインテーマが流れるところは笑いましたけど、これは「マブラヴ」ではなく、「君が望む永遠」の功績だからなぁ。
CG面。前作の遥伝説で味をしめたのか、今回も似たようなものあり。しかも出現頻度がかなり上がっています。このカットの原画は八雲剣豪氏。メイン原画はBou氏ですから、このゲームの原画は兄弟タッグということに。
背景が一部、前作からの使い回しというのはどうなのか。同じ舞台ゆえ、学校はわかりますが自宅近所のカットまで同じにする意味があるのか疑問。同じ場所でも構図を変えたっていいと思うんですけど。手を抜くつもりがないのなら。
Bou氏のとんがったデザインはやっぱり個人的にはどうかなぁ、と思ったり。よくあるキスシーンあるいはその未遂カット、つまりは顔のアップが今作にもあるんですけど、正直言って怖いんですよね、これが。なんか恋愛モノには向いていないデザインではないかと思う訳ですよ。
音楽面。こちらも一部、前作の曲をアレンジして使用してます。同じ舞台とはいえ、雰囲気は全然違うんですから新曲を用意して欲しかったですね。
総合して。やっぱりあんまり期待しないで買った方がいいかと。これで3%というんですから、期待よりも先に疲労感を想像してしまいます。
体験版は長ければいいというものでもない、という良い見本になりそう。同時発売ラインナップによっては買わない可能性もあり。
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