2人目はフローリア・レキ・ヴェストリア。
なんかさらに長いような気がしました。実際のところはよくわかりませんが、2周目なんですけどね〜。仮に長かったとしてもスキップを使うので短く感じそうなものなんですけど。まぁ、そのへんもよろしくないので当然なのかもしれませんが。
スキップがとても遅いです。少なくとも推奨環境は越えているはずですが、スキップ中でも余裕でテキストを読むことができます。ボイス以外はオートとどれだけ差があるのかと言うくらい。さらに前の選択肢に戻れるのになぜか次の選択肢へ飛ぶ機能がない。シーンジャンプというそれに変わるような機能があるんですけど、これがなんだか使いにくい。
シナリオもちっとも盛り上がりがないです。プロット通りに書いているだけでそれが単純につまらないと言うか、キャラクターも予定表通りに淡々とこなしているようで驚きがありません。セルフィシナリオにもあった(恐らく全シナリオある)聖竜祭がもう全く緊張感がない。フローリアが何か言っていますがそれが少しも伝わって来ない。自分が歌うまではBGMひとつ変わらないのだから当然かもしれませんけど。ただすごいと褒めるだけ。本作ではこのパターンが圧倒的です。
惹かれあう過程もどこにあったんだ? というくらい唐突で。シナリオは長いのに気がつけば好き合っています。聖竜祭まで何もなかったはずなんですけど、終わって離ればなれになった途端に恋人であるかのような思考で主人公もヒロインも動きだします。正直、意味がわからないレベル。読んでいると共通の段階から好きだったみたいに書かれているので違和感が凄いです。もちろん、セルフィシナリオで主人公やヒロインが互いを諦めるシーンなんてありませんから。
本作はどうもあるタイミングになると、いきなりそれが当たり前であるというか、事実であるという告知を行うのですね。2人の恋愛もそうですが、主人公の演奏技術もまさにそう。作曲科である主人公は自分の曲以外は演奏が苦手という設定なのにいつの間にか上達しています。それどころか聖竜祭直前まで練習のシーンも一切ないのに、前日になっていきなりやるだけの練習はした、とかモノローグでおっしゃるんですよ。もう驚くほかないです。本番の演奏も中盤すぎになると宮廷演奏家たちの間で話題になっていた、なんて言い出したりします。
他にも主人公がいつの間にか色々な山を越えていると言って、ヒロインはそんなことないと返すんですけど、プレイヤーは主人公と全く同意見。お姫さま相手だというのに障害らしい障害が見当たりません。初Hの時もゲームとしては遅いタイミングですが、シナリオとしては困難も葛藤もなく首をかしげるばかり。すくなくとも、王女としての役割を疎かにしていないという立ち位置ならちょっとは考えたりするべきじゃないですかね。
終盤の展開も酷いです。フローリアの力が邪竜を活性化させる、って何年もやっていてあまりにも今更すぎるし、そもそもレクトの力が曖昧すぎます。最初は歌にレクトという力を乗せるって話だったのにいつの間にかレクトの力は関係なくフローリアの歌が駄目って話になっている。
その後も国境沿いの村に行って自分を見つめ直すというのはいいんですけど、問題は王宮に帰ると決めた直後。決意が固まっただけで邪竜を止める手だては何も見つかっていません。そこで酒場のマスターが一言。酒場の裏手にお前らの欲しいものが眠っている遺跡があるよ、と。思わず、ザ・ワールドが天然で発動しそうな超展開。どうやら今日ある日を考えてここに酒場を作ったみたいです。って一体どこにそんな伏線があったと言うんだ……。いくらなんでも酷すぎませんか。ご都合主義もここに極まれりデスヨ。
その遺跡に挑むのもなぜかその道のエキスパートを差し置いて2人だけで行かなければいけないとか言ったり、王宮への帰り道も同様。なぜ、近衛騎士(セルフィ)を遠ざけて2人で帰らないといけないのか、率直に言って意味がわかりません。せめて納得できなくてもいいから説明くらいはしようよ。
ところで、SDカットも使った、フローリアが初めて賭け事に負けて100年Hなことをし放題というシーン。これ、全く同じものがシティハンターでありませんでしたか? 賭けに負けたことがないという設定もコインを使うこともヒロインがスタンスを変えて負け続けるようにするのも完全に同じ。ついでに要求の中身まで。偶然にしてはちょっと被りすぎのような。本当にそうなら仕方ないけど、そうでないならちょっとは工夫しようよ。
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