レベルE8話。ん〜、なんかおかしくないですかね、冒頭のシーン。幹久今日子はひょっとして男であることを隠してスキー場へ連れてきたのでしょうか。そりゃ、相手が引くのは当然ですな。私は、同性であることは相手もわかっていたが真剣だとは知らずにただの旅行だと思って来た、というシチュエーションだと思ってました。というか、原作は間違いなくそうだと思うんですけどね。サキ王女に名前と連絡先を教える時に隠すことなく書いているし。コリンの性格といい、どうも意図のわからない改変が多いですよね、この作品は。
君に届け2nd Season8話。重要エピソードが週を跨いでいるせいか、先週までのおさらいをしながら非常に丁寧に描写している印象です。相変わらず原作にない追加部分が自然でとてもうまいです。下手したら今回も高橋さんのようにアニメから名前付きのキャラが生まれそうなくらいに。ただ、さすがにちづの誕生会は勇み足だと思ったのかインストのみでセリフはなし。このへんもちょうど良いさじ加減だったと思います。
しかし、最後の演出というのはちょっと怖いよなー。爽子が走って教室に向かっている間は盛り上げる曲がかかっていて、足が止まると同時に曲も止まってしまう。他の作品基準で考えるとどちらもあり得ると思えてしまうだけに。
「グリザイアの果実」。2人目は小嶺幸。
うーん。芳しくないですね。もともと人の頼みを断らない、どんな依頼でもこなしてしまうというキャラにだいぶ無理があるのですが個別シナリオで詳細を書くことで却ってそれが際立ってしまったな、という印象です。深くは触れない設定のひとつなら何の問題もないと思うんですけどね。
全体的にライターの配慮不足も感じられました。例えば幼少時の幸は使う単語などを含めて9歳児とは思えないシーンが散見されます。
中学生の不良少女の奴隷になって処女のままであるとかどう考えても不自然です。売春とかさせられないはずがないというか。暴行やカツアゲの被害者や加害者になっていてもおかしくありません。それも常習の。そもそも命令や依頼がほぼ同時に相反するものだったとしたらどうするんでしょう。何日も必要とせずにあっさり矛盾が発生するはずですが。
主人公にしても絶対の正解がないことに対してノータイムで解答を出してそれを幸に押しつけ過ぎです。しかも、それを根回しすることでシナリオ通りに進めようとする。その強引さも含めてちょっと気持ち悪いくらいでした。あまりにも気軽に人を試そうとする姿、面倒に巻き込んでおきながらどこまでも秘密主義なあたりなど、ちょっと好感が持ちにくい様子が目立ちました。
だいたい主人公は人情の機微みたいなことは苦手なはずなのに。どうも違和感がありました。多くの可能性を無視してライターの望む方向に導こうとしているのが見えすぎるといいましょうか。
学園を爆破するのはどう考えてもやり過ぎだし、それがなにひとつペナルティーさえ呼ばないというのはファンタジー過ぎるのでは。それ以上にPTSDの幸に学園に来ることになった直接の要因である放火をさせる、って控えめに考えてもおかしいのでは。より酷くなる可能性を微塵も考えないのでしょうか。信じがたい所業としか思えません。
それ以上に恐ろしいのは崩壊した学園を見ながら愛を語らいHシーンまで大突入してしまうことですね。一体それはどんな趣味なのか、と。まぁ、精神がおかしい同士の表現としてならとても効果的だと思いますけど、恐らくはそんなつもりじゃないですからねぇ。
細かいところでは結局テストが行われるのに騒がないみちるはおかしいと思います。正直、ニセモノではないかと疑うくらいです。他にも由美子が異常に親切なのもちょっと別人に思えるくらいでした。こういう寮のメンバーの結束を図る、みたいな描写を共通に盛り込めば良かったんじゃないですかね。現状では由美子やみちるが進んで他人に関わるのはおかしいですよ。
全体的にどうも丸戸史明氏の手法を参考にしているかのような感じを受けました。ただし、あの手法は巧みな計算とそれを乱さない安定したテキストがあるからこそ効果を発揮するのであって、要所で配慮不足を感じるようではむしろ逆効果です。
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