4人目はユーリ・ゴローニン。
いわゆる男の娘というやつですが、作中での偽装は完璧です。どんな炯眼の持ち主も彼女が彼であるということに気付いていません。例外は存在自体がオーパーツっぽい葉加瀬博士くらい。雑誌などで事前に明かしていなければ各所で炎上したことは間違いないと思います。私はHシーンに至るまで「え、ホントにそうなの?」という感じでした。それぐらい事実を示唆するテキストがありません。
よって全ては属性勝負と言っていいでしょう。可愛ければなんでもいい、というか「男でもいい!!」というラバなみの猛者ならばよろしいんじゃないでしょうか(いかにも他人事っぽく)。
シナリオはもっと尺を要する内容かな、と思ったのですが説明関係がかなーりコンパクトだったのでむしろ、あっさり終わってしまった感じ。まぁ、苦手なので助かりましたけどね。物語としてはあんまり面白くはなかったです。さほど興味がないせいか、展開は意外に感じられましたけど。
個人的に気になったのは妙にトシちゃんが冷遇されていることかなぁ。他のシナリオでもそういう面はあるけどユーリシナリオは特に酷いと思います。1人だけ同じグループとは思えない扱いですよ。彼に対する時はみんなの性格が悪くなっているように思えるくらいです。
ラストは甘夏ぷりん。
てっきり最初の選択肢に5番目が追加されるのかと思ったら、2つ目の選択肢が出現、でした。まぁ実質、同じなのだから最初から五択にすれば良かったように思います。その単語も「愛」ではなくて「お好み力」とかでいいんじゃないですかね。
最終ルート固定ということで作品のオチに当たる内容です。
しかし、その前にぷりんシナリオとしては色々と気になるところがあるように思います。これまでも唐突な展開というのは同じでしたけど、ぷりんシナリオはそれを踏まえてもどうかと思う内容でした。少なくとも、他の4人が見たら、「それでいいのかい!?」と突っ込みたくなるような展開です。いや、ふざけるな、とか言いだしてもおかしくありませんよ。学園をエスケープしてみんなのことを忘却して遊び呆けて悩みも解消、恋人成立ってどこにも苦労を感じられません。他の4人はもっと試練っぽいものがあっただけにねぇ。悩みもぷりんが一番たいしたことなく、しかも出口に近いし。
他のシナリオと違って基本2人しか出てこないので段々と飽きてくるのも困りものです。香辛料ばかりたくさん使っているような作品ですからねぇ。おとなしいと評したくなるパートは正直、退屈に感じてしまうんですよね、相対的に。
ヒロインとしてもなんだかなー、という。お母さんの指摘があまりにも正鵠を射すぎていてあんまり魅力的に見えないんですよ。ええ、奴は出産したら間違いなく肥えるタイプだと思います。何と言ってもマヨネーズですから。
内面的にも、真打ちポジションだからって他のヒロインたちは主人公のことをわかってない発言は正直どうかと思います。なまじモノローグだけに勝者宣言にも聞こえるこれが気になりました。無駄に株を落としているような。
劇の方もトシちゃんの活躍は良かったですけど、本番前に決着がついているためにすっかり出来レース。他の4人があからさまな当て馬なのはねぇ。虚しいと言いますか、先が読めてつまらないと感じてしまうパターンですよ。
そして、ラストは主人公の設定に係わる内容に。これも賛否ありそう。ぷりんが正妻ポジションであることを納得しているかどうかで大きく印象が変わりそうです。本作はパッケージで5人のヒロインが指でひとつの星型を作っているデザインなんですからあんまり1人だけ優遇というのはよろしくないような気がします。大団円的なエピソードは偉大な漫画作品などにならって結着つかずの方がいいのではないでしょうか。少なくとも本作の場合は。
それにしても個人的に気になったのは主人公の設定。結局、全ての女性から圧倒的にモテることに何の理由もないんですね、というため息もののオチ。やっぱり、積み重ねた歴史がないものは痛々しいですな。
おまけシナリオ。
ぷりんシナリオの鬱憤を晴らすかのようなりんご大活躍の小話。救世主ブラジラみたいになっているりんごたんが素敵でした。声優さんの熱演も必聴もの。よく事務所からNGが出ないものだな、と思いました。
後半なぜか時間がかかってしまった「星の王子くん」もようやく終了。ゲーム感想は近日中に。
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