安仁屋琉堵(変更可能)は幼なじみと共に南の島、益垣島へとやってきた。ところが、それと入れ替わりにほぼ全ての島民が出て行ってしまう。火山の噴火が懸念されているために避難してしまったのだ。取り残された2人はサバイバル生活を余儀なくされることに。しかも、唯一の飲み水は潮吹き水と呼ばれる湧き水で……!?
アトリエかぐやチームHonky Tonk Pumpkinの新作は先日発売されたかぐや初のミドルプライスタイトルと微妙に被ったように見える南国で水着ゲー。
購入動機は原画買い、でしょうか。なにぶんHonky Tonk Pumpkinの作品は初めてなので賭けっぽい面が強かったです。
初回特典は特になし。
ジャンルはごくごく普通のアドベンチャー。
足回りはそこそこ優秀。メッセージスキップは既読未読を判別して平均的なスピード。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能でいつでも最初まで戻ることができます。ロード直後にも使用可能です。
シナリオは低価格ゲーなみにテキトーです。あらすじを読んでの通り、ツッコミどころは満載ですがそれをしたところで何ら得るところはありません。なぜならとにかくそういうゲームだからです。しかも、本作はここから無駄な抵抗を始めます。「潮吹き水」なんてエロエロ展開への布石以外の何物でもないはずなのに大真面目にどうやったらその呪縛から逃れられるだろう、などと主人公たちは言いだします。自分たちがどんなゲームに出ているのか空気が読めてないです。
ということなので設定のわりにエロ度は普通レベル。アトリエかぐやという枠内で考えるとむしろ、薄いとか弱いという範疇かもしれません。シチュエーション的にも至って普通。通常の純愛系作品と代わり映えしません。
日常の掛け合いは非常に退屈。シナリオの目的とプレイヤーの目的がまるで合致していないため、何のために読んでいるのかしばしば疑問に思うこともあります。笑いなど初めから考慮していないように見えるだけでなく、キャラもあまり立っていません。Hシーン間を長めと感じるくらいにはそういったテキストが用意されています。
惹かれあう過程はあるはずもないんですが、それでも恋人を選ぶ流れが用意されています。この対象がメインヒロインであり、この選択肢に含まれないのがサブキャラです。つまり、サブキャラのルートに進むということは恋人を捨てるということなのですが、一切の修羅場は発生しませんし、主人公も少しも葛藤したりもしません。とにかくあっさりと処理しています。ちなみにハーレムルートが用意されていますが、おまけ程度なのであまり期待しない方がいいでしょう。
Hシーンはなぜか水着率が少なかったりします。パッケージにも
>水着の彼女とのエッチな関係
と書いてあるのですが、そんなことは知らんとばかりに私服と全裸がメインだったりします。例えばヒロイン榊真奈の場合、シーン再生17枠のうち水着なのは5枠だけだったりします。他のヒロインも似たりよったりで唯一、例外なのは海月ソルトで7枠中6枠が水着だったりしますが、それは彼女の私服がスクール水着だから、という裏があるせいなのでした。
エロ度はすでに述べたようにアトリエかぐやにしては弱めというところ。尺はばらつきがありますが全体的にはかなり長めです。スキップをかけてもなかなか終わらないというのが正直なところです。
CGは差分抜きで80枚とアトリエかぐやにしてはかなり控えめです。原画は2人で描いていることによる違和感はほとんどありませんが、有栖川千里氏の方はやや安定感を欠く嫌いがあります。それはそのままエロいかどうかにも影響を与えています。
Hシーンにはアニメーションを採用しています。テック@アニメーションに代表されるようなイベントCGが動くタイプです。基本的にピストンタイプのためエロさは原画に対する相性が大きなウェイトを占めています。
音楽はタイトルらしく南国を意識させるような曲作りがされています。それでも、いかにもと評するには勢いは控えめですが。
ボイスは主人公を除いてフルボイス。なお、主人公がデフォルトネームの場合はボイスによるフォローがあります。恐らく名字の方には何もないと思います。演技の方は特に問題ありません。
まとめ。色々と看板に偽りのある作品。水着目当ての方は要注意。小麦色なのも1人だけですし。エロさが全てであっても、いやだからこそキャラ描写と物語は大事です。せめて疑問に思わない程度には。
お気に入り:特になし
評点:55
残念ながらキャラ別感想はありません。
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