同年発売された「君が望む永遠」と同じく奇しくも3年の時を経て一月違いで発売されたファンディスク。ただし、こちらは当初、書籍としての発売で販売も別のところでした。ゆえに128ページのムックなんてものが特典のひとつとしてついてます。他にも流行りになりつつあるのかネット接続版と通常版が発売されました。
ファンがファンディスクを買うのに理由はいらないと思いますが、それでも買うと決めていながら店頭で逡巡したのはここ数年で本作と「絆箱」くらい。無論、特典の関係上、止むを得ないんですが、それでもデカイと感じます。特に店頭ではふたつ並んでいるだけに威圧感もなかなかのものです。
システムは説明の必要もいらないでしょうが、本編と同じくアドベンチャー。
足回りは充分に安定しています。メッセージスキップは既読未読を判別して高速を維持しています。ただ右クリックからスキップを選択しないと開始できないのでやや不便。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、戻れる分量はそれなりにといったところ。
シナリオはファンディスクらしく(?)分量的には中編という感じ。その構成は少し変わってます。軸となる1本のシナリオがあって途中に二度、全部で6つの選択肢があります。このひとつひとつがファンディスク的な小エピソード。本編末莉シナリオの延長線上という設定で展開します。もちろん軸となるシナリオも。つまり、家族計画ファンディスクというよりは末莉ファンディスクといった方が正しいかと。
登場人物はパッケージにあるように司、末莉、景、新キャラの4人程度。このうち、景はオマケも同然なので実質3人。ネタバレになるので詳細は伏せますが、他のメンツの出番はないも同然。末莉シナリオの延長線上なのだから当然といえば当然なのかも知れませんが、寂しさは否めません。
テキストの山田一テイストは健在。本編に通ずるようなネタで笑わせてくれます。他にもネタバレになる部分で氏らしさが出ているかな、と。ネタ選びに関しては特に。正直、ファンディスクとしてはかなり人を選ぶような気がします。個人的にはこれをどれくらいの人が喜ぶのか興味があるような、ないような。末莉とイチャイチャするという重要な案件に関しては及第点をしっかりと上回っていると思いますが。
CGは差分抜きで17枚。回想は4つ。これを少ないと感じるかギリギリ合格点と感じるかは税込み7140円をどう捉えるかだと思います。個人的にはムックの価値を2000円程度と考えればやや高いかな、という程度。
立ちCGは新キャラを除けば既存のものを使用しています。
イベントCGは3年という時間の経過を考えればほとんど違和感を感じることなく魅力的な末莉を描けているかと。CG的にも他はオマケ。
音楽はやはり本編のものを使用。既に高い評価を得ている曲なのでこれは正しい判断かと。ちなみに音楽鑑賞はありません。
ボイスはお返しディスクかネットのダウンロードでフォローされる予定。初めから収録してくれよ、と思うのは私だけでしょうか。
まとめ。末莉だけでいいなら、まぁどうにか。他のキャラに深い愛着があるとあまりに厳しいです。ムックの人気投票1位が青葉というのも皮肉な感じ。あとは繰り返すようですが、7140円という価格の価値によるかと。ボリューム面だけを見ても万人を満足させるとは言い難いです。
お気に入り:沢村末莉(この名字が嬉しいです)
評点:52
ファンディスクなのでキャラ別感想はなし。
|