267   魔界天使ジブリール(Front Wing)
 
 勇気を振り絞り幼なじみの真辺リカに告白した神野直人(変更不可)。果たして返事はすんなりとOK。周囲から見れば未だくっついていなかったのかと不思議がられるような二人だった。
 そして、夏休み。バラ色の毎日が待っているかと思いきや二人の前に突然、天使と悪魔が現れる。しかも、悪魔はなぜかリカの身を狙っていた。天使はかろうじて悪魔を撃退するもその力のほとんどを失ってしまう。
 力の充填もままならない天使は、苦肉の策としてリカに天使のリングを貸し与えて自身を守らせることにした。こうして聖天使ジブリールが誕生したのであった。
 
 これまでに数多くの作品を生み出してきたFront Wing。その存在を知りながらもこれまでは嗜好が合わず見送ってきました。この度、変身ヒロインものというジャンルに惹かれ購入。ライバルヒロインがメガネというのが最大のネックでしたが。
 初回特典の類は特になし。
 
 システムは平凡なアドベンチャーに簡易的なシミュレーション要素が加わったもの。ヒロインのリカと過ごすという選択肢を選ぶと、ジブリールに変身するためのエネルギーを溜めるためのHシーン選択画面になります。最初は3種類。最終的には11種類から選択可能で、それが3段階まで用意されています。ここでどんなプレイを選ぶかによってゲーム展開に影響が起きることも。
 戦闘シーンはアドベンチャースタイルのまま進行。敗北した方のHシーンが見られるのが本作の売りでありますが、ジブリール側のHシーンは基本的には行き止まり。2度同じ戦闘に敗北すると容赦なくゲームオーバーになります。と言っても難易度が高いなどということはなく、勝敗の条件も見習い天使がストレートに教えてくれます。故意でなければ負けることは不可能と言っても過言ではありません。それでもシーン回収のためには各戦闘でゲームオーバーにならなくてはならないのですが。
 足回りはもう一歩。メッセージスキップはコンフィグにおいてカスタマイズすればそれなりに高速。ただし、画面効果を省略しませんし、繰り返しプレイでスキップ箇所が異常に増えるタイプのゲームなので体感速度はあまり速くありません。加えて既読未読の判定が甘いというか、同一文章でもルートが違えば未読扱いになってしまうので不便に感じます。さらにコンフィグを調整しても選択肢後にスキップが止まるので使い勝手はあまり良くありません。
 バッグログは別画面で行います。ホイールマウスに対応、スクロールバーも完備、戻れる分量も充分、メッセージのリピート再生も可能とこちらは完璧に近いです。
 
 シナリオは非常に淡白。ストーリーがあってキャラがあるのではなく、キャラがあってストーリーがあるのでもなく、Hシーンのために全てがあるという感じなので期待するのは酷というもの。間違っても変身繋がりで特撮ものの濃いノリを期待しない方がよいでしょう。
 日常会話はキャラも立っているのでなかなか楽しめますが、そのほとんどは主人公がロリか変態かという内容に終始しているので話題の幅は狭いです。ついでにいえば会話シーンは九分九厘、主人公の部屋で発生します。
 余談、というほどのものでもないのですが、本作を雑誌やWeb上で見た時に「ショートカットで変身ヒロインで身持ちが堅くて声優は青山ゆかりさん」という情報から真辺リカというヒロインはいわゆるツンデレ系のヒロインかと思っていました。プレイしてみると実際にはかなり従順な幼なじみさんで驚きました。
 
 HシーンのエロさはなんでもこれまでのFront Wingのゲーム中、一番だとか。私には比較はできませんが、そう自負するのも納得のエロ度であると感じました。シーン数も全部で60と気合の入りようが窺えます。
 個人的な難を言えばジブリール状態は凌辱のみ、変身前は和姦のみと線引きが徹底されてしまっているのが残念でした。変身状態で主人公とHとかあるとバリエーションも広がって良かったのではないかと思うのですが。
 
 CGは本作最大のアピール要素。ジブリールのデザイン(胸までしか丈のない制服の下に白スク)やその脱がせ方がエロすぎます。それ以外のコスチュームも脱がせ方を前提としてデザインしたのではないかと邪推したくなるほどHシーンに際して威力を発揮しています。
 立ちCGは表情、ポーズ共に豊富に変化して見た目にも楽しい印象。性格が見える喜怒哀楽のパターンが用意されているかと。
 ジブリールの変身シーンはムービーにて表現されています。(魔法少女もの+変身ヒーローもの)÷2という感じで可愛らしく格好よく、かつお色気も忘れずに、という定番ながらセンス溢れるものに仕上がっています。
 
 音楽はジャンルを鑑みるとイマイチ記憶に残りにくい印象を受けました。燃える曲や悲しい曲などキャラクターの心情や状況をストレートに伝えてくる曲がほとんどなかったように思います。また、主人公とのHシーンの曲は妙に和やかな曲で不思議な感じがありました。
 ボイスはまさに適材適所なキャスティング。容姿や性格から想像しやすい声が用意されていると感じました。中でも真辺リカ(ジブリール)役の青山ゆかりさんはまさにはまり役かと。
 
 まとめ。Front Wing版「超昂天使エスカレイヤー」。良くも悪くもそんな印象。ただ不必要にシナリオを期待させるものでなかったのは割り切りとして良かったのではないでしょうか。ただ、原画が空中幼彩氏ということでロリ人員に期待するとやや肩透かしかも。
 お気に入り:真辺リカ(ジブリール)
 評点:60
 
 あまり思い入れはないんでキャラ別感想はありません。


前のページ 目次 次のページ


| ホーム | サイトマップ | 更新履歴 | 徒然なる日記 | 不定期映画鑑賞記 | ゲーム感想 | 気になるタイトル | リンク |