村瀬浩一(変更不可)は特殊体質の持ち主だ。過度に興奮すると女性を発情させてしまうフェロモンを無自覚に散布してしまう。そんな症状の荒療治として元女学院に転入させられてしまうことに。果たして見え見えの結果の行方は。
BISHOPの新作は「すくーるヘブン」の流れを汲んだらぶえろアドベンチャー。
購入動機は原画家買いということと同路線の2本目ということでどんな仕上がりになるのか興味がありました。
初回特典はオリジナルサウンドトラック。
ジャンルは基本的にいつも通りのアドベンチャー。本作独自のものとしてはけだものリミットブレイクシステムがあります。Hシーン前に表示される選択肢によっていつ、けだもの化するかを決定。1度のHシーンで二択が最大3回まで出現。チラシ広告の段階で自ら突っ込んでいますが、どんな選択肢を選ぼうともけだもの化するのは変わりませんし、ゲームの展開にも差異はありません。では何が変化するかというとエンディングなのですが、これは有り体にいうと意味が薄いです。AかBに分かれるかということではなく、Aだけで終わるかA+Bで終わるかという差別化なので後者だけ見ればいいという話。選択肢の内容としては限界まで我慢した方がいいですよ、という方向性。このあたりはちょっとわかりづらいです。
足回りは標準クラス。メッセージスキップは既読未読を判別して高速。選択肢後も継続してくれますが、なぜか週末の選択肢の後だけは継続されません。
バックログは別画面で行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですがそれほど戻ることはできません。ロード直後にも使用できます。
HシーンではBGVを採用。カットインのオンオフも可能です。
シナリオは予想通りありません。努力目標としてさえ存在していない感じです。主人公の設定であり、システムにも絡んでいる「けだもの化」がシナリオに影を落としています。要するに病気扱いなので最終的にこれをどうするのかという展開に持ってこざるを得ません(半ば無視しても問題ないと思うのですが、実際にはみな同じです)。結果的に終盤の内容がどのシナリオも似通ってしまっています。
日常の掛け合いはBISHOPにしては頑張りが感じられますが、頭のネジの緩い内容が基本なので人を選びそうです。SDカットに助けられている感もあります。
基幹設定のフェロモンの存在によって惹かれ合う過程は皆無です。乱暴に書けば主人公が興奮すれば相手は正気を失ってしまう=好きになってしまうのですから。まぁ、肉体関係になる過程は書かれていると思います。
Hシーンはカウントが難しいですが体質克服のためと称したシーン(Hまではいかない)を除けば各ヒロイン5〜6回(連戦は1とカウントした場合)。エロ度はなかなか高いですがBISHOPのレベルを考えると普通くらいかと。連戦を意識しているのか1回1回の尺は短めです。テキストはヒロインによる差別化があまり感じられなかったようにも。
複数人プレイはハーレムルート限定です。
CGはエロ特化という訳ではなくなりました。メイン原画家である水島多也氏は当然エロに全力投球ですが、SDカットが売りにできるほど新たな要素として台頭しています。お馬鹿なヒロインと日常を印象づける役割を果たしているかと。
原画はイメージチェンジが計られているのか近作と比べるとかなりイメージが異なります。シンプルなデザインを目指しているのかとても線が少なく感じます。良く言えばすっきりしていて悪く言えば特徴が薄いというところでしょうか。また凌辱系でないにも係わらず(つまりは堕ちた状態でもないのに)、ヒロインの表情がいわゆるアヘ顔になるのは賛否が分かれそうです。個人的にはあまり魅力的とは思えませんでした。
凌辱系作品では見ることにできないヒロインの表情は立ちCGを除けば減ってしまいました。「すくーるヘブン」では密かなお気に入り要素だっただけに残念です(注:SDカットは除きます)。
立ちCG鑑賞は今回も搭載されています。劇中の衣装を自由に組み合わせて見られるのが嬉しいです。
音楽は作品のノリを汲んだ奇妙に勢いのある曲が印象的でした。ただ、それはどちらかというと笑ってしまうような類のもので単体としてはまだまだ厳しいと思います。
ボイスは主人公を除いてフルボイス。演技の方は特に問題ありません。
まとめ。無難な感のあるシリーズ第2弾。人数を減らしたことは結果的に作品の個性を薄めたようにも。人数が減ったということはそれだけひとりひとりが魅力的でなければならないということですが、どうも定型通りという気がします。BISHOP的なマンネリのようにも。
エロにおいても凌辱系と表現が同じになってきたというのはせっかく方向性を変えたことの意味を薄くしてしまうようで残念。
お気に入り:朝倉のどか
評点:60
以下はキャラ別感想。ネタバレがあるはずもなく。
1、朝倉のどか
演劇の台本の内容でエロい行為を要求するというあたりは良かったと思います。ただ、主人公にツッコミの才能がないので効果半減ではありますが。
「ぶっかけから始まる恋もあるッ?!」という煽り文句は彼女のことなんですが、なんだかフェロモンに翻弄されていくというか騙されていく姿が憐れを誘いました。まぁ、ある意味それが笑いどころでもあったんですが。
ウサギとカメの劇の練習時にぬぎぬぎシステムを使ってのどかの姿を下着プラス網タイツにすると会話の意味がもうすごいことに。ここに限らず服装に言及するシーンでぬぎぬぎシステムをいじると面白いです。
教室でのイベントCGがお気に入り。特に白目が可愛くて良し。
2、速水琴乃
フェロモン散布前から明らかに好かれまくってます。やっぱり惹かれあう過程は本作では存在しないってことなのねー、ということを体現してくれるキャラ。
BISHOPのパターンからやや外れたキャラなので(のどかもですが)掛け合いは意外と楽しかったです。
ブルマである学園で、スクール水着プラス体操服の上だけという姿をしていても遠くからではよく分からないと思います。ハッキリ視認する主人公がどんだけエロスであるのかを示す好エピソードだったかな、と(たぶん違う)。
3、水無月ひかる
「なんですとぉぉぉ!」みたいな慌てた時の言葉遣いは面白かったですがそれだけかなぁ。BISHOPの青い髪のヒロインとか表現すると過去作をプレイしたことのあるユーザーは「ああ、ああいうのか」と通じてしまうのが切ない。
どうしてHシーンに入っているのかわからない理不尽系Hシーンが売り(本当にそうか?)。
4、相楽有紀恵
こちらもBISHOPでは非常に良く目にする年上キャラ。無責任であるところもまさにそんな感じ。
5、鷺ノ宮静流
このキャラに限らないのですが、ちと胸が大きすぎではないかなぁ、と。サイズ的な問題ではなく絵的な表現として。SQUEEZのゲームなどのようにそれを企画としてもテキストとしても売りとしていればいいと思うのですが、あんま説明もなくそういう状態というのはどうかと。制服のデザインもそれを助長していて無闇に下品に見えてしまいます。それも手伝ってかあまりお嬢さまキャラとは見えませんでした。
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