本編(Canvas〜セピア色のモチーフ〜)が結構、気に入ったので即断即決で購入。☆画野朗氏の絵はデフォルト買いの対象です。プリンセスメモリーは買ってませんが。
いわゆるファンディスクのようなものでしょうか。タイピングゲーム、壁紙、ミニアドベンチャーが収録されています。まぁ、定番の内容かと思います。
タイピングゲームはミニアドベンチャー及びおまけシナリオを終了させるとプレイ可能になります。
タイピングのローマ字入力はコンフィグによる選択方式。あらかじめ一文字ごとに設定しておく仕様。ゲーム中には変更出来ません。
例)ぉの場合「LO」or「XO」のどちらかを指定。
得点等はなく、純粋なタイピングのスピード勝負。速ければ官軍で、ミスタイプにペナルティは特にありません(たぶん)。タイピングの対象は本編中で使われた単語や文章。かなりの長文もあります。
難易度は相当高め。ブライドタッチが出来ないと最終戦はかなりきついかと。長文ばかりなら大したことはないのですが。ちなみに私は勝てません(なんのためのタイピングゲームですか? ブラインドタッチを修得しましょう)。
壁紙は32枚。個人的にはあまりレベルは高くないように思います。あまりこだわりのあるCGが見られなかったのが残念です。
ミニアドベンチャーは今作の存在意義と言い換えても構わないでしょう。本編で涙を飲んだユーザー待望の「鷺ノ宮藍」シナリオです。
構成としては本編の「桜塚恋」のシナリオだけ切り抜いて加筆修整をしたという感じになっています。よって二人以外のヒロインは登場しません。天音との絡みがないのは少し残念。
システムはほぼ本編と同じですが、ミニアドベンチャーだからか少し変更が加えられています。
メッセージの巻き戻しはウインドウ単位でその際にはボイスは再生されません。メッセージ送りは充分に速いです。遅いメーカーは少し見習って欲しいものです。
セーブロードはクイックのみで最大5ヶ所。5ヶ所以上になると順に上書きされていきます。使い勝手は良くないですが、ミニアドベンチャーなのでそれほど困らないでしょう。
シナリオは本編の二人のシナリオライターである宮村優氏が書いているので雰囲気が違うなどの心配はありません。相変わらずのテイストです。
ルートは二人分ですが、「桜塚恋」のシナリオは本編とほぼ同じなので、実質「鷺ノ宮藍」のシナリオのみ。
好感度不足でゲームオーバーになるとボイス付きのヒントが出ます。一度くらいは見ておいてもいいでしょう。
エンディングを迎えると4つのおまけシナリオがコンフィグに出現します。これの内容は伏せておきますが、なくてもいい、むしろない方がいいと思います。どうせならギャグ調の作りにでもしてしまえば良かったのではないでしょうか。
CGはもちろん☆画野朗氏。出来の方は充分ですが、残念ながら枚数が少ないです。部分違いを除いて4枚というのはあまりにも少ないのではないでしょうか(露出度もやや低め)。ファンクラブなどの無償ディスクならわかりますが、4200円の一般発売ソフトなのですから、もう少しなんとかして欲しかったです。納得しない人が多いのではないでしょうか。
音楽は本編のものを使用。ボーカル曲もそのまま収録されていますが、どこで使われるのかわかりません。うちの環境ではどこでも鳴りませんでした。エンディングはバグなのか無音でしたし。バグだとしても現在のところ修整ファイルは出てないと思います(9月25日現在)。
ボイスは当然、本編と同じ二人の声優が務めています。演技のレベルは申し分ありません。特に桜塚恋役の友永朱音さんは実に生き生きとした演技をしてくれています。個人的にはもっともっと活躍して欲しいです。
まとめ。ファンならば買うべきソフト。「鷺ノ宮藍」のシナリオがあるだけで買う理由としては充分でしょう。CGが倍あれば文句もないのですけど。本編をプレイしていない人が買う意味はありません。
お気に入り:なんとも酷な二択ですが、どちらかしか選べないのなら桜塚恋
評点:72
以下はキャラ別感想。ネタバレは……、あるかな?
1、桜塚恋
一応、妹キャラとなっていますが、個人的にはそうは見えません。いわば変化球のようなキャラ設定なので、妹属性のない私にはそれがかえって良かったかと。
言動がいちいち楽し過ぎます。図々しいところも魅力というのはある意味すごいかもしれません。飛び蹴りも標準装備。
立ちCGの愛らしさはほとんど無敵状態。制服と私服で髪型が変わるのは新鮮ですし、かなりの高ポイント。
彼女の朝の起こし方は最高です。定番にはもう飽きましたから。
エンディングで藍が出てこないのはちょっともったいないかなぁ、と。
上でも書きましたが、声優の友永朱音さんの演技がまた極上です。彼女なくして恋はあり得ないほどのはまりよう。全ての選択肢を試したくなったのは久しぶり。これからも活躍をお祈りしています。
2、鷺ノ宮藍
半年以上も待ちました。その甲斐はあったように思います。パーフェクトではありませんけれども。
「お兄様」と呼んでくれますが、やはり妹らしい感じはしません(実際、妹ではありませんが)。恋もそうですが、普段は依存する部分がほとんどないのが理由かと思います。
恋と同じく立ちCGは実に可愛いです。特に私服がいい感じ。仕種も恋とは対照的でギュー。
シナリオは三角関係な訳ですが、このゲームが他と違うのはキャラの有りようです。通常、三角関係と言えば、それが決着する場合、選ばれなかった方とは別離状態になります。
ところが、このゲームの場合はヒロインの悩むポイントが違います。
恋と藍の付き合いは十年以上で親友すら越えています。三角関係に限らず、お互いが幸せになって欲しいと真剣に思っている。お互いを必要と感じ、尊敬してきた二人にとって、主人公と結ばれたいと思っても互いとの絆を放棄するなんてことは論外なんですよね。
だからこそ苦しい。本当の意味で自分の喜びは相手の悲しみだから。
「どうしたらいいのかわからない」
藍のセリフはまさに心からのものでしょう。
エンディングは恋の気苦労が増えそうで少しばかり気の毒ですが、幸せのひとつの形には違いないでしょう。まぁ、いざとなれば一夫多妻制の国の国籍をとるという手もありますし(それは「瑠璃色の雪」です)。
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